ハーブティーの「ハイビスカス」は、南国の大きな赤い花のハイビスカスではなく、「ローゼル」という種類の、花のあとにふくらむ赤いがく(萼)を乾燥させたものです。ルビー色で甘酸っぱいハイビスカスティーは、ローズヒップとブレンドした「ハイビスカスローズ」としても人気があります。このページでは、2つのハイビスカスの違い、ハイビスカスティーの入れ方と伝統的な効能、ローゼルの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ハイビスカス(ハーブティー用)/ローゼル(Roselle)/ローゼリソウ/レモネードブッシュ |
|---|---|
| 学名 | Hibiscus sabdariffa |
| 分類 | アオイ科フヨウ属(ハイビスカス属) |
| 種類 | 一年草(熱帯では多年草) |
| 草丈 | 1〜2m |
| 原産地 | 西アフリカ |
| 花期 | 9〜10月(淡い黄色に中心が赤い花) |
| 主な成分 | クエン酸・ハイビスカス酸などの植物酸、アントシアニン、カリウム |
| 寒さの目安 | 弱い(霜で枯れる) |
ハーブのハイビスカス(ローゼル)とは?
ローゼルは、西アフリカが原産のアオイ科の植物です。高さ1〜2mほどに育ち、秋になると淡い黄色に中心が赤い、オクラに似た花を咲かせます。花は1日でしぼみ、そのあとに、果実を包むように厚みのある深紅の「がく」がふっくらとふくらみます。このがくを乾燥させたものが、ハイビスカスティーの原料です。
ハイビスカスティーは、エジプトやスーダンなどアフリカの国々、中南米、タイなどで広く飲まれています。日本では、1964年の東京オリンピックのマラソンで優勝したエチオピアのアベベ選手が愛飲していたことで注目されたといわれます。
2つのハイビスカスの違い
「ハイビスカス」と聞くと、めしべが長く突き出た南国の大きな赤い花を思い浮かべる人が多いでしょう。これは観賞用の低木で、ハーブティーには使いません。
| ローゼル(ハーブティー用) | 観賞用のハイビスカス | |
|---|---|---|
| 学名 | Hibiscus sabdariffa | Hibiscus rosa-sinensis(ブッソウゲ)など |
| 種類 | 一年草 | 常緑低木 |
| 花 | 淡い黄色で中心が赤い、やや小さめの花 | 赤・ピンク・黄などの大きな花 |
| 使う部分 | 花のあとにふくらむ赤いがく | 観賞用(お茶にはしない) |

ハイビスカスティーの効能と入れ方
ハイビスカスティーは、クエン酸やハイビスカス酸などの植物酸による、さわやかな酸味が特徴です。昔から、暑い季節ののどの渇きをいやし、疲れたときに元気を取り戻すお茶として飲まれてきました。ルビー色はアントシアニンという色素によるもので、カリウムも多く含まれています。
ハイビスカスティーの入れ方
乾燥したローゼルのがくを小さじ1杯ほどポットに入れ、熱湯を約200ml注いで5分ほど蒸らします。鮮やかなルビー色の、酸味の強いお茶になります。酸っぱさが気になる場合は、はちみつを加えるとまろやかになります。
ローズヒップとのブレンド「ハイビスカスローズ」
ハイビスカスは、ローズヒップと同じ量でブレンドするのが定番です。ローズヒップのやさしい甘みとビタミンCが加わり、酸味がやわらいで飲みやすくなります。この組み合わせは「ハイビスカスローズ(ローズヒップ&ハイビスカス)」と呼ばれ、ハーブティーの中でも特に人気があります。

そのほかの楽しみ方
夏は、濃いめに入れたハイビスカスティーを氷で冷やしたアイスティーや、炭酸水で割ったソーダもおすすめです。生のがくは、砂糖で煮てジャムやシロップにすると、鮮やかな赤色に仕上がります。お茶の出がらしも、砂糖で煮てジャムにできます。
飲むときの注意
- 酸味が強いので、胃の弱い人は飲みすぎに注意しましょう。
- 血圧の薬や利尿薬を飲んでいる人は、飲む前に医師に相談してください。
- 妊娠中・授乳中の人は、控えるか医師に相談してください。
- 酸で歯が溶けやすくなるので、飲んだあとは水で口をすすぐと安心です。
ハイビスカス(ローゼル)の育て方
ローゼルは、暑さが大好きな熱帯生まれの植物です。日本では春に種をまく一年草として育てます。気温が十分に上がってから種をまき、日当たりのよい場所で育てれば、秋に赤いがくを収穫できます。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 5月 | |||||||||||
| 植え付け | 6月 | |||||||||||
| 花期 | 9月 | 10月 | ||||||||||
| 収穫(がく) | 9月 | 10月 | 11月 | |||||||||
| 収穫(若葉) | 7月 | 8月 | 9月 |
※気温が10℃を下回ると生長が止まり、霜が降りると枯れます。

種まきと植え付け
熱帯の植物なので、種まきは気温が20℃以上になる5月ごろが適期です。早くまきすぎると、寒さで発芽しなかったり生育が止まったりします。ポットに種をまき、本葉が4〜5枚になったら、6月ごろに植え付けましょう。
置き場所と土
一日中よく日が当たる場所で育てます。栄養豊かで、水もちのよい土を好むので、植え付ける場所には堆肥や元肥を混ぜておきましょう。1〜2mに大きく育つので、株の間は60cm以上あけ、鉢植えなら大きめの鉢を使います。
水やりと肥料
土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。夏は特に水切れに注意しましょう。生育期は月に1〜2回追肥をします。
花とがくの収穫
ローゼルは、日が短くなると花が咲く性質があるため、花が咲くのは秋の9〜10月ごろです。花がしぼんで落ちてから1〜2週間ほどたち、がくが赤くふっくらとふくらんだら収穫どきです。中の種の入った実を取り除き、がくだけを風通しのよい日陰で乾燥させましょう。若い葉は、酸味のある野菜として炒め物などにも使えます。
冬の管理
寒さに弱く、気温が10℃を下回ると生長が止まり、霜に当たると枯れてしまいます。日本では一年草として扱い、とれた種を保存して、翌年また春にまきましょう。
ハイビスカスのよくある質問
- 観賞用のハイビスカスの花でお茶は作れますか?
- 観賞用のハイビスカス(ブッソウゲなど)は、お茶にはしません。ハイビスカスティーに使うのは、ローゼルという種類の赤いがくです。
- ハイビスカスローズとは何ですか?
- ハイビスカスとローズヒップを同じ量でブレンドしたハーブティーのことです。酸味がやわらぎ、飲みやすい人気の組み合わせです。
- ハイビスカスティーはなぜ酸っぱいのですか?
- がくに、クエン酸やハイビスカス酸などの植物酸がたくさん含まれているためです。はちみつを加えるとまろやかになります。
- 家庭でローゼルを育てられますか?
- 育てられます。気温が十分に上がった5月ごろに種をまき、日当たりのよい場所で育てれば、秋に赤いがくを収穫できます。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。






























