レモンバーベナは、葉にふれるだけで、レモンそのもののようなさわやかな香りが広がるハーブです。「ハーブの中で最もレモンらしい香り」といわれ、フランスでは「ヴェルヴェーヌ」の名で食後のお茶として親しまれています。このページでは、レモンバーベナの特徴とバーベインとの違い、伝統的な効能、ハーブティーやお菓子での使い方、冬越しのコツを含む育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | レモンバーベナ(Lemon verbena)/コウスイボク(香水木)/ボウシュウボク(防臭木)/ヴェルヴェーヌ(仏) |
|---|---|
| 学名 | Aloysia citrodora(Aloysia triphylla) |
| 分類 | クマツヅラ科イワダレソウ属(アロイシア属) |
| 種類 | 落葉低木 |
| 草丈 | 60cm〜1.5m(暖かい地域では2m以上にも) |
| 原産地 | 南アメリカ(アルゼンチン、チリ、ペルーなど) |
| 花期 | 7〜9月(白〜淡い紫の小花) |
| 香りの成分 | シトラール(ゲラニアール・ネラール)、リモネンなど |
| 寒さの目安 | やや弱い(霜よけが必要) |
レモンバーベナとは?特徴と名前の由来
レモンバーベナは、南アメリカ原産の落葉低木です。細長い槍のような形の明るい緑の葉が、3〜4枚ずつ輪になって茎に付きます。葉をもむと、レモンの皮をしぼったようなさわやかな香りが広がります。夏から秋にかけて、枝先に白や淡い紫色の小さな花を穂のように咲かせます。
18世紀にスペイン人によってヨーロッパに持ち込まれ、香水や化粧品の原料として広まりました。和名の「コウスイボク(香水木)」はこの香りにちなみます。また、明治時代の末に東京でコレラが流行したとき、「ボウシュウボク(防臭木)」という名で鉢植えが売り出されたという話も伝わっています。
レモンバーベナとバーベインの違い
レモンバーベナはフランス語で「ヴェルヴェーヌ」と呼ばれるため、同じクマツヅラ科の「バーベイン(クマツヅラ)」と混同されることがあります。バーベインは香りの少ない草で、紫の小さな花を咲かせる別の植物です。また、花壇で見かける「バーベナ(ビジョザクラなど)」も別の仲間です。レモンの香りがするのはレモンバーベナだけです。

レモンバーベナの効能と使い方
レモンバーベナは、ヨーロッパでは伝統的に、食後に胃の調子を整えたいときや、気持ちを落ち着かせてくつろぎたいときに、お茶として飲まれてきました。フランスでは、夕食後の「ヴェルヴェーヌ」は定番のお茶です。
ハーブティー
生の葉なら5〜6枚、乾燥した葉なら小さじ1杯をポットに入れ、熱湯を約200ml注いで3〜5分蒸らします。すっきりとしたレモンの香りで、クセが少なく、ハーブティーが初めての人にも飲みやすい味わいです。ペパーミントやレモングラス、カモミールとのブレンドもおすすめです。夏は水出しやアイスティーにしても楽しめます。

お菓子・料理
レモンの皮の代わりに、ゼリーやシャーベット、パウンドケーキなどの焼き菓子、カスタードクリームの香り付けに使えます。牛乳や生クリームに葉を浸して香りを移すと、上品なレモンの香りのデザートになります。
ポプリ・ハーブバス
レモンバーベナの葉は、乾燥させても香りが長く残るのが特徴です。ポプリやサシェ、リースの材料にぴったりです。布の袋に入れてお風呂に浮かべると、さわやかな香りのハーブバスになります。
使うときの注意
- 妊娠中・授乳中の人は、飲みすぎないようにしましょう。
- 腎臓に持病がある人は、飲む前に医師に相談してください。
- 長期間、大量に飲むのは避けましょう。
レモンバーベナの育て方
レモンバーベナは、日当たりのよい場所を好み、春から秋にかけてぐんぐん育ちます。南米の暖かい地域の植物なので、冬の寒さ対策が上手に育てるポイントです。冬に葉が落ちても、枯れたわけではありません。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 4月 | 5月 | 6月 | |||||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 収穫(葉) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
※冬は落葉します。寒い地域では鉢植えにして室内か軒下で冬越しします。

置き場所と土
日当たりのよい場所で育てます。日がよく当たるほど香りが強くなります。土質はあまり選びませんが、水はけのよい土が向いています。
植え付け
種はほとんど出回らないので、苗から育てます。植え付けは、遅霜の心配がなくなった4〜6月が適期です。大きく育つので、鉢植えは大きめの鉢を使いましょう。
水やりと肥料
土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。夏は水切れに注意しましょう。冬は葉が落ちて生長が止まるので、水やりを控えめにします。肥料は、春から秋の生育期に、月1回ほど緩効性の肥料を与えます。
摘心と収穫
枝の先を摘む「摘心」をすると、わき芽が伸びて枝数が増え、収穫量が多くなります。葉は必要なときに摘んで使えます。まとめて乾燥させるなら、花が咲く前の香りが強い時期に、枝ごと収穫しましょう。
冬越しとふやし方
レモンバーベナは冬になると葉を落とします。関東より西の暖かい地域では、株元をワラや腐葉土でおおえば屋外で冬を越せることもありますが、寒い地域では鉢植えにして、室内の明るい場所や軒下で冬越しさせましょう。春の芽吹きはほかのハーブより遅く、5月ごろになることもあるので、あわてずに待ちましょう。ふやすときは、初夏に若い枝を挿し木にします。
レモンバーベナのよくある質問
- レモンバーベナの効能は?
- ヨーロッパでは伝統的に、食後に胃の調子を整えたいときや、気持ちを落ち着かせてくつろぎたいときに、お茶として飲まれてきました。
- 冬に葉が全部落ちてしまいました。枯れたのでしょうか?
- レモンバーベナは落葉樹なので、冬に葉が落ちるのは自然なことです。枝を少し削って中が緑色なら生きています。春の芽吹きは遅めなので、5月ごろまで気長に待ちましょう。
- レモンバームとの違いは?
- どちらもレモンの香りがしますが、レモンバームはシソ科の多年草、レモンバーベナはクマツヅラ科の低木です。レモンバーベナのほうが香りが強く、乾燥しても香りが残りやすいのが特徴です。
- 乾燥させても香りは残りますか?
- レモンバーベナは、乾燥させても香りがよく残るハーブです。ハーブティーやポプリ用に、乾燥させて保存しておけます。

































