エリキャンペーンは、人の背丈をこえるほど大きく育ち、夏にヒマワリを小さくしたような黄色い花を咲かせる、キク科のハーブです。和名を「オオグルマ」といい、ヨーロッパや中国では、太い根を昔から薬草として使ってきました。このページでは、エリキャンペーンの特徴と名前の由来、根の伝統的な効能と使い方、注意点、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | エリキャンペーン(Elecampane)/オオグルマ(大車)/ホースヒール/土木香(どもっこう:生薬名) |
|---|---|
| 学名 | Inula helenium |
| 分類 | キク科オグルマ属(イヌラ属) |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 1.5〜2m |
| 原産地 | ヨーロッパ南東部〜西アジア |
| 花期 | 7〜8月(黄色) |
| 主な成分(根) | イヌリン、精油(アラントラクトンなど) |
| 寒さの目安 | 強い |
エリキャンペーンとは?特徴と名前の由来
エリキャンペーンは、ヨーロッパ南東部から西アジアの湿った草地に自生する、キク科の大型の多年草です。根元から長さ50cm以上にもなる大きな葉を広げ、夏には高さ1.5〜2mの茎の先に、細い花びらがたくさん並んだ直径6〜8cmの黄色い花を咲かせます。地下には、太く香りのよい根が育ちます。日本には薬草として伝わり、和名の「オオグルマ」は、花の形を車輪にたとえた名前です。
学名のheleniumは、ギリシャ神話のスパルタ王妃ヘレネーに由来します。トロイアの王子パリスに連れ去られたヘレネーの涙が落ちたところから、この花が生えたという伝説や、ヘレネーが連れ去られたときにこの花を手に持っていたという伝説が残っています。英名の「エリキャンペーン」は、中世のラテン語名「エヌラ・カンパーナ(野原のイヌラ)」がなまったものといわれます。
イヌリンの名前のもと
エリキャンペーンの根には、「イヌリン」という食物繊維の一種が多く含まれています。イヌリンは、1804年にこの植物の根から初めて見つかったため、属名のInulaから名付けられました。

エリキャンペーンの効能と使い方
エリキャンペーンの根は、古代ギリシャ・ローマの時代から薬草として使われてきました。ヨーロッパでは伝統的に、のどの調子が気になるときや、せきが出るとき、食後に胃の調子を整えたいときに使われてきました。中国でも、根を「土木香(どもっこう)」と呼んで生薬にしています。
根のハーブティー
乾燥させて刻んだ根を小さじ1杯ほど小鍋に入れ、水約250mlで10分ほど煮出します。苦みと独特の香りがあるので、はちみつやリコリス、タイムなどと合わせると飲みやすくなります。
根の砂糖漬け
中世ヨーロッパでは、根を砂糖で煮た砂糖漬けが、のどにやさしいお菓子として親しまれていました。

花壇・切り花
大きな黄色い花は、夏の庭を明るく彩ります。背が高いので、花壇の奥や生け垣の前に植えると見ごたえがあります。チョウやハチもよく集まります。
使うときの注意
- キク科の植物(ブタクサ、カモミール、マリーゴールドなど)にアレルギーがある人は、使わないでください。根の成分で、皮膚がかぶれることもあります。
- 妊娠中・授乳中の人、子どもは、使わないでください。
- たくさんとると、吐き気や下痢などを起こすことがあります。持病のある人や薬を飲んでいる人は、使う前に医師に相談しましょう。
エリキャンペーンの育て方
エリキャンペーンは、寒さに強く、一度植えると毎年大きく育つ丈夫な多年草です。人の背丈をこえるほど大きくなるので、広い場所に庭植えするのがおすすめです。湿り気のある土を好みます。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | ||||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 収穫(根) | 10月 | 11月 | ||||||||||
| 株分け | 3月 | 10月 |
※根を使う場合は、2〜3年育てた株の根を秋に掘り上げます。

種まきと植え付け
種まきは、春(3〜4月)が適期です。ポットにまいて育て、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。大きな葉を広げて育つので、株の間は80cm以上あけましょう。花が咲くのは、2年目からが一般的です。
置き場所と土
日なたから半日陰で育ちます。腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜた、水もちのよい肥えた土を好みます。
水やりと肥料
乾燥に弱いので、夏は水切れに注意し、株元をワラや腐葉土でおおって乾燥を防ぎましょう。肥料は、春に堆肥や緩効性の肥料を株元に施します。
支柱と冬越し
背が高くなると風で倒れやすいので、支柱を立てて支えましょう。冬は地上部が枯れますが、根は寒さに強く、春にまた芽を出します。
根の収穫とふやし方
根を使う場合は、2〜3年育てて太くなった株を、秋に掘り上げます。よく洗って刻み、風通しのよい日陰で乾燥させて保存します。ふやすときは、根を掘り上げるときに、芽のついた根を切り分けて植え直します。
エリキャンペーンのよくある質問
- エリキャンペーンとはどんなハーブですか?
- 高さ1.5〜2mになるキク科の多年草で、和名はオオグルマです。太い根を、ヨーロッパや中国で昔から薬草として使ってきました。
- エリキャンペーンの効能は?
- ヨーロッパでは伝統的に、のどの調子が気になるときやせきが出るとき、食後に胃の調子を整えたいときに、根が使われてきました。
- 名前の由来は?
- 学名のheleniumは、ギリシャ神話のヘレネーに由来し、ヘレネーの涙から生まれた花という伝説があります。英名は、中世のラテン語名がなまったものといわれます。
- 鉢植えでも育てられますか?
- 大きく育つので、鉢植えには向きません。広い庭に植えるのがおすすめです。































