ハーブ健康チェック7選

目次

うまく育てられない トラブル1

植えた場所の日当たりや風通しは?

ほとんどのハーブは、好日性といって日当たりがよく、しかも通風が適当にあるところを好みます。鉢植えでも一部を除いては、室内より屋外の方がうまくいきます。

水はけは良好ですか?

水はけが悪いと、植物の根は呼吸ができず元気がなくなります。水はけが悪いところは、畝を高くしたり、腐葉土を混入したりします。庭を造るときは、暗渠や礫層を設け、水はけを配慮した構造にします。

土づくりをきちんとしていますか?

ハーブの魅力である「香り」は、地味豊かな有機質の土壌で育てると、もっとも芳しくなります。春先に石灰と腐葉土を十分にすき込み、土づくりをして準備します。

肥料を適切に与えていますか?

植物の栄養5要素は、チッ素、リン酸、カリ、カルシウム、マグネシウムで、これらを適切に施すことが必要です。肥料を与えすぎるとハーブの香りが悪くなるので、控えめを基本にします。春と秋の年2回、または1回で十分です。

株に元気がない トラブル2

生育に適した温度を保っていますか?

熱帯産のバジルやレモングラスは高温多湿を好み、秋になると元気がなくなります。冬場は鉢上げして室内やハウスで越冬させます。逆に、真夏は日陰を作るか、涼しい場所に移動します。

光が不足していませんか?

ハーブの色が浅く、ひょろりとした枝葉になっているときは、日照不足が原因です。十分に光が当たるように処置します。長雨で光量不足の場合は、根際にマルチをし、徒長した枝を刈り、支柱を立てて倒伏を防ぎます。

枝や葉が込みすぎていませんか?

ラベンダーやタイムなどは、開花期が梅雨と重なります。高温多湿の環境では、新梢の通気が悪く、下葉はすぐに黒くなってしまいます。整枝をして風通しをよくし、周囲の雑草を抜きます。花後は全株を1/3くらい刈り戻します。

根詰まりを起こしていませんか?

鉢植えや狭い庭では、植物の根が込み合い、根詰まりを起こしやすくなります。鉢植えでは大きい鉢に植え替え、庭植えなら株分けや取り木を行います。長期間同じ場所に連作すると障害が起こるので、数年に一度は植える場所を移動し、苦土石灰を施します。

葉先や新芽が枯れてきた トラブル3

急に日光の下に出しませんでしたか?

春になって、それまで室内で越冬した苗や鉢物を戸外に出すと、日焼けを起こすことがあります。レモンバームやミント類は、真夏の太陽で日焼けし、粗野なにおいになります。この場合、寒冷紗などで日よけをし、十分潅水します。

薬剤を近づけて散布しませんでしたか?

病虫害対策のためスプレー剤を使うときは、近づけすぎないようにします。近づけすぎると薬害で葉や苗を枯らすことがあります。

強い風や霜の影響はありませんか?

ハーブの新芽や新梢はデリケートで、強風にあうと、そこだけ折れたり、茶色く変色したりします。強風地帯や海の近くでは周辺に囲いを作ります。また、遅霜のある地方では寒冷紗を設置します。

潅水を忘れていませんか?

長い間雨が降らないと、チャイブスなどは葉先が黄色く枯れ始めます。また、鉢植えのバジルなどでは水やりを忘れてしおれさせると、次第に葉先が変色します。

葉が変色してきた トラブル4

白い斑点がついていませんか?

真夏の高温乾燥期に葉が急に白っぽくなってきたときは、ハダニの被害です。被害の大きい葉は取り去り、水圧を強くしたホースの水を葉面にかけると被害は収まります。真夏には寒冷紗で遮光すると、被害が少なくなります。

葉の緑が全体に淡くなっていませんか?

光不足が原因か肥料の不足です。ハーブの施肥は控えめが基本ですが、鉢植えの場合には、春から秋の生長期に暖効性の肥料を追肥してもよいでしょう。ただし、開花期や結実期の追肥は避けます。

葉色がまだらになっていませんか?

葉の緑がまだらになる場合は、ウイルス性の病気を疑います。アブラムシによって感染するので、早めに防除します。感染を防ぐため、病株は切り取って焼却します。

気温が下がってきていませんか?

タイムやセージ、ミントなど寒さに強い耐寒性のハーブは、寒暖の差が激しくなる秋には、背丈もずんぐりして、濃い色に変わります。また、オレガノのように紅葉する種類もあります。

香りが良くない トラブル5

種から育てませんでしたか?

