カモミールは、りんごのような甘い香りの白い小花を咲かせるキク科のハーブで、和名を「カミツレ」といいます。ハーブティーの代表として世界中で親しまれ、ヨーロッパでは「植物のお医者さん」と呼ばれてきました。このページでは、ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い、伝統的な効能とカモミールティーの入れ方、アレルギーなどの注意点、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | カモミール(Chamomile)/カミツレ/カミルレ/カモマイル |
|---|---|
| 学名 | ジャーマン:Matricaria chamomilla(M. recutita) ローマン:Chamaemelum nobile |
| 分類 | キク科(ジャーマンはシカギク属、ローマンはカマエメルム属) |
| 種類 | ジャーマン:一年草/ローマン:多年草 |
| 草丈 | ジャーマン:30〜60cm/ローマン:10〜30cm |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 4〜6月(白い花びらに黄色い中心) |
| 香りの成分 | カマズレン(ジャーマン)、エステル類(ローマン)など |
| 寒さの目安 | 強い |
カモミールとは?特徴と名前の由来
カモミールは、ヨーロッパから西アジアにかけての草地に自生するキク科のハーブです。白い花びらと黄色い中心を持つデイジーに似た小さな花を咲かせ、花からはりんごのような甘くやわらかい香りがします。英名の「カモミール」は、ギリシャ語の「カマイ・メロン(地面のりんご)」に由来し、スペイン語の「マンサニージャ」も「小さなりんご」という意味です。
カモミールは、古代エジプトでは太陽神にささげられた大切なハーブでした。アングロサクソン人の伝承では、9つの聖なるハーブのひとつに数えられています。ヨーロッパでは、近くに植えた植物を元気にするといわれ、「植物のお医者さん」と呼ばれてきました。また、踏まれるたびに香りが立ち、ますます元気に育つことから、「カモミールの苗床のように、踏まれるほど強くなれ」という励ましの言葉も残っています。
ジャーマンカモミールとローマンカモミールの違い
ハーブとして使われるカモミールには、主に2つの種類があります。ハーブティーに使われるのは、主にジャーマンカモミールです。
| ジャーマンカモミール | ローマンカモミール | |
|---|---|---|
| 種類 | 一年草 | 多年草 |
| 草丈 | 30〜60cm | 10〜30cm(地面をはうように広がる) |
| 花の中心 | 丸く盛り上がり、中は空洞 | 盛り上がらない |
| 香り | 花だけが香る | 花も葉も甘い香り |
| 主な使い方 | ハーブティー、スキンケア | グラウンドカバー、ハーブバス、精油 |



このほか、黄色い花を咲かせ、花を染料に使う「ダイヤーズカモミール(コウヤカミツレ)」もあります。こちらはお茶には使いません。
カモミールの効能と使い方
カモミールは、ヨーロッパで昔から家庭の常備薬のように使われてきたハーブです。特にドイツでは、子どもから大人まで身近なハーブとして親しまれています。伝統的に、気持ちを落ち着かせてくつろぎたいときや寝る前、食後に胃の調子を整えたいとき、体を温めたいときに、お茶として飲まれてきました。
ジャーマンカモミールの花から精油をとると、カマズレンという成分ができて、精油が濃い青色になります。カマズレンは、肌をすこやかに保つ化粧品やスキンケア製品にも使われています。
カモミールティーの入れ方
乾燥した花を小さじ2杯(生の花なら10輪ほど)ポットに入れ、熱湯を約200ml注いで、ふたをして3〜5分蒸らします。りんごのような甘い香りの、やさしい味わいのお茶になります。濃いめに入れて温めた牛乳を加えた「カモミールミルクティー」は、寝る前のくつろぎの一杯にぴったりです。ペパーミントやリンデン、レモンバームとのブレンドもおすすめです。

ハーブバス・スキンケア
乾燥した花を布の袋に入れてお風呂に浮かべると、やさしい香りのハーブバスになります。冷ましたカモミールティーを化粧水代わりに使う方法や、髪のすすぎに使う方法も、昔から親しまれてきました。
使うときの注意
- キク科の植物(ブタクサ、キク、マリーゴールドなど)にアレルギーがある人は、飲んだり肌に使ったりしないでください。
- 妊娠中・授乳中の人は、飲みすぎないようにしましょう。
- 血液を固まりにくくする薬(ワルファリンなど)を飲んでいる人は、医師に相談してください。
- 肌に使う前に、腕の内側などで少量試しましょう。
コンパニオンプランツ
カモミールは、近くの植物を元気にするコンパニオンプランツとしても知られています。キャベツやタマネギなどの野菜のそばに植えると、生長を助けるといわれます。花を収穫したあとの茎や葉は、刻んで土にすき込むとよい肥料になります。
カモミールの育て方
カモミールは寒さに強く、育てやすいハーブです。ジャーマンカモミールは秋に種をまくと、冬を越して丈夫に育ち、春にたくさんの花を咲かせます。暑さと蒸れが苦手なので、日当たりと風通しが大切です。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 10月 | 11月 | ||||||||
| 花期 | 4月 | 5月 | 6月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(花) | 4月 | 5月 | 6月 |
※ローマンカモミールは多年草で、株分けでもふやせます。

種まき
種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)ですが、おすすめは秋まきです。冬を越させることで株が丈夫に育ち、春にたくさんの花を咲かせます。春まきは株が大きくならないうちに花が咲き始めます。種はとても小さく、光を好むので、土はかけずに軽く押さえる程度にします。初めての人は、春に出回る苗から育てると手軽です。
置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みます。水はけのよい土に植え、株の間は20〜30cmほどあけましょう。
水やりと肥料
少しずつ何度も水を与えると、土の表面だけが湿って根が深く伸びません。土の表面が乾いたら、鉢底から流れるくらいたっぷりと与えましょう。肥料は、植え付け時に元肥を入れ、春に追肥する程度で十分です。
花の収穫
花びらが水平か少し下向きに開き、中心の黄色い部分が盛り上がってきたころが摘みどきです。晴れた日に花だけを摘み取り、ざるに広げて風通しのよい日陰で乾燥させます。花を摘むと次々に新しい花が咲きます。
病害虫と管理
新芽やつぼみにアブラムシがつきやすいので、こまめに確認し、見つけたら早めに取り除きましょう。アブラムシを運ぶアリにも注意します。うどんこ病を防ぐため、株が混み合ってきたら刈り込んで風通しをよくします。
ジャーマンとローマンのふやし方
ジャーマンカモミールは一年草ですが、こぼれ種で翌年も自然に芽を出します。交雑して香りの弱い株が出ることがあるので、そうした株は抜き取りましょう。ローマンカモミールは多年草なので、春か秋に株分けでふやせます。横に広がるので、鉢植えなら広めの鉢を使います。
カモミールのよくある質問
- カモミールの効能は?
- ヨーロッパでは伝統的に、気持ちを落ち着かせたいときや寝る前、食後に胃の調子を整えたいときにお茶として飲まれてきました。
- カモミールでアレルギーが出ることはありますか?
- キク科の植物なので、ブタクサやキクなどにアレルギーがある人は、反応が出ることがあります。心配な人は飲むのを控えましょう。
- ジャーマンとローマン、お茶にするならどちら?
- ハーブティーには、主にジャーマンカモミールが使われます。ローマンカモミールは苦みがやや強く、ハーブバスやグラウンドカバーに向いています。
- カモミールの種まきはいつがいいですか?
- 9〜10月の秋まきがおすすめです。冬を越して丈夫に育ち、春にたくさんの花を咲かせます。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。





























