レディースマントルは、マントのように広がる丸い葉と、ふんわりとした黄緑色の小花が魅力のバラ科のハーブです。ヨーロッパでは「女性のハーブ」として伝統的に親しまれてきました。ただし、日本の園芸店で多く売られているのは観賞用の品種です。このページでは、レディースマントルの特徴と名前の由来、伝統的な効能、園芸用と薬用の違い、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | レディースマントル(Lady’s mantle)/ハゴロモグサ(羽衣草)/アルケミラ/ライオンズフット |
|---|---|
| 学名 | 薬用:Alchemilla vulgaris(A. xanthochlora) 園芸用:Alchemilla mollis |
| 分類 | バラ科ハゴロモグサ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 20〜50cm |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 5〜7月(黄緑色の小花) |
| 寒さの目安 | 強い(暑さと蒸れには弱い) |
レディースマントルとは?特徴と名前の由来
レディースマントルは、ヨーロッパの山地の草原などに自生するバラ科の多年草です。うぶ毛におおわれた丸い葉は、ふちがひだのように波打ち、手のひらのように浅く切れ込んでいます。初夏になると、黄緑色の小さな花が泡のようにふんわりと集まって咲き、やさしい雰囲気の庭づくりに人気です。
英名の「レディースマントル」は、葉の形が聖母マリアのマント(外套)に似ていることから付けられました。和名の「ハゴロモグサ」も、天女の羽衣にたとえた名前です。
葉の上の「魔法の水玉」
レディースマントルの葉は、細かい毛が水をはじくため、雨上がりや朝方には、葉の中心に丸い水玉が宝石のように光って残ります。昔の人々は、この水には不思議な力が宿ると信じ、錬金術師が「賢者の石」を作るために集めたという言い伝えもあります。学名の「アルケミラ(Alchemilla)」は、アラビア語の「錬金術」に由来するといわれています。

レディースマントルの効能と使い方
レディースマントルは、ヨーロッパでは昔から「女性のハーブ」として知られ、女性特有の体のリズムが気になるときに、伝統的にお茶として飲まれてきました。葉にはタンニンが多く含まれ、引き締める働き(収れん作用)があることから、肌のお手入れや、口の中をすすぐうがいにも使われてきました。
ハーブティー
乾燥した葉を小さじ1〜2杯ポットに入れ、熱湯を約200ml注いで5分ほど蒸らします。ほのかな渋みのある、すっきりとした味わいです。ハーブティー用の乾燥葉は、ハーブ専門店などで手に入ります。
園芸用と薬用の違いに注意
日本の園芸店で「レディースマントル」として多く売られているのは、観賞用のAlchemilla mollis(アルケミラ・モリス)です。大きく育ち、花もボリュームがあって庭を美しく彩りますが、ハーブティーとして伝統的に使われてきたのは、Alchemilla vulgarisなどの薬用の種類です。お茶にしたい場合は、園芸用の株ではなく、ハーブティー用として販売されている乾燥葉を使いましょう。
| アルケミラ・モリス | アルケミラ・ウルガリス | |
|---|---|---|
| 主な用途 | 観賞用(花壇・切り花) | ハーブティー(薬用) |
| 見た目 | 葉が大きく、花のボリュームがある | やや小ぶり |
| 手に入る場所 | 園芸店の苗 | ハーブ専門店の乾燥葉 |

観賞・切り花
黄緑色のふんわりとした花は、バラやほかの草花を引き立てる名脇役として人気です。花壇の縁取りやロックガーデンに植えたり、切り花やドライフラワーにしてアレンジメントに加えたりして楽しめます。
使うときの注意
- 妊娠中の人は使わないでください。
- タンニンが多いので、胃の弱い人は飲みすぎに注意しましょう。
- 持病のある人や薬を飲んでいる人は、医師に相談してから飲んでください。
レディースマントルの育て方
レディースマントルは、寒さには強い一方で、日本の夏の高温多湿が苦手です。夏を涼しく過ごさせることが、上手に育てる最大のポイントです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 10月 | 11月 | ||||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 収穫(葉) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
※夏は強い日差しと蒸れを避け、明るい日陰で管理します。

置き場所と土
春と秋は日当たりのよい場所でも育ちますが、夏の強い日差しや西日は葉が傷む原因になります。木陰や建物の東側など、明るい半日陰が理想です。土は水はけのよいものを選び、多湿にならないようにしましょう。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。苗から育てると手軽です。植え付けは春か秋に行い、株の間は30〜40cmほどあけます。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。じめじめした状態が続くと根腐れしやすいので注意しましょう。肥料は、春と秋に緩効性の肥料を少量施します。
夏越し
暑さで株が弱りやすいので、夏は鉢植えを風通しのよい日陰に移します。庭植えは、株元にマルチングをして地温の上昇を防ぐと効果的です。傷んだ葉や古い葉はこまめに取り除き、蒸れを防ぎましょう。
花後の手入れとふやし方
花が咲き終わったら、花茎を根元から切り取ると、株が蒸れにくくなり、こぼれ種でふえすぎるのも防げます。株が大きくなったら、春か秋に株分けしてふやしましょう。冬は地上部が小さくなっても、春にまた葉を広げます。
レディースマントルのよくある質問
- レディースマントルの効能は?
- ヨーロッパでは昔から「女性のハーブ」として、女性特有の体のリズムが気になるときに伝統的に飲まれてきました。葉に含まれるタンニンには、引き締める働きがあります。
- 園芸店の苗をハーブティーにできますか?
- 園芸店で多く売られているのは観賞用のアルケミラ・モリスです。ハーブティーにするなら、ハーブ専門店で販売されている乾燥葉を使いましょう。
- 夏に枯れてしまいました。
- レディースマントルは高温多湿が苦手です。夏は風通しのよい明るい日陰に移し、水のやりすぎに注意しましょう。
- 葉の上の水玉はなぜできるのですか?
- 葉の表面の細かい毛が水をはじくため、水が丸い玉になって残ります。朝露や雨上がりに見られる、レディースマントルならではの美しい姿です。