ハーブの種、とくにシソ科の種は、交雑しやすく、親株と同じ香りや色に育つとは限りません。また、ミントでは使いものにならない香りのものが出現します。信頼できる専門店で良質の株を求め、挿し木などでふやすほうが賢明です。

葉の緑が全体に淡くなっていませんか?

光不足が原因か肥料の不足です。ハーブの施肥は控えめが基本ですが、鉢植えの場合には、春から秋の生長期に暖効性の肥料を追肥してもよいでしょう。ただし、開花期や結実期の追肥は避けます。

チッ素肥料が多すぎませんか?

ハーブには自己を害虫害から守るために、忌避物質を発散する力があり、これが芳香のもとになります。肥料過多だとこの力が抑制され、嫌なにおいになります。植え付け前に暖効性の有機質肥料を使うか、施肥を控えめにします。

花が咲かない トラブル6

チッ素肥料を与えすぎていませんか?

チッ素肥料が多いと、葉は青々と茂っていても花つきが悪くなります。葉や花、実を利用するハーブでは、チッ素の比率がやや少ない肥料を選びます。また、ビタミン剤に相当するマグネシウムなどの微量要素を含む肥料も有効です。

光を適切に与えていますか?

好日性のハーブは、日照が不足すると花芽がつきません。また、秋咲きの植物は、日照時間が短くならないと、花芽を持ちません。後者の場合、夜遅くまで室内や街灯の光に当たっているときは、おおいをして日照時間を調整します。

春に剪定しませんでしたか?

シソ科のハーブは、刈り戻して利用しながら育てると、枝張りがよくなります。しかし、春から初夏までの間に剪定を繰り返すと、花芽を持つはずの枝まで刈り取ってしまうことになります。この時期は、通風がよくなる程度に整枝するつもりで枝を間引きます。

花の咲かない種類ではありませんか?

斑入りのセージ、葉を観賞するためのサントリナやラベンダーの改良種などの中には、花が咲かないか、咲きにくいものがあります。

根が黒く腐ってきた トラブル7

水のやりすぎではないですか?

乾燥に強いラベンダーやタイムなどは、加湿には敏感です。開花後、花が刈り取らずに高温多湿状態を続けると、根腐れを起こし、突然枯れることがあります。花後は刈り戻し、根際の通風と排水をよくします。冬場は生育が止まるので、水やりは最小限にします。

下葉が枯れていませんか?

キャラウェイ、セージなどで見られ、ネグサレセンチュウという寄生虫が原因です。センチュウ類を殺す成分を分泌するフレンチマリーゴールドを近隣に植えることで予防できます。また、腐葉土や堆肥などをすき込んだよい土をつくっておくことも大切です。

株元が腐敗していませんか?

根元が溶けたように腐敗したときは、細菌による軟腐病で、ボリジやクラリーセージなどに見られます。発見したらただちに抜き取って焼却します。植え付け時に根を傷つけないようにし、チッ素肥料を控えれば予防できます。

地際に白い糸状のものがありませんか?

真夏に発生する白絹病が原因です。病株は抜いて焼却します。
予防法には、庭や畑ならば、1~2月に天地返し(土の上層と下層の入れ替え)が効果的です。鉢植えでは、土を透明のビニール袋に入れ、真夏の直射日光で高温殺菌します。

古い種ではありませんか?

種にも寿命があります。特に1年草は寿命が短く、1年たつと発芽が極端に悪くなります。種は昨年のものを使うようにします。また、直射日光の当たる場所や高温多湿の環境で保存した種もうまく発芽しません。

温度は適切ですか?

種にはそれぞれ発芽に適した温度があります。そのため適温が得られる季節に種をまくことが必要です。ほとんどのハーブは、桜が咲くころが適期で、ラベンダーは八重桜のころ、バジルは5月の中旬になってからにします。

水分は適切ですか?

水分が多すぎると土中の通気が悪くなり、発芽したての種に細菌が寄生して、枯れることがあります。水分が少ないと、出かけた根や芽が干からびてしまいます。濡れた新聞紙でおおったり、スプレーで水をかけたりすると効果的です。

覆土のしすぎではありませんか?

ハーブの種は光が当たらないと発芽しないものが多く、土をかぶせすぎると、発芽しにくくなります。カモミールやオレガノなどの小さな種は1mmぐらい土をかぶせれば十分です。

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