ミントは、清涼感あふれる香りでおなじみのシソ科のハーブです。ペパーミント、スペアミント、アップルミントなど、ひとくちにミントといっても種類はさまざま。このページでは、主なミントの種類と見分け方、日本のハッカとの違い、ミントティーや料理での使い方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ミント(Mint)/ハッカ(薄荷) |
|---|---|
| 学名 | Mentha(ハッカ属) |
| 分類 | シソ科ハッカ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 30cm〜1m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜アジア(種類による) |
| 花期 | 7〜8月(白〜薄紫の小花) |
| 香りの成分 | メントール(ペパーミント・ハッカ)、カルボン(スペアミント)など |
| 寒さの目安 | 強い(冬は地上部が枯れて根で越冬) |
ミントとは?特徴と種類
ミントはシソ科ハッカ属の多年草の総称で、世界に30種ほどあるといわれます。交雑しやすいため、品種や雑種まで含めると数えきれないほどの種類があります。どれも楕円形や卵形でふちがギザギザした葉が向かい合って付き、夏に白から薄紫色の小さな花を穂のように咲かせます。葉には、ミントならではのすっとした清涼感のある香りがあります。
主なミントの種類と見分け方
ミントの種類は、葉の形・色・手ざわりと香りで見分けます。代表的な種類は次のとおりです。
| 種類 | 見分け方・香り | 主な使い方 |
|---|---|---|
| ペパーミント | 先のとがった濃い緑の葉。茎が紫がかる。ピリッと強い清涼感 | お菓子、ハーブティー、歯みがき、化粧品など |
| スペアミント | 明るい緑で、葉の表面にしわが目立つ。甘くやさしい香り | 料理、お菓子、ガムの香り付け |
| アップルミント | 丸い葉に細かい毛があり、ふわふわした手ざわり。りんごのような甘い香り | ハーブティー、サラダ、ポプリ |
| パイナップルミント | アップルミントの斑入り種。葉のふちに白やクリーム色の斑が入る | ハーブティー、庭の彩り |
| オーデコロンミント | 丸みのある大きな葉で、茎が紫がかる。オレンジのような華やかな香り | ハーブティー、ハーブバス |
| オレンジミント | 葉につやがあり、オレンジの強い香り | ハーブティー |
| カーリーミント | スペアミント系で、葉が縮れている | 料理の飾り、ハーブティー |
| クールミント | 葉のふちがノコギリのようにギザギザしている。清涼感の強い香り | ガムやお菓子の香り付け、ハーブティー |
| バナナミント | バナナのような甘い香り | ハーブティー、クッキーなどのお菓子 |
| ブラックミント | 葉と葉脈が紫色を帯び、つやがある | ハーブバス |
| ペニーロイヤルミント | 地面をはうように広がる小さな葉。強い香り | 防虫用のポプリ(飲用・食用は不可) |

