アルカネットは、ワスレナグサに似た鮮やかな青い小花を咲かせる、ムラサキ科のハーブです。「アルカネット」という名前は、青い花を楽しむアンチューサの仲間と、根から赤い色素が採れる染料用の植物の、両方に使われています。このページでは、2つのアルカネットの違い、昔から使われてきた赤い染料と使い方、食べてはいけない理由、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | アルカネット(Alkanet)/アンチューサ/ウシノシタグサ |
|---|---|
| 学名 | 観賞用:Anchusa officinalis、A. azurea など/染料用:Alkanna tinctoria |
| 分類 | ムラサキ科ウシノシタグサ属(アンチューサ属)/アルカンナ属 |
| 種類 | 多年草(短命なものが多い) |
| 草丈 | 30〜100cm |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア、地中海沿岸 |
| 花期 | 5〜7月(青い小花) |
| 注意 | 食用・飲用にはしない |
| 寒さの目安 | 強い(暑さと蒸れに弱い) |
アルカネットとは?2つのアルカネット
アルカネットは、ヨーロッパから西アジアの日当たりのよい乾いた草地に自生する、ムラサキ科の植物です。茎や葉はかたい毛におおわれていて、さわるとざらざらします。初夏に、茎の先に直径1cmほどの鮮やかな青い花をたくさん咲かせます。つぼみのうちは赤紫色で、開くと青くなるのが、ムラサキ科の植物の特徴です。
「アルカネット」という名前は、アラビア語の「ヘンナ(染料の植物)」に由来し、もともとは根から赤い色素が採れる染料用の植物を指していました。現在は、青い花を楽しむアンチューサの仲間も、アルカネットと呼ばれて売られています。
| アンチューサ(ウシノシタグサ属) | ダイヤーズアルカネット(アルカンナ属) | |
|---|---|---|
| 主な種類 | Anchusa officinalis、A. azurea | Alkanna tinctoria |
| 特徴 | 鮮やかな青い花。草丈50〜100cm | 青い花。草丈20〜30cmで地面をはう |
| 主な用途 | 観賞、切り花 | 根を染料に |
日本の「ムラサキ(紫草)」も同じムラサキ科の植物で、根は「紫根(しこん)」と呼ばれ、古くから紫色の染料や生薬として使われてきました。アルカネットの根の色素も、この紫根の色素に近い成分です。

アルカネットの使い方
アルカネットは、現在は主に、青い花を楽しむ観賞用のハーブと、根の色素を使う染料のハーブとして利用されています。
切り花・花壇
鮮やかな青い花は、花壇の彩りや切り花に向いています。ナチュラルガーデンやイングリッシュガーデンによく合い、ミツバチなどの虫もよく集まります。
根の染料
ダイヤーズアルカネットの根の皮には、「アルカニン」という赤い色素が含まれています。この色素は水には溶けにくく、油やアルコールにはよく溶けるため、昔から油やワインの色付け、化粧品の紅、布や木の染料に使われてきました。根を油に浸けておくと、赤から紫色の色付きオイルができます。

手作り石けんの色付け
アルカネットの根を漬けたオイルは、手作り石けんの天然の色付けとして人気があります。色素は酸性で赤く、アルカリ性で青紫に変わる性質があるため、石けんにすると紫から青みがかった色になります。ただし、日光に当たると色があせやすいです。
使うときの注意
- アルカネットは、食べたりお茶にしたりしないでください。肝臓に害を与える成分(ピロリジジンアルカロイド)が含まれています。
- 染料に使った根や油は、子どもやペットが口にしないように管理しましょう。
- 茎や葉のかたい毛で肌がちくちくすることがあるので、作業は手袋をしましょう。
アルカネットの育て方
アルカネットは、寒さに強い一方で、日本の夏の暑さと蒸れが苦手です。日当たりと水はけ・風通しのよい場所で、乾き気味に育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 切り戻し | 7月 | |||||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 |
※短命な多年草で、2〜3年で株が弱ることがあります。こぼれ種で更新しましょう。

種まきと植え付け
種まきは、春(3〜4月)か秋(9〜10月)が適期です。根がまっすぐ伸びて植え替えを嫌うので、ポットにまいて小さいうちに根鉢を崩さず植え付けましょう。苗の植え付けも春か秋に行います。
置き場所と土
日当たりのよい、乾いた場所を好みます。水はけのよい、やせ気味の土が向いていて、砂質の土やアルカリ性の土でもよく育ちます。
水やり
乾燥に強いので、庭植えは根付いたあとはほとんど水やりはいりません。鉢植えは、土の表面がしっかり乾いてから水を与えます。
夏の管理
暑さと蒸れに弱いので、梅雨前に茂った枝を間引いて風通しをよくしましょう。花が終わったら切り戻すと、株が蒸れにくくなり、秋にもう一度花が咲くこともあります。
ふやし方
春か秋に、種まきや株分けでふやします。こぼれ種でもよく増えます。
アルカネットのよくある質問
- アルカネットとアンチューサは同じですか?
- 園芸店では、青い花のアンチューサがアルカネットとして売られていることが多いです。本来のアルカネットは、根から赤い色素が採れる染料用の植物(Alkanna tinctoria)を指します。
- アルカネットは食べられますか?
- 食べられません。肝臓に害を与える成分が含まれているので、食べたりお茶にしたりしないでください。
- アルカネットの根で何色に染まりますか?
- 油やアルコールに溶かすと赤から紫色になります。酸性で赤、アルカリ性で青紫に変わり、石けんでは紫から青みがかった色になります。
- 夏に枯れてしまいました。
- 暑さと蒸れが原因と考えられます。梅雨前に枝を間引いて風通しをよくし、水やりは控えめにしましょう。
































