オリーブは、銀緑色の細い葉と、オリーブオイルの原料になる実をつける、地中海生まれの常緑樹です。平和の象徴としても知られ、シンボルツリーや鉢植えとしても人気があります。このページでは、オリーブの特徴と主な品種、オリーブオイルや実の使い方、実をつけるための品種の相性(受粉樹)、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | オリーブ(Olive)/オリーブノキ |
|---|---|
| 学名 | Olea europaea |
| 分類 | モクセイ科オリーブ属 |
| 種類 | 常緑高木 |
| 樹高 | 鉢植えで1〜3m(地植えでは5〜10m) |
| 原産地 | 地中海沿岸〜西アジア |
| 花期 | 5〜6月(白い小花) |
| 実の収穫 | 9〜12月(緑から黒紫に熟す) |
| 寒さの目安 | 比較的強い(−5℃前後まで) |
オリーブとは?特徴と歴史
オリーブは、地中海沿岸から西アジア原産の、モクセイ科の常緑高木です。細長い葉は、表が深い緑、裏が銀白色で、風にゆれるときらきらと光ります。初夏に、モクセイに似た白い小さな花をたくさん咲かせ、秋には実が緑から赤紫、黒紫へと熟していきます。乾燥に強く、数百年、ときには千年以上も生きる長寿の木です。
オリーブは、6,000年以上前から栽培されてきた、人類にとって最も古い果樹のひとつです。『旧約聖書』のノアの方舟の物語では、大洪水のあとに放ったハトがオリーブの枝をくわえて戻り、水が引いたことを知らせました。このことから、オリーブの枝は平和の象徴とされ、国際連合の旗にも描かれています。日本では、明治時代に香川県の小豆島で栽培が成功し、現在も国内の主な産地となっています。
主な品種
| 品種 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ミッション | 樹形が縦に伸びる。日本で最も多く栽培されている | オイル、塩漬け |
| マンザニロ | 樹形が横に広がる。実が大きく丸い | 塩漬け |
| ルッカ | 生育が旺盛で丈夫。油分が多い | オイル |
| ネバディロ・ブランコ | 花粉が多く、受粉樹として人気 | オイル、受粉樹 |
| アルベキーナ | 小型でコンパクト。1本でも実がつきやすい | オイル、鉢植え |

オリーブの使い方
オリーブの実は、オレイン酸を多く含むオリーブオイルの原料として、地中海の食生活に欠かせません。葉も、地中海地方では伝統的にお茶にして飲まれてきました。
オリーブオイル
熟した実を搾ってつくるオリーブオイルは、加熱や化学処理をせずに搾ったままの状態で食べられる、数少ない食用油です。
| 種類 | 特徴 | 向いている使い方 |
|---|---|---|
| エクストラバージン | 一番搾りのうち、酸度が低く風味が最もよいもの | サラダ、パンにつける、仕上げにかける |
| バージン | 一番搾りのオイル | 加熱料理、ドレッシング |
| ピュア(オリーブオイル) | 精製したオイルにバージンオイルを混ぜたもの | 炒め物、揚げ物 |
実の塩漬け(テーブルオリーブ)
収穫したばかりの生の実は、「オレウロペイン」という成分のためにとても渋く、そのままでは食べられません。家庭では、実に切れ目を入れて、水や塩水に毎日取り替えながら2〜3週間さらして渋を抜き、塩水に漬けます。苛性ソーダ(水酸化ナトリウム)を使う方法もありますが、取り扱いには十分注意が必要です。

リース・スワッグ
剪定した枝は、銀緑色の葉が美しく、乾燥させても色が残りやすいので、リースやスワッグにぴったりです。
使うときの注意
- 生の実は渋くて食べられません。必ず渋抜きをしてから食べましょう。
- 苛性ソーダで渋抜きをする場合は、ゴーグルと手袋を使い、子どもの手の届かないところで作業してください。
- オリーブオイルは光や熱で劣化しやすいので、遮光瓶に入れ、涼しい場所で保存しましょう。
- オリーブの花粉で、花粉症の症状が出る人もいます。
オリーブの育て方
オリーブは、日当たりと水はけのよい場所を好む、丈夫で育てやすい木です。ただし、多くの品種は1本だけでは実がつきにくいため、実を収穫したい場合は相性のよい品種を2本以上近くに植えましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月 | 4月 | ||||||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | ||||||||||
| 収穫(実) | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||||||
| 剪定 | 2月 | 3月 |
※実をつけるには、開花前の冬に一定の寒さに当たることも必要です。

実をつけるための品種の相性(受粉樹)
オリーブの多くの品種は、自分の花粉では実がつきにくい「自家不和合性」という性質があります。実をつけるには、開花時期が合い、相性のよい別の品種を近くに植えることが大切です。一般に、次のような組み合わせがよいといわれています。
| 植えたい品種 | 相性がよいといわれる受粉樹 | 1本での実つき |
|---|---|---|
| ミッション | ネバディロ・ブランコ、マンザニロ、ルッカ | つきにくい |
| マンザニロ | ネバディロ・ブランコ、ミッション | つきにくい |
| ネバディロ・ブランコ | ミッション、マンザニロ | つきにくい |
| ルッカ | ミッション、ネバディロ・ブランコ | 比較的つきやすい |
| アルベキーナ | (1本でも可。ほかの品種と組み合わせるとさらに安定) | つきやすい |
相性は、地域の気候や開花時期のずれによっても変わります。苗を買うときは、園芸店の受粉樹の表示も確認しましょう。
植え付けと置き場所
植え付けは、寒さがゆるむ3〜4月が適期です。一日中日の当たる、風通しのよい場所を選びましょう。日当たりが悪いと、花や実がつきにくくなります。寒さには比較的強く、関東より西の平地なら庭植えもできます。寒い地域では鉢植えにして、冬は凍らない場所に移します。
土と水やり
水はけのよい土を好み、酸性の土が苦手です。植え付けの前に苦土石灰を混ぜて、弱アルカリ性に整えておきましょう。鉢植えは、土の表面がしっかり乾いてから、たっぷり水を与えます。常に土が湿っていると根腐れの原因になります。
肥料と剪定
肥料は、2〜3月と、花後の6月、収穫後の10月ごろに与えます。剪定は、2〜3月に、混み合った枝、内側に向かう枝、下向きの枝などをつけ根から切り、木の内側まで光と風が通るようにしましょう。花や実は前年に伸びた枝につくので、枝先を一律に刈り込むと実がつかなくなります。
病害虫
オリーブの最大の害虫は「オリーブアナアキゾウムシ」です。幹の中に幼虫が入り込み、ひどいと木が枯れてしまいます。株元におがくずのような木くずが出ていたら要注意です。株元の雑草を取り、こまめに確認しましょう。
オリーブのよくある質問
- オリーブは1本でも実がなりますか?
- 多くの品種は1本では実がつきにくいので、相性のよい別の品種を近くに植えましょう。アルベキーナなどは、1本でも比較的実がつきやすい品種です。
- ミッションと相性のよい品種は?
- 一般に、ネバディロ・ブランコ、マンザニロ、ルッカなどが受粉樹として相性がよいといわれています。開花時期が合うことが大切です。
- 収穫したオリーブの実は、そのまま食べられますか?
- 生の実は渋くて食べられません。水や塩水にさらして渋を抜いてから、塩漬けにして食べましょう。
- 実がならないのはなぜですか?
- 受粉樹がない、日当たり不足、冬の寒さが足りない、剪定で枝先を切りすぎたなどが主な原因です。