ペニーロイヤルミントは口にしない
- ペニーロイヤルミントや、細長い葉のハーツペニーロイヤルミントには毒性のある成分が含まれるため、ハーブティーや料理には使わないでください。アリやノミなどを遠ざける防虫用のポプリに使います。
日本のハッカ(薄荷)との違い
日本にも昔から、ニホンハッカ(和種ハッカ)が自生していました。メントールの含有量がとても多く、北海道を中心に栽培されて、ハッカ油の原料として世界に輸出されていた時代もあります。ただし、メントールの香りと苦味が強いため、お茶や料理にはあまり向きません。「薄荷」という名は、葉から油をとると荷物が少なく(薄く)て済んだことに由来するともいわれます。
| ニホンハッカ | ペパーミント | スペアミント | |
|---|---|---|---|
| 学名 | Mentha canadensis | Mentha × piperita | Mentha spicata |
| 和名 | ハッカ | セイヨウハッカ | ミドリハッカ、オランダハッカ |
| 主な香り成分 | l-メントール(約65〜85%) | l-メントール(約45〜60%) | l-カルボン(約60〜65%) |
| 香りの特徴 | 最も強い清涼感 | 強い清涼感 | 甘くやさしい(メントールはごく少ない) |
ちなみに、ペパーミントはウォーターミントとスペアミントが自然に交雑してできたといわれています。
香りの成分と産業での利用
ミントは、イタリア、アメリカ、イギリス、日本など世界各地で栽培され、葉からとった精油(ミント油)が、お菓子やガム、歯みがき、化粧品、医薬品などの香り付けに広く使われています。ペパーミント油の生産量はアメリカが多く、品質ではイギリス産が高く評価されてきました。
| 精油 | 主な香り成分 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ペパーミント油 | l-メントール(45〜60%)、メントン(15〜25%)、シネオール、メンチルエステル類など | 食品・化粧品・医薬品・歯みがきの香料 |
| スペアミント油 | l-カルボン(60〜65%)、リモネンなど | チューインガム・歯みがきの香料 |
| ハッカ油 | l-メントール(65〜85%)、メントン、酢酸メンチルなど | 医薬品・歯みがき・ガムの香料 |
メントールには、肌にひんやりとした感覚を与える働きがあります。夏に人気の冷感スプレーやボディシート、入浴剤などにミントの香りが多く使われているのはこのためです。
ミントの伝説と歴史
ミントの属名Menthaは、ギリシャ神話に登場する妖精ミンテに由来します。冥界の王ハデスに愛されたミンテは、嫉妬したハデスの妃ペルセポネに草に変えられてしまいますが、ハデスはせめてもと、ミンテに良い香りを与えたといわれます。こうしてミンテは、踏まれるたびに良い香りを放つ草になったと伝えられています。
新約聖書には、ディルやクミンと並んで、ミントが税として納められていたことが書かれています。古代ローマの博物学者プリニウスは、ギリシャ人やローマ人が宴席でミントの冠をかぶり、ソースやワインの香り付けにも使ったと記しています。
ミントの使い方
フレッシュミントティー
摘みたての葉を10枚ほど軽く洗い、手でたたいて香りを出してからポットに入れ、熱湯を約200ml注いで3〜5分蒸らします。すっきりとした香りで、食後や気分を切り替えたいときにぴったりです。はちみつやレモンを加えたり、紅茶や緑茶とブレンドしたりしても楽しめます。

料理・お菓子・飲み物
アイスクリームやゼリー、フルーツのデザートに添えたり、水や炭酸水に浮かべてミントウォーターにしたりと、さわやかな香りを生かして使います。料理では、サラダ、ヨーグルトのソース、ラム肉料理、ベトナムやタイの料理など、エスニック料理とも相性抜群です。
ハーブバス・暮らしの中で
ミントの葉を布の袋に入れてお風呂に浮かべると、すっとした香りが広がり、夏にぴったりのハーブバスになります。ミントの香りには、虫を遠ざける働きがあるともいわれます。
保存方法
生の葉は、湿らせたキッチンペーパーで包んで保存袋に入れ、冷蔵庫の野菜室へ。数日〜1週間ほど持ちます。製氷皿に葉を入れて水を注ぎ、凍らせておくと、そのまま飲み物に浮かべられて便利です。乾燥させて保存する場合は、風通しのよい日陰で吊るしてよく乾かし、密閉容器に入れます。
使うときの注意
- ペパーミントの精油は刺激が強いので、肌に使うときは十分に薄めて、少量で試してください。
- 胃の調子が悪いときや、小さな子どもにミントを大量に使うのは避けましょう。
ミントの育て方
ミントは寒さにも強く、半日陰でも育つ、とても丈夫なハーブです。むしろ丈夫すぎて、地下茎でほかの植物を圧倒するほど広がるのが悩みどころ。「広げない」工夫と「蒸れさせない」管理が、上手に育てるポイントです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 5月 | |||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | ||||||||||
| 挿し木 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(葉) | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 |

置き場所と土
日当たりのよい場所から、明るい半日陰までよく育ちます。真夏の強い直射日光が長時間当たると葉が傷みやすいので、午後は日陰になる場所が理想です。乾燥が苦手なので、水もちのよい土に植えましょう。市販のハーブ用の土や野菜用の培養土で十分です。
鉢植えがおすすめ(根止め)
ミントは地下茎を伸ばして、どんどん広がります。庭に直接植えると、ほかの植物の場所まで入り込んでしまうので、鉢植えで育てるのがおすすめです。庭に植える場合は、深さ30cmほどの仕切り板を埋めるか、鉢ごと土に埋めて根止めをしましょう。ほかのハーブとの寄せ植えも、ミントが勝ってしまうので向きません。
種類ごとに分けて植える
ミントは種類どうしで交雑しやすく、近くに植えると香りや形が変わってしまうことがあります。種から育てると