ソープワートは、葉や根を水でもむと泡が立つ、ナデシコ科のハーブです。和名を「サボンソウ(シャボン草)」といい、昔のヨーロッパでは石けんの代わりに使われていました。初夏から秋にかけて、淡いピンクのかわいらしい花を咲かせます。このページでは、ソープワートとはどんなハーブか、泡の秘密と伝統的な効能、手作り洗浄液の作り方と注意点、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ソープワート(Soapwort)/サボンソウ(シャボン草)/バウンシングベット |
|---|---|
| 学名 | Saponaria officinalis |
| 分類 | ナデシコ科サボンソウ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 30〜90cm |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 6〜9月(淡いピンク・白) |
| 主な成分 | サポニン(根に多い) |
| 注意 | 食用・飲用にはしない |
| 寒さの目安 | 強い |
ソープワートとは?特徴と名前の由来
ソープワートは、ヨーロッパから西アジアの道ばたや川辺に自生する、ナデシコ科の多年草です。まっすぐ伸びる茎に、先のとがった楕円形の葉が向かい合ってつきます。初夏から秋にかけて、茎の先に直径2〜3cmほどの5弁の花をたくさん咲かせます。花の色は淡いピンクや白で、八重咲きの品種もあります。花には、夕方になると強くなる甘い香りがあります。
属名のSaponariaはラテン語の「sapo(石けん)」に、英名の「ソープワート」も「石けんの草」という意味です。葉や茎、根を水に入れてもむと、石けんのような泡が立つことから名付けられました。英名の別名「バウンシングベット」は、昔、洗濯をする女性の呼び名だったといわれます。
泡の秘密はサポニン
ソープワートの泡は、植物に含まれる「サポニン」という成分によるものです。サポニンには、水と油をなじませて汚れを落とす働きがあります。中世のヨーロッパでは、根を乾燥させたものを石けんの代わりに使い、羊毛の洗浄にも使っていました。やさしく洗えるため、現在でも、博物館で古い貴重な織物を洗うのに使われることがあります。

ソープワートの使い方と効能
ソープワートは、昔は薬草としても使われ、伝統的に肌のかゆみや荒れに、煮出した液を外用で使ったと伝えられています。ただし、サポニンは飲むと体に害があるため、現在は主に洗浄液と、花を楽しむ観賞用として育てられています。
手作り洗浄液の作り方
葉と茎をひとつかみ(約30g)刻み、水500mlと一緒に鍋に入れて、15〜20分ほど煮出します。冷ましてからこせば、やさしい泡の洗浄液のできあがりです。保存料が入っていないので、冷蔵庫で保存し、2〜3日で使い切りましょう。乾燥させた根を使うと、より泡立ちのよい洗浄液になります。
デリケートな布の手洗いに
泡立ちは市販の洗剤ほど強くありませんが、ウールやシルク、古い布やレースなど、デリケートな布をやさしく手洗いするのに向いています。

花を楽しむ
淡いピンクの花は、ナチュラルガーデンによく合います。夕方に香りが強くなり、ガが花の蜜を吸いに集まります。切り花にしても楽しめます。
使うときの注意
- ソープワートは食べたり、お茶にして飲んだりしないでください。サポニンは、飲み込むと胃腸を荒らすなど体に害があります。
- 洗浄液が目に入らないよう注意しましょう。肌に使う場合は、腕の内側などで試してからにしてください。
- 子どもやペットが口にしないよう、手の届かない場所で保管しましょう。
ソープワートの育て方
ソープワートは、とても丈夫で、ほとんど手がかからないハーブです。ただし、地下茎でどんどん広がるので、植える場所には注意しましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
| 切り戻し | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 |

種まきと植え付け
種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)が適期です。苗の植え付けも、春か秋に行います。株の間は30〜40cmほどあけましょう。
置き場所と土
日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。水はけがよく、やや湿り気のある土が向いています。中性から弱アルカリ性の土を好むので、酸性の土の場合は苦土石灰を少し混ぜておきましょう。
水やりと肥料
庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりはいりません。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。肥料はほとんど必要ありません。
切り戻しと支柱
最初の花が終わったら、茎を半分ほどに切り戻すと、秋にもう一度花を咲かせます。背が高くなって倒れやすい場合は、支柱を立てましょう。
ふやし方と広がり対策
春か秋に株分けすると、簡単にふやせます。こぼれ種でも増えます。地下茎で横に広がるので、庭に植える場合は、仕切り板などで広がりを防ぐか、深めの鉢で育てるのがおすすめです。
ソープワートのよくある質問
- ソープワートとはどんなハーブですか?
- 葉や根を水でもむと泡が立つ、ナデシコ科のハーブです。和名はサボンソウで、昔は石けんの代わりに使われていました。
- ソープワートの効能は?
- 泡のもとのサポニンに、汚れを落とす働きがあります。昔は肌のかゆみなどに外用で使われたと伝えられますが、飲むと体に害があるため、口にしないでください。
- ソープワートで体や髪を洗えますか?
- 昔はシャンプー代わりにも使われていましたが、肌に合わないこともあります。使う場合は、腕の内側などで試してから、目に入らないよう注意しましょう。
- 増えすぎて困っています。
- 地下茎で広がるので、伸びた地下茎を掘り取りましょう。花が終わったら早めに切り戻すと、こぼれ種で増えるのも防げます。































