コモンマロウは、濃い筋の入った赤紫色の花を咲かせる、アオイ科のハーブです。花で入れるハーブティーは鮮やかな青色で、レモンを加えるとピンク色に変わることから「夜明けのハーブティー」とも呼ばれます。このページでは、コモンマロウの特徴、伝統的な効能、マロウティーの入れ方と色が変わるしくみ、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | コモンマロウ(Common mallow)/ウスベニアオイ(薄紅葵)/マロウブルー |
|---|---|
| 学名 | Malva sylvestris |
| 分類 | アオイ科ゼニアオイ属 |
| 種類 | 多年草(二年草として扱われることも) |
| 草丈 | 60cm〜1.5m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア、北アフリカ |
| 花期 | 5〜8月(濃い筋の入った赤紫の花) |
| 寒さの目安 | 強い |
コモンマロウとは?特徴
コモンマロウは、ヨーロッパから西アジア、北アフリカにかけての道ばたや草地に自生する、アオイ科の植物です。手のひらのように浅く切れ込んだ丸い葉を持ち、初夏から夏にかけて、葉のわきに直径3〜5cmほどの赤紫色の花を次々と咲かせます。5枚の花びらには、濃い紫色の筋が入るのが特徴です。和名の「ウスベニアオイ」は、薄い紅色の葵(あおい)という意味です。
古代ギリシャやローマの時代から、野菜や薬草として利用されてきた歴史のある植物で、若い葉や芽はゆでて食べられてきました。
コモンマロウの仲間
アオイ科には、名前のよく似たハーブがいくつかあります。お菓子のマシュマロの名前の由来になったマシュマロウ(ウスベニタチアオイ)は、淡いピンクの花で、主に根を利用します。ほかにも、淡いピンクの花にかすかな香りのあるムスクマロウや、日本でもよく見かける小ぶりの花のゼニアオイなどがあります。

コモンマロウの効能と使い方
コモンマロウの花や葉には、水に溶けるととろみの出る「粘液質」が含まれています。ヨーロッパでは伝統的に、のどがいがらっぽいときや、胃腸の調子を整えたいときにお茶として飲まれてきました。
マロウティーの入れ方
乾燥した花を小さじ1〜2杯(5〜6輪ほど)、ガラスのポットやカップに入れて熱湯を約200ml注ぎます。2〜3分ほどで、透き通った美しい青色のお茶になります。味はほとんどくせがなく、まろやかです。ほかのハーブとブレンドしても楽しめます。
色が変わるしくみ
マロウティーは、時間がたつと青から紫へと色が変わり、レモン汁を加えると一瞬でピンク色に変わります。この色の変化は、花に含まれる色素「アントシアニン」によるものです。アントシアニンは、液体が酸性になると赤っぽく、アルカリ性になると青っぽく色が変わる性質を持っています。レモン汁は酸性なので、お茶がピンク色に変わるのです。

同じアントシアニンを含む紫キャベツやブルーベリーも、酢やレモン汁を加えると赤っぽく変化します。理科の実験で使うリトマス試験紙も、同じように酸性とアルカリ性で色が変わるしくみを利用しています。お子さんと一緒に、身近な色の変化を楽しんでみるのもおすすめです。


料理
花はサラダに散らすと、鮮やかな彩りになります。若い葉や芽はゆでて、ほうれん草のように野菜として食べられます。
使うときの注意
- 粘液質がほかの薬の吸収を妨げることがあるため、薬を飲んでいる人は時間をずらしてください。
- 妊娠中・授乳中の人は、飲む前に医師に相談してください。
- 体質に合わないと感じたら、飲むのをやめましょう。
コモンマロウの育て方
コモンマロウは、寒さに強く、土質もあまり選ばない丈夫なハーブです。夏の間、次々と花を咲かせるので、毎朝少しずつ花を摘んで乾燥させれば、ハーブティーをたっぷり楽しめます。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 4月 | 5月 | 10月 | |||||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 収穫(花) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | ||||||||
| 収穫(葉) | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |

置き場所と土
日当たりのよい場所を好みます。水はけのよい土であれば、土質はあまり選びません。草丈が1m以上になることもあるので、広いスペースを確保しましょう。
種まきと植え付け
根がまっすぐ伸びる性質があり、植え替えを嫌うので、育てる場所に直接種をまくのがおすすめです。種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。ポットで育てる場合は、根を崩さないように小さいうちに植え付けます。株の間は50cmほどあけましょう。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料は、植え付け時に元肥を入れ、春に追肥する程度で十分です。
花の収穫と乾燥
花は1日でしぼむので、咲いたばかりの花を毎朝摘み取ります。摘んだ花は、ざるなどに重ならないように広げ、風通しのよい日陰でカラカラになるまで乾燥させましょう。直射日光に当てると色があせてしまいます。乾燥した花は、湿気を避けて密閉容器で保存します。
支柱と病害虫
背が高くなると倒れやすいので、支柱を立てて支えます。葉を巻いて中に入り込むハマキムシや、アブラムシがつくことがあるので、見つけたら早めに取り除きましょう。
コモンマロウのよくある質問
- マロウティーはなぜ色が変わるのですか?
- 花に含まれる色素アントシアニンが、酸性で赤っぽく、アルカリ性で青っぽく変わる性質を持っているためです。レモン汁を加えるとピンク色に変わります。
- コモンマロウとマシュマロウは同じですか?
- 別の植物です。コモンマロウ(ウスベニアオイ)は赤紫の花をハーブティーに使い、マシュマロウ(ウスベニタチアオイ)は淡いピンクの花で、主に根を使います。
- マロウティーはどんな味ですか?
- ほとんどくせがなく、まろやかな味わいです。色の変化を楽しむハーブティーとして人気があります。
- 摘んだ花の青い色を残すには?
- 咲いたばかりの花を摘み、直射日光を避けて日陰で手早く乾燥させましょう。乾いたら湿気を避けて密閉容器で保存します。































色が青から紫に変化する様子や、リトマス試験紙について解説しました。