ローリエは、カレーやシチューなどの煮込み料理に欠かせないハーブで、和名を「月桂樹(ゲッケイジュ)」といいます。ローレル、ベイリーフとも呼ばれ、いずれも同じ植物です。古代ギリシャでは勝利と名誉の象徴として、月桂冠に使われてきました。このページでは、ローリエの特徴と名前の由来、伝統的な効果・効能、料理やお茶での使い方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ローリエ(Laurier・仏)/ゲッケイジュ(月桂樹)/ローレル/ベイリーフ/ベイ |
|---|---|
| 学名 | Laurus nobilis |
| 分類 | クスノキ科ゲッケイジュ属 |
| 種類 | 常緑高木(剪定で低く保てる) |
| 樹高 | 2〜12m |
| 原産地 | 地中海沿岸 |
| 花期 | 4〜5月(黄色い小花。雌雄異株) |
| 香りの成分 | シネオール、ピネン、オイゲノール、リナロールなど |
| 寒さの目安 | 比較的強い(寒冷地は寒風よけを) |
ローリエ(月桂樹)とは?特徴と名前の由来
ローリエは、地中海沿岸が原産のクスノキ科の常緑樹です。長さ7〜12cmほどの、先のとがった細長い葉は厚くつやがあり、ふちが少し波打っています。葉をちぎると、さわやかで少しスパイシーな香りがします。4〜5月ごろ、葉の付け根に黄色い小さな花を咲かせ、雌の木には秋に黒紫色の実がなります。
「ローリエ」はフランス語、「ローレル」「ベイリーフ」は英語の呼び名で、いずれも同じ植物です。和名の「月桂樹」は、中国の伝説で月に生えているといわれた「月桂」という木に似ていることから当てられた名前です。日本には明治時代の1905年ごろに渡来し、日露戦争の戦勝記念樹として植えられたことから、全国に広まりました。
月桂冠は勝利と名誉の象徴
ギリシャ神話では、ローリエは太陽神アポロンの聖なる木とされています。古代ギリシャでは、ローリエの枝葉で編んだ月桂冠を、競技の勝者や優れた詩人の頭に飾りました。現在でも、マラソンの優勝者に月桂冠を贈る習慣が残っています。英語で受賞者や名誉ある人を表す「laureate(ローリエイト)」という言葉も、ローリエ(laurel)に由来します。

ローリエの効果・効能と使い方
ローリエの葉には、シネオールやオイゲノールなどの香りの成分が含まれています。昔から、脂っこい料理の消化を助け、胃の調子を整えるハーブとして使われてきました。強い香りは、肉や魚の臭みを消し、料理の風味を引き立てます。
| 期待される働き | 内容 |
|---|---|
| 消化を助ける | 伝統的に、脂の多い料理と合わせて胃の調子を整えるハーブとして使われてきた |
| 臭み消し・風味付け | 強い香りが肉や魚の臭みをやわらげ、料理の風味を整える |
| 香りでリフレッシュ | シネオールのすっきりした香りで気分を切り替える |
| 虫よけ | 乾燥葉を米びつなどに入れて、虫よけに使われてきた |
料理
ローリエは、カレーやシチュー、ポトフ、ミートソース、スープなどの煮込み料理に欠かせません。タイムやパセリの茎と束ねた「ブーケガルニ」の定番材料でもあります。煮込み始めに乾燥葉を1〜2枚入れ、香りが出たら取り出しましょう。長く入れっぱなしにすると、苦みが出ることがあります。ピクルスやマリネの漬け液に1枚加えたり、肉や魚の下ごしらえで下味と一緒に葉を添えたりしても、臭みがやわらぎます。

ローリエ茶
乾燥した葉1〜2枚を手でちぎってポットに入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らします。すっきりとした香りのお茶で、食後に飲まれてきました。
虫よけ・ポプリ
乾燥した葉を米びつに数枚入れておくと、虫よけになるといわれます。ポプリの材料にも使えます。
使うときの注意
- 料理に入れた葉は、食べずに取り出しましょう。かたく、のどや胃腸を傷つけることがあります。
- 肌が弱い人は、アレルギーを起こすことがあります。肌に使う場合は、少量で試してからにしましょう。
- 妊娠中の人は、料理に使う量を超えてとらないでください。
ローリエの育て方
ローリエは丈夫な常緑樹で、病害虫も少なく育てやすい木です。放っておくと大きくなるので、剪定で高さを1〜2mにとどめると、庭や鉢植えでも楽しめます。剪定した枝は、そのまま料理用に収穫できます。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 花期 | 4月 | 5月 | ||||||||||
| 剪定 | 3月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 挿し木 | 6月 | 7月 | ||||||||||
| 収穫(葉) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
※寒冷地では、冷たい冬の風が当たらない場所で育てます。

植え付け
苗木から育てるのが手軽です。植え付けは春(3〜4月)か秋(9〜10月)が適期です。鉢植えにする場合は大きめの鉢を使い、2〜3年に1回、ひと回り大きな鉢に植え替えます。
置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。寒さには比較的強いものの、寒冷地では冬の冷たい風が当たらない場所に植えましょう。土はあまり選びませんが、水はけのよい土が向いています。
水やりと肥料
庭植えは、根付いたあとは水やりはほとんど不要です。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり与えます。肥料は、冬の間に株元へ堆肥や緩効性の肥料を施します。
剪定
伸びすぎた枝を切って、高さを1〜2mほどにとどめると、場所をとらずに楽しめます。枝葉が茂りすぎると内側が蒸れて、カイガラムシがつきやすくなります。混み合った枝を間引いて、風が通るようにしましょう。高く伸びると風で倒れやすくなるので、必要なら支柱を立てます。
収穫と乾燥
常緑なので、一年中葉を収穫できます。剪定を兼ねて、葉の付いた枝を切り、風通しのよい日陰に吊るして乾燥させます。葉がパリパリに乾いたら枝から外し、密閉容器に入れて保存しましょう。生の葉は少し苦みがありますが、乾燥させると苦みが抜けて香りがやわらぎます。
ローリエのよくある質問
- ローリエと月桂樹、ローレル、ベイリーフは違うものですか?
- すべて同じ植物です。フランス語でローリエ、英語でローレルやベイリーフ、和名で月桂樹と呼ばれます。
- ローリエの効能は?
- 昔から、脂っこい料理の消化を助け、胃の調子を整えるハーブとして使われてきました。料理では、肉や魚の臭み消しと風味付けに役立ちます。
- 料理に入れたローリエは食べられますか?
- 葉はかたいので、香りが出たら取り出しましょう。そのまま食べると、のどや胃腸を傷つけることがあります。
- 生の葉と乾燥葉、どちらを使えばいいですか?
- 生の葉は少し苦みがあるため、料理には乾燥させた葉がよく使われます。乾燥させると苦みが抜けて、香りもやわらぎます。
































