リンデンは、ヨーロッパの街路樹や公園でおなじみの「西洋菩提樹(セイヨウボダイジュ)」です。初夏に咲く甘い香りの花は、ハーブティー(リンデンティー)として古くから親しまれ、フランスでは夜のくつろぎのお茶の定番です。このページでは、リンデンとはどんな木か、お釈迦様の菩提樹との違い、リンデンティーの入れ方と効能、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | リンデン(独)/ライム(英)/ティユール(仏)/セイヨウボダイジュ(西洋菩提樹)/ライムフラワー |
|---|---|
| 学名 | Tilia(シナノキ属) フユボダイジュ:Tilia cordata/ナツボダイジュ:Tilia platyphyllos/セイヨウシナノキ:Tilia × europaea |
| 分類 | アオイ科シナノキ属(古い分類ではシナノキ科) |
| 種類 | 落葉高木 |
| 樹高 | 10〜30m以上 |
| 原産地 | ヨーロッパ |
| 花期 | 6〜7月(クリーム色の小花) |
| 寒さの目安 | 強い |
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リンデンとは?特徴と名前
リンデンは、ヨーロッパに広く分布するシナノキ属の落葉高木の総称で、ハート形の葉と、初夏に咲く甘い香りの花が特徴です。花は、細長いへらのような「苞(ほう)」の中ほどから伸びた柄の先に、クリーム色の小花が数個ずつ下向きに咲きます。花のころには木全体が甘い香りに包まれ、ミツバチがたくさん集まります。花が終わると、小さな丸い実をつけます。
ドイツ語で「リンデン」、英語で「ライム」、フランス語で「ティユール」と呼ばれます。ベルリンの大通り「ウンター・デン・リンデン(菩提樹の下)」の名にもあるように、ヨーロッパでは街路樹や村の広場の木として、昔から人々の暮らしのそばにありました。南フランスのビュイ・レ・バロニーでは、毎年7月にリンデンの花の市が開かれます。
リンデンと「菩提樹」の違い
日本で「菩提樹」と呼ばれる木には、じつは2つの系統があります。ハーブティーに使うのは、シナノキの仲間のリンデンです。
| リンデン(シナノキの仲間) | インドボダイジュ | |
|---|---|---|
| 分類 | アオイ科シナノキ属 | クワ科イチジク属 |
| 葉の形 | ハート形で、ふちがギザギザ | ハート形で、先がしっぽのように長くとがる |
| 育つ場所 | ヨーロッパ、日本(寒さに強い) | インドなど熱帯(寒さに弱い) |
| 知られていること | シューベルトの歌曲「菩提樹」の木。日本のお寺の菩提樹もこの仲間 | お釈迦様がその下で悟りを開いた木 |

お釈迦様の菩提樹(インドボダイジュ)は寒さに弱く、中国から日本に伝わる際に、葉の形が似ているシナノキの仲間が代わりに植えられたといわれています。これが、日本のお寺で見かける菩提樹です。
リンデンティーの効能と入れ方
リンデンの花と苞を乾燥させたハーブティーは、ヨーロッパで古くから親しまれてきました。フランスでは、寝る前に飲むくつろぎのお茶として定番で、伝統的に、気持ちを落ち着かせたいときや、寝つきが気になるとき、かぜのひき始めに体を温めたいときなどに飲まれてきました。昔は赤ちゃんの産湯にリンデンの花を入れる習わしもあったといわれます。
リンデンティーの入れ方
乾燥した花と苞を小さじ2杯ほどポットに入れ、熱湯を約200ml注いで、ふたをして5分ほど蒸らします。ほんのりとした甘い香りと、まろやかでくせの少ない味わいが特徴です。はちみつを少し加えるとさらに飲みやすくなります。

おすすめのブレンド
リンデンはくせが少ないので、ほかのハーブと合わせやすいのも魅力です。おやすみ前にはカモミールと、すっきりさせたいときはペパーミントと、さわやかに楽しみたいときはレモンバームと合わせてみましょう。
ハーブバス
乾燥した花をガーゼの袋に入れてお風呂に浮かべると、やさしい香りのハーブバスになります。
飲むときの注意
- 飲みすぎに注意し、1日2〜3杯までにしましょう。
- 心臓に持病がある人は、飲む前に医師に相談してください。
- 妊娠中・授乳中の人は、控えるか医師に相談してください。
- 花の古いものは香りが落ちるので、保存は1年以内を目安に。
リンデンの育て方
リンデンは寒さに強く、日本でも育てられる落葉樹です。ただし、大きく育つと高さ10m以上になるため、庭に植えるなら場所選びが大切です。花が咲くまでには数年かかるので、気長に育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月 | 2月 | 3月 | 11月 | 12月 | |||||||
| 花期 | 6月 | 7月 | ||||||||||
| 剪定 | 1月 | 2月 | 12月 | |||||||||
| 収穫(花) | 6月 | 7月 |

苗木の植え付け
種から育てることもできますが、発芽までに時間がかかり、花が咲くまでには何年もかかります。家庭では、園芸店で苗木を購入して植えるのが手軽です。植え付けは、葉が落ちている11〜3月(厳寒期を除く)が適期です。
置き場所と土
日当たりのよい場所を好み、水もちのよい、栄養豊かな土でよく育ちます。大きく育つ木なので、家や塀から離れた、枝を広げられる場所に植えましょう。鉢植えにする場合は、大きめの鉢を使い、剪定で大きさを抑えます。
水やりと肥料
庭植えは、根付いたあとは雨水だけで十分です。夏に晴れの日が続いて乾燥するときは水を与えます。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり与えましょう。肥料は、冬の間に株元へ堆肥や緩効性の肥料を施します。
剪定
大きくしたくない場合は、葉が落ちている冬(12〜2月)に、伸びすぎた枝や混み合った枝を切って高さを抑えます。
花の収穫と乾燥
6〜7月、花が開いたら、苞ごと花の房を摘み取ります。開いたばかりの花のほうが香りがよく残ります。風通しのよい日陰に広げて乾燥させ、カラカラになったら密閉容器に入れて保存しましょう。
リンデンのよくある質問
- リンデンとは何ですか?
- ヨーロッパに広く育つシナノキ属の落葉樹で、和名をセイヨウボダイジュといいます。初夏に咲く甘い香りの花を乾燥させて、ハーブティーにします。
- リンデンティーはどんな味ですか?
- ほんのり甘い花の香りで、まろやかでくせの少ない味わいです。カモミールやペパーミントなど、ほかのハーブとも合わせやすいお茶です。
- お寺の菩提樹とリンデンは同じですか?
- 日本のお寺の菩提樹は、リンデンと同じシナノキの仲間です。一方、お釈迦様が悟りを開いたインドの菩提樹は、クワ科の別の木です。
- 家庭の庭でも育てられますか?
- 育てられますが、大きくなる木なので広い場所が必要です。冬に剪定して高さを抑えれば、庭木としても楽しめます。
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