ホップは、ビールの苦みと香りのもとになる、つる性のハーブです。松かさのような薄緑色の花(毬花)が夏から秋にかけてたくさん下がり、グリーンカーテンとしても人気があります。「ホップの木」と呼ばれることもありますが、木ではなく、毎年冬に地上部が枯れる多年草です。このページでは、ホップの特徴、ビールやハーブティーでの使い方と伝統的な効能、注意点、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ホップ(Hop)/セイヨウカラハナソウ(西洋唐花草) |
|---|---|
| 学名 | Humulus lupulus |
| 分類 | アサ科カラハナソウ属(以前はクワ科) |
| 種類 | つる性多年草(雌雄異株) |
| 草丈(つるの長さ) | 5〜8m |
| 原産地 | ヨーロッパ、西アジア |
| 花期 | 7〜8月 |
| 主な成分 | 苦み:α酸(フムロン)・β酸(ルプロン)/香り:ミルセン、フムレン |
| 寒さの目安 | 強い(暑さに弱い) |
ホップとは?特徴と名前の由来
ホップは、ヨーロッパから西アジアの川辺や林のふちに自生する、アサ科のつる性多年草です。茎や葉には下向きの細かいとげがあってざらざらし、ほかの植物や支柱に右巻きにからみつきながら、ひと夏で5〜8mも伸びます。雄株と雌株があり、ビールなどに使うのは、雌株につく松かさのような形の花(毬花)です。毬花の中には「ルプリン」という黄色い粉があり、これが苦みと香りのもとになります。
ホップは、冬になると地上部が枯れ、春にまた根から芽を出す多年草です。大きく育つので「ホップの木」と呼ばれることもありますが、木ではありません。日本の山野には、近い仲間のカラハナソウが自生しています。学名のlupulusは「小さなオオカミ」という意味で、ほかの植物にからみついて覆う様子をたとえたといわれます。
ビールとホップ
古代ローマの博物学者プリニウスは、春の若芽を野菜として食べることを記しています。ビールにホップが使われるようになったのは8〜9世紀ごろのドイツの修道院といわれ、苦みと香りをつけるだけでなく、ビールを腐りにくくする働きがあることから、15〜16世紀にかけてヨーロッパ中に広まりました。日本では、明治時代に北海道で栽培が始まり、現在は岩手県や秋田県などが主な産地です。

ホップの効能と使い方
ホップは、ヨーロッパで伝統的に、なかなか寝つけないときや、気持ちが落ち着かないとき、食欲がないときなどに使われてきました。ホップ畑で摘み取り作業をする人が眠くなりやすいことから、眠りを誘うハーブとして知られるようになったといわれます。ドイツでは、カノコソウ(バレリアン)と組み合わせたハーブ製品も使われています。
ビール
ホップの毬花は、ビールに苦みと華やかな香りを加え、泡持ちをよくし、腐りにくくする働きがあります。品種によって、柑橘系、花のような香り、松のような香りなど、さまざまな香りがあります。
ハーブティー
乾燥した毬花を小さじ1/2〜1杯ほどポットに入れ、熱湯を約200ml注いで5分ほど蒸らします。苦みがあるので、カモミールやレモンバーム、はちみつと合わせると飲みやすくなります。夜のリラックスタイムにどうぞ。

安眠ピロー
乾燥させた毬花を、ラベンダーなどと一緒に小さな布袋に詰めて枕元に置くと、やさしい香りでリラックスできます。イギリスでは昔から「ホップピロー」として親しまれてきました。
若芽
春に伸びる若いつるの先は、ヨーロッパではアスパラガスのようにゆでて食べられています。ベルギーでは、春の高級食材として知られています。
使うときの注意
- 妊娠中・授乳中の人は、ハーブティーやサプリメントを控えてください。
- 眠くなることがあるので、飲んだあとの車の運転や機械の操作は控えましょう。睡眠薬や安定剤を飲んでいる人は、医師に相談してください。
- ホップは犬が食べると重い中毒を起こすことがあります。毬花や手作りビールの搾りかすを、犬の届かない場所で管理しましょう。
- 茎や葉のとげで肌がかぶれることがあるので、作業は手袋と長袖で行いましょう。
ホップの育て方
ホップは、寒さに強く、涼しい気候を好むつる性のハーブです。支柱やネットにつるを誘引すれば、夏の日よけになるグリーンカーテンとしても楽しめます。毬花を収穫したい場合は、雌株を育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月 | 4月 | ||||||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 収穫(毬花) | 8月 | 9月 | ||||||||||
| 収穫(若芽) | 4月 | 5月 | ||||||||||
| 刈り取り | 11月 | 12月 |
※暑さに弱いので、暖かい地域では午後に日陰になる場所が向いています。

苗選びと植え付け
植え付けは、春(3〜4月)が適期です。種から育てると雄株か雌株かわからないので、毬花を収穫したい場合は、雌株の苗を選びましょう。大きく育つので、庭植えか、深さのある大きな鉢やプランターに植えます。
置き場所と土
日当たりのよい場所を好みますが、暑さに弱いので、暖かい地域では午後に日陰になる場所が向いています。堆肥をたっぷり混ぜた、水はけと水もちのよい肥えた土で育てましょう。
支柱とつるの誘引
つるが伸び始めたら、高さ2m以上の支柱やネットを立てて、つるを右巻きにからませます。春に出たつるのうち、元気なものを数本だけ残して誘引すると、毬花がたくさんつきます。
水やりと肥料
夏は水をよく吸うので、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。生育期の春から夏は、月に1〜2回肥料を与えましょう。
収穫
8〜9月ごろ、毬花をさわってみて、カサカサと乾いた感じになり、中の黄色いルプリンが見えるようになったら収穫どきです。風通しのよい日陰で乾燥させて保存します。
冬越しとふやし方
冬に地上部が枯れたら、つるを株元から刈り取ります。根は寒さに強く、春にまた芽を出します。ふやすときは、春に株分けするか、地下茎を切り分けて植えます。
ホップのよくある質問
- ホップは木ですか?
- いいえ、つる性の多年草です。ひと夏で5〜8mも伸びて大きくなるので「ホップの木」と呼ばれることもありますが、冬には地上部が枯れ、春にまた根から芽を出します。
- ホップのハーブティーの効能は?
- ヨーロッパで伝統的に、なかなか寝つけないときや、気持ちが落ち着かないときに飲まれてきました。苦みがあるので、カモミールなどとブレンドすると飲みやすくなります。
- ホップは生薬として使われますか?
- 日本の漢方では一般的ではありませんが、ヨーロッパでは昔から薬草として使われ、ドイツなどではハーブ製品の原料になっています。
- 毬花がつきません。
- 毬花がつくのは雌株だけです。また、暑さが厳しいと花つきが悪くなります。雌株の苗を選び、暖かい地域では半日陰で育てましょう。

































