ローズ(バラ)は、「花の女王」と呼ばれる美しい花であると同時に、古くから香りや薬用に使われてきたハーブです。花びらはローズティーやローズウォーター、精油に、赤い実はビタミンCたっぷりの「ローズヒップ」として使われます。このページでは、ハーブとして使われるバラの種類と特徴、伝統的な効能と使い方、ハーブとして育てるバラの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ローズ(Rose)/バラ(薔薇)/ショウビ |
|---|---|
| 学名 | Rosa spp.(ダマスクローズ:R. × damascena、ドッグローズ:R. canina など) |
| 分類 | バラ科バラ属 |
| 種類 | 落葉低木(つる性のものもある) |
| 樹高 | 0.5〜3m(種類による) |
| 原産地 | 北半球の温帯(アジア、ヨーロッパ、中東など) |
| 花期 | 5〜6月(四季咲きの品種は秋まで) |
| 主な精油成分 | シトロネロール、ゲラニオール、フェニルエチルアルコール |
| 寒さの目安 | 強い |
ローズ(バラ)とは?ハーブとしての歴史
バラは、北半球の温帯に約200種の野生種が自生する、バラ科の落葉低木です。現在、世界には数万種の園芸品種があるといわれます。人とバラの歴史はとても古く、古代ペルシャやエジプト、ギリシャ、ローマでも、香りの花として大切にされてきました。古代ローマの人々は、宴会の床にバラの花びらを敷きつめ、花冠や香水、お菓子にも使ったと伝えられています。
バラの花から香りを取り出す技術は、ペルシャで発展しました。10世紀ごろのペルシャの医師イブン・スィーナー(アヴィケンナ)が、水蒸気蒸留でローズウォーターを作ったといわれます。また、17世紀のムガル帝国では、宮廷の庭のバラ水を張った堀の水面に、太陽の熱で浮かんだ油を見つけたことが、ローズオイルの始まりだという言い伝えもあります。
ハーブとして使われる主なバラ
| 種類 | 特徴 | 主な使い方 |
|---|---|---|
| ダマスクローズ | 香りの代表。ブルガリアやトルコで栽培 | ローズオイル、ローズウォーター、ローズティー |
| ガリカローズ(アポテカリーローズ) | 中世ヨーロッパで「薬屋のバラ」と呼ばれた古いバラ | ローズティー、ポプリ |
| キャベジローズ(ケンティフォリア) | 花びらが多く、甘い香り | 香水、ローズウォーター |
| ドッグローズ | ヨーロッパの野バラ。赤い実がなる | ローズヒップ |
| ハマナス | 日本の海岸に自生するバラ。大きな実 | ローズヒップ、ジャム |
ローズオイルは、1kgを作るのに3〜5トンもの花びらが必要といわれ、精油の中でも特に高価です。

ローズの効能と使い方
バラの花は、ヨーロッパや中東で伝統的に、気持ちを落ち着かせたいときや、肌の調子を整えたいときに使われてきました。中国でも、つぼみを「玫瑰花(まいかいか)」と呼んでお茶にしています。ローズヒップには、ビタミンCが豊富に含まれています。
ローズティー
乾燥した花びらやつぼみを小さじ1〜2杯ポットに入れ、熱湯を約200ml注いで3〜5分蒸らします。華やかな香りのお茶で、紅茶とのブレンドもおすすめです。
ローズヒップティー
乾燥したローズヒップを刻んだものを小さじ1〜2杯ポットに入れ、熱湯を注いで5〜10分ほど蒸らします。ほのかな酸味のあるお茶です。酸味の強いハイビスカスとのブレンド「ローズヒップ&ハイビスカス」は、鮮やかな赤い色の定番のハーブティーです。お茶を飲んだあとのローズヒップは、ジャムのように食べることもできます。

ローズウォーター
バラの花びらを水蒸気蒸留したときにできる芳香蒸留水です。化粧水として使われるほか、中東やインドでは、お菓子や飲み物の香り付けにも使われます。食用には、食品用として売られているものを使いましょう。
お菓子・ジャム・ポプリ
香りのよい花びらは、ジャムや砂糖漬け、シロップにしてお菓子に使えます。乾燥させた花びらやつぼみは、ポプリやサシェにして香りを楽しめます。
使うときの注意
- 園芸店の苗や花屋の切り花には、食用を想定していない農薬が使われていることがあります。食べたりお茶にしたりするのは、農薬を使っていない株の花や、食用として売られているものにしましょう。
- ローズヒップの中の種には細かい毛があり、のどや肌を刺激します。生の実からジャムなどを作るときは、種と毛をしっかり取り除きましょう。
- 精油は原液のまま肌につけず、飲まないでください。妊娠中の人は、精油の使用を控えましょう。
ローズ(バラ)の育て方
バラは手がかかるイメージがありますが、ハーブとして育てるなら、丈夫で香りのよいオールドローズや原種のバラがおすすめです。日当たりと風通しのよい場所で、肥料をしっかり与えて育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 1月 | 2月 | 4月 | 5月 | 11月 | 12月 | ||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 10月 | |||||||||
| 収穫(花) | 5月 | 6月 | ||||||||||
| 収穫(実) | 9月 | 10月 | 11月 | |||||||||
| 剪定 | 1月 | 2月 |
※休眠期の大苗は11〜2月、鉢植えの新苗は4〜5月が植え付けの適期です。

苗選びと植え付け
植え付けは、葉が落ちた休眠期(11〜2月)の大苗か、春(4〜5月)の新苗が適期です。ハーブとして花びらや実を使うなら、ダマスクローズやガリカローズなどのオールドローズ、実のなるドッグローズやハマナスなどの原種系が育てやすくおすすめです。
置き場所と土
1日5時間以上日が当たり、風通しのよい場所を好みます。堆肥をたっぷり混ぜた、水はけと水もちのよい肥えた土で育てましょう。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。葉に水がかかると病気の原因になるので、株元に与えましょう。肥料は、冬(1〜2月)に堆肥や有機肥料を「寒肥」として与え、花が咲き終わったあとにも「お礼肥」を与えます。
剪定
冬(1〜2月)に、枯れ枝や細い枝、込み合った枝を切って整えます。一季咲きのオールドローズは、強く切りすぎると花が減るので、軽めに整えましょう。実を楽しむ場合は、花がらを摘まずに残しておきます。
病害虫
梅雨どきの黒星病やうどんこ病、春のアブラムシなどに注意しましょう。株元をマルチングして雨のはね返りを防ぎ、風通しをよくしておくと、病気を予防できます。
ローズのよくある質問
- ローズはハーブですか?
- はい。花びらやつぼみ、実が、ハーブティーやローズウォーター、精油、お菓子などに使われる、香りのハーブです。
- ローズヒップとハイビスカスのブレンドティーとは?
- ほのかな酸味のローズヒップと、酸味の強いハイビスカスを合わせた、鮮やかな赤い色の定番のハーブティーです。
- 庭のバラの花びらを食べてもいいですか?
- 農薬を使っていない株の、香りのよい花びらなら使えます。園芸店の苗や切り花は、食用を想定していない農薬が使われていることがあるので避けましょう。
- ハーブとして育てるのに向いているバラは?
- 香りのよいダマスクローズやガリカローズ、実を楽しめるドッグローズやハマナスなど、丈夫なオールドローズや原種系がおすすめです。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。





























