チコリは、空色のデイジーのような花を咲かせるキク科のハーブです。太い根を炒ってカフェインのない「チコリコーヒー」にしたり、若葉をほろ苦いサラダにしたり、根株から育てた白い芽を野菜(アンディーブ)として食べたりと、ヨーロッパでは昔からまるごと利用されてきました。このページでは、チコリとはどんなハーブか、チコリの根の効能と使い方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | チコリ(Chicory)/キクニガナ(菊苦菜)/アンディーブ(仏語、軟白した芽)/サッカリー |
|---|---|
| 学名 | Cichorium intybus |
| 分類 | キク科キクニガナ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 1〜1.5m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア、北アフリカ |
| 花期 | 6〜9月(空色の花) |
| 根に含まれる成分 | イヌリン(食物繊維の一種)、苦味成分など |
| 寒さの目安 | 強い |
チコリとは?特徴
チコリは、ヨーロッパから西アジア、北アフリカにかけての道ばたや草地に自生する、キク科の多年草です。太くまっすぐな根を地中深くまで伸ばし、根元からタンポポに似た切れ込みのある葉を広げます。夏になると、1〜1.5mほどに伸びたかたい茎に、直径3〜4cmほどの澄んだ空色の花を次々と咲かせます。花は朝に開いて午後にはしぼむ一日花で、ヨーロッパでは時計のように正確に開閉する花として知られてきました。
和名の「キクニガナ」は、キクに似た苦い菜、という意味です。古代エジプトやローマの時代から野菜や薬草として利用されてきた、歴史の長い植物です。
ハーブのチコリと野菜のチコリ(アンディーブ)
スーパーで売られている、白くて先が黄色い、ラグビーボールのような形の野菜も「チコリ」です。これは、秋に掘り上げたチコリの根株を暗く涼しい場所で育て、出てきたやわらかい芽を収穫したもの(軟白栽培)。フランス語では「アンディーブ」と呼ばれ、ほろ苦くシャキシャキした食感がサラダに人気です。同じ植物の、利用する部分と育て方が違うものと考えるとわかりやすいでしょう。

チコリの根の効能と使い方
チコリの根には、イヌリンという水に溶ける食物繊維の一種がたくさん含まれています。イヌリンは腸内の善玉菌のえさになることが知られ、根から取り出したイヌリンは、食品にも使われています。ヨーロッパでは昔から、チコリの根が食欲を増し、消化を助ける苦味のハーブとして伝統的に使われてきました。
チコリコーヒー
根を刻んで乾燥させ、香ばしく炒ってから煮出すと、コーヒーによく似た香りと苦みのある飲み物になります。カフェインを含まないので、コーヒーの代わりとして親しまれ、フランスなどでは、コーヒー豆にチコリを混ぜて飲む習慣もあります。タンポポコーヒーよりもまろやかな味わいといわれます。
チコリコーヒーの作り方
- 秋に、2年目以降の太く育った根を掘り上げる
- よく洗って、細かく刻む
- 天日でカラカラになるまで乾燥させる
- フライパンで、香ばしい茶色になるまで弱火で炒る
- 小さじ1〜2杯をカップ1杯分の水で煮出すか、粉にしてお湯を注いでこす

ミルクを加えて「チコリラテ」にしたり、ふだんのコーヒーに少し混ぜたりしても楽しめます。
葉と花
春のやわらかい若葉は、ほろ苦いサラダ菜として食べられます。苦味が気になる場合は、水にさらしてから使いましょう。空色の花はサラダに散らして彩りに。花は青色の染料としても使われてきました。
使うときの注意
- キク科の植物(ブタクサ、キク、マリーゴールドなど)にアレルギーがある人は使わないでください。
- イヌリンをたくさんとると、お腹が張ったりゆるくなったりすることがあります。少量から試しましょう。
- 胆石など胆のうに持病がある人、妊娠中・授乳中の人は、使う前に医師に相談してください。
チコリの育て方
チコリは寒さに強く、こぼれ種や残った根のかけらからも芽を出すほど丈夫なハーブです。根を利用するなら、深く耕した土で太い根を育てることがポイントです。根の収穫は、株が充実した2年目以降に行います。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月 | 5月 | 6月 | |||||||||
| 植え付け | 9月 | 10月 | ||||||||||
| 花期 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
| 収穫(若葉) | 4月 | 5月 | 6月 | |||||||||
| 収穫(花) | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
| 収穫(根) | 10月 | 11月 |
※根の収穫は2年目以降の秋が目安です。

置き場所と土
日当たりのよい場所を好みます。水はけがよく、栄養豊かな、弱アルカリ性の土で育てましょう。根がまっすぐ深く伸びるので、植え付ける場所は30cm以上深く耕しておくと、太くまっすぐな根が育ちます。酸性の土の場合は、苦土石灰を混ぜて調整します。
種まきと植え付け
根がまっすぐ伸びる「直根性」で植え替えを嫌うため、4〜6月に育てる場所に直接種をまくのが基本です。苗は9〜10月ごろに出回るので、苗から育てる場合は根を崩さないように植え付けましょう。株の間は30〜40cmほどあけます。
水やりと肥料
土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料は、植え付け時に元肥を入れ、春に追肥する程度で十分です。
支柱と花後の管理
花茎が1m以上に伸びると、風で倒れやすくなるので、支柱を立てて支えましょう。こぼれ種でもよく増えるので、増やしたくない場合は、花が終わったら種ができる前に花茎を切り取ります。
根の収穫
根は、株が充実した2年目以降の秋、地上部が枯れ始めるころに掘り上げます。根は深く伸びているので、周りから大きく掘り起こしましょう。掘り残した根のかけらからも芽が出ます。
チコリのよくある質問
- チコリの根にはどんな効能がありますか?
- チコリの根には、食物繊維の一種のイヌリンが多く含まれています。ヨーロッパでは昔から、食欲を増し消化を助ける苦味のハーブとして、伝統的に使われてきました。
- チコリコーヒーにカフェインはありますか?
- チコリの根から作るので、カフェインは含まれていません。コーヒーに似た香ばしい苦みがあり、コーヒーの代わりに楽しまれています。
- スーパーのチコリと同じ植物ですか?
- 同じ植物です。スーパーのチコリ(アンディーブ)は、根株を暗い場所で育てて出てきた、白くやわらかい芽を収穫したものです。
- チコリは多年草ですか?
- 多年草です。寒さに強く、冬は地上部が枯れても根が残り、春になると再び芽を出します。
































