ルーは、青みがかった灰緑色の葉と黄色い小花が美しいミカン科のハーブで、和名を「ヘンルーダ」といいます。昔は薬草や料理に使われていましたが、体に害のある成分を含むため、現在は食べたりお茶にしたりはしません。また、葉の汁が肌について日光に当たると、かぶれることがあります。このページでは、ルーの特徴と言い伝え、注意点、観賞や虫よけとしての楽しみ方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ルー(Rue)/ヘンルーダ/ハーブ・オブ・グレイス |
|---|---|
| 学名 | Ruta graveolens |
| 分類 | ミカン科ヘンルーダ属 |
| 種類 | 常緑多年草(根元が木のようにかたくなる) |
| 草丈 | 50〜90cm |
| 原産地 | 南ヨーロッパ |
| 花期 | 6〜7月(黄色い小花) |
| 注意 | 食用・飲用にはしない。汁が肌について日光に当たると、かぶれることがある |
| 寒さの目安 | 強い |
ルーとは?特徴と名前の由来
ルーは、南ヨーロッパの乾いた土地に自生するミカン科の植物です。根元は木のようにかたくなり、暖かい地域では冬も葉を残します。葉は何度も細かく分かれ、丸みのある小さな裂片が集まった形で、青みがかった灰緑色をしています。初夏には枝先に、4〜5枚の花びらを持つ黄色い小さな花をたくさん咲かせます。葉や茎には、独特の強い香りがあります。
学名の種小名graveolensは「強いにおいのある」という意味です。英語の「ハーブ・オブ・グレイス(恵みのハーブ)」という美しい別名は、かつて教会の儀式で、聖水をまくのにルーの枝が使われたことに由来するといわれます。和名の「ヘンルーダ」は、オランダ語の名前がなまったものです。
魔よけのハーブ
ヨーロッパでは、強い香りを持つルーは魔女や疫病を遠ざけるハーブと信じられてきました。中世には、裁判官が法廷に持ち込んで疫病よけにしたという話や、ルーの香りのする酢が流行病よけに使われたという話も伝わっています。画家のレオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロも、目のために食べていたという言い伝えがありますが、現在ではそのような使い方はおすすめできません。

ルーを扱うときの注意
ルーは、かつて料理や民間薬に使われていましたが、葉や茎には体に害のある成分が含まれていることがわかり、現在は食べたり、お茶にして飲んだりはしません。特に妊娠中の人には危険とされています。
また、葉の汁には「フロクマリン」という成分が含まれていて、汁が肌についた状態で日光に当たると、赤くはれたり水ぶくれができたりすることがあります(光線過敏症)。剪定などの作業をするときは、必ず手袋と長袖を身につけ、晴れた日の日中を避けましょう。
ルーを扱うときの注意
- 葉・花・茎を食べたり、お茶にして飲んだりしないでください。
- 妊娠中の人は、触れないようにしてください。
- 作業は手袋と長袖で行い、汁が肌についたらすぐに石けんで洗い流して、日光に当てないようにしましょう。
- 小さな子どもやペットが触れたり、口にしたりしない場所に植えましょう。
ルーの楽しみ方
口には入れませんが、美しい葉の色や香りを生かして、庭やクラフトで楽しめるハーブです。
庭の彩り
青みがかった灰緑色の葉は、花壇の中でよく目立つカラーリーフになります。ほかの草花の緑や花の色を引き立て、寄せ植えのアクセントにもぴったりです。
虫よけ
強い香りには虫を遠ざける働きがあるとされ、昔は乾燥させた枝を食品庫に吊るしてハエよけにしたり、本の間に葉をはさんで虫よけにしたりしてきました。花が終わったあとに切り戻した枝を乾燥させて使えます。

チョウを呼ぶ植物として
ルーはミカン科の植物なので、アゲハチョウの仲間の幼虫がよく葉を食べにきます。チョウの観察を楽しみたい人には、チョウを呼ぶ植物としても役立ちます。葉を守りたい場合は、幼虫を見つけたら別の場所へ移しましょう。
ドライフラワー・ポプリ
黄色い花や枝は、乾燥させてドライフラワーやポプリの材料にもなります。作業の際は、手袋をつけましょう。
ルーの育て方
ルーは乾燥に強く、寒さにも強い丈夫なハーブです。水はけのよい場所で、乾かし気味に育てましょう。作業は必ず手袋をして行います。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 花期 | 6月 | 7月 | ||||||||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 9月 | |||||||||
| 切り戻し | 7月 | 8月 |

置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みます。水はけのよい、やや乾き気味の土が向いていて、やせた土でもよく育ちます。弱アルカリ性の土を好むので、庭植えでは苦土石灰を混ぜておくと安心です。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。ポットにまいて、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。株の間は40cmほどあけましょう。
水やりと肥料
乾燥に強く、多湿が苦手です。鉢植えは土がしっかり乾いてから水を与え、庭植えは根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料は春に少量与える程度で十分です。
切り戻しとふやし方
ルーはわき芽が出にくく、枝が長く伸びやすい性質があります。花が終わったら、深めに切り戻すとわき芽が伸びて、こんもりとした形に整います。挿し木は初夏(5〜6月)か秋(9月)が適期です。切った枝は虫よけやドライフラワーに使えます。
コンパニオンプランツとしての相性
昔から、イチジクやバラの根元に植えると、香りで害虫を遠ざけるといわれてきました。一方で、バジルやセージとは相性が悪いともいわれます。
ルーのよくある質問
- ルーは食べられますか?
- 食べられません。昔は料理や薬に使われていましたが、体に害のある成分が含まれていることがわかり、現在は食用・飲用にはしません。
- ルーを触ったら、肌が赤くなりました。
- 葉の汁が肌についた状態で日光に当たると、かぶれたり水ぶくれができたりすることがあります。すぐに石けんで洗い、日光を避けてください。症状が強い場合は皮膚科を受診しましょう。
- ルーは何に使えますか?
- 美しい葉を楽しむ観賞用、乾燥させた枝の虫よけ、ドライフラワーなど、口に入れない使い方で楽しめます。
- 葉が食べられて丸坊主になりました。
- アゲハチョウの仲間の幼虫が食べたと考えられます。ルーはミカン科なので、幼虫がよく集まります。見つけたら取り除くか、ほかの場所へ移しましょう。
































