マシュマロウは、淡いピンクの花を咲かせるアオイ科のハーブで、和名をウスベニタチアオイといいます。お菓子の「マシュマロ」は、昔この植物の根から作られていたことが名前の由来です。このページでは、マシュマロウとマシュマロの関係、根・葉・花のハーブティーなどの使い方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | マシュマロウ(Marsh mallow)/ウスベニタチアオイ(薄紅立葵)/ビロードアオイ |
|---|---|
| 学名 | Althaea officinalis |
| 分類 | アオイ科タチアオイ属(アルテア属) |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 1〜1.5m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 7〜8月(淡いピンクの花) |
| 寒さの目安 | 強い(冬は地上部が枯れて根で越冬) |
マシュマロウとは?特徴と名前の由来
マシュマロウは、ヨーロッパから西アジアにかけての海辺の湿地や、川べりの湿った草地に生える多年草です。草丈は1〜1.5mほどになり、葉や茎はビロードのようなやわらかい毛でおおわれています。夏になると、葉のつけ根に直径3〜4cmほどの淡いピンクの5弁の花を咲かせます。
英名の「マーシュ・マロウ(marsh mallow)」は、「湿地(marsh)に生えるアオイ(mallow)」という意味です。学名のAlthaeaは、ギリシャ語で「癒やす」を意味する言葉に由来するといわれ、古くから薬草として大切にされてきたことがうかがえます。和名のウスベニタチアオイは、「薄い紅色の花を咲かせるタチアオイの仲間」という意味です。
マシュマロウとお菓子のマシュマロの関係
マシュマロウの根には、水を含むととろりとした粘りが出る成分(粘液質)がたくさん含まれています。古代エジプトでは、この根の汁をはちみつと合わせたお菓子が、特別な人のためのごちそうとして作られていたと伝えられています。
19世紀のフランスでは、マシュマロウの根の粘液に砂糖や卵白を合わせて泡立てた、ふんわりしたお菓子が作られるようになりました。これが現在のマシュマロの始まりです。のちに、手間のかかる根の代わりにゼラチンが使われるようになり、今のマシュマロには、マシュマロウはほとんど使われていません。名前だけが、お菓子に残ったというわけです。

コモンマロウとの違い
同じアオイ科で名前のよく似た「コモンマロウ(ウスベニアオイ)」は、別の植物です。コモンマロウは紫色の花を咲かせ、花のハーブティーにレモンを入れると青から紫、ピンクへと色が変わることで知られています。一方のマシュマロウは、主に根を使い、花は淡いピンク色です。
| マシュマロウ | コモンマロウ | |
|---|---|---|
| 和名 | ウスベニタチアオイ | ウスベニアオイ |
| 学名 | Althaea officinalis | Malva sylvestris |
| 花の色 | 淡いピンク | 紫(濃い筋が入る) |
| 主に使う部分 | 根(葉・花も) | 花・葉 |
マシュマロウの使い方
マシュマロウは、根・葉・花のすべてが使われてきたハーブです。ヨーロッパでは、根や葉のとろりとした粘液質が、のどの不快感や胃腸のあれを和らげるものとして、伝統的に利用されてきました。
根のハーブティー(水出し)
根の粘液質は熱に弱いため、水出しで入れるのが向いています。細かく刻んで乾燥させた根を小さじ1杯ほどカップに入れ、水を約200ml注いで、数時間から一晩置きます。とろみが出たらこして、そのまま飲むか、軽く温めて飲みましょう。ほんのり甘く、まろやかな味わいです。

葉と花のハーブティー
乾燥させた葉や花は、小さじ1〜2杯をポットに入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らしてハーブティーにします。クセが少ないので、ほかのハーブとブレンドしても楽しめます。
料理
やわらかい若葉は、ゆでて野菜のように食べたり、スープに入れたりできます。淡いピンクの花は、サラダに散らして彩りにします。
使うときの注意
- 粘液質がほかの薬の吸収を妨げることがあるため、薬を飲んでいる人は、時間を1時間以上ずらすか、医師や薬剤師に相談してください。
- 持病のある人、妊娠中・授乳中の人は、使う前に医師に相談してください。
- 体質に合わないと感じたら、使うのをやめましょう。
マシュマロウの育て方
マシュマロウは寒さに強く、一度植えると毎年芽を出す丈夫な多年草です。もともと湿地に生える植物なので、土を乾かしすぎないことが上手に育てるポイントです。背が高くなるので、広めのスペースで育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月 | 5月 | ||||||||||
| 植え付け | 4月 | 5月 | ||||||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 収穫(葉) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||
| 収穫(花) | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 収穫(根) | 10月 | 11月 |
※根の収穫は、植え付けて2年目以降の秋が目安です。

置き場所と土
日当たりのよい場所を好みます。半日陰でも育ちますが、花つきが悪くなります。湿り気のある、栄養分の多い土が向いているので、植え付ける場所には腐葉土や堆肥をたっぷり混ぜておきましょう。
種まきと植え付け
種まきは4〜5月。ポットに種をまいて薄く土をかけ、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。大きく育つので、株の間は50cmほどあけましょう。鉢植えにする場合は、深さのある大きめの鉢を使います。
水やりと肥料
乾燥が苦手なので、鉢植えは土の表面が乾く前に、たっぷりと水を与えます。庭植えでも、夏に晴れの日が続いたら水やりをしましょう。春と秋に、緩効性の肥料を株元に施します。
支柱と冬越し
草丈が1mを超えると、風で倒れやすくなるので、支柱を立てて支えます。冬は地上部が枯れますが、根は寒さに強く、春になると再び芽吹きます。枯れた茎は、根元近くで切り取っておきましょう。
ふやし方と根の収穫
株が大きくなったら、春(3〜4月)か秋(10月)に株分けしてふやします。ハーブティーに使う根は、植え付けて2年目以降の秋、地上部が枯れ始めたころに掘り上げます。よく洗って細かく刻み、風通しのよい日陰でしっかり乾燥させて保存しましょう。
マシュマロウのよくある質問
- マシュマロはマシュマロウから作られているのですか?
- 昔はマシュマロウの根の粘液で作られていましたが、今のマシュマロは主にゼラチン・砂糖・卵白などで作られ、マシュマロウはほとんど使われていません。名前だけが残っています。
- 「マシュマロの木」はありますか?
- マシュマロのような実がなる木はありません。お菓子のマシュマロの名前の由来になったのは、草丈1〜1.5mほどになる多年草のマシュマロウです。
- マシュマロウとコモンマロウは同じものですか?
- 別の植物です。マシュマロウ(ウスベニタチアオイ)は淡いピンクの花で主に根を使い、コモンマロウ(ウスベニアオイ)は紫の花で、花をハーブティーにして色の変化を楽しみます。
- 根のハーブティーはどうやって入れますか?
- 刻んで乾燥させた根を水に入れ、数時間から一晩置く「水出し」がおすすめです。粘液質は熱に弱いので、熱湯で煮出すよりも、とろみのある仕上がりになります。






























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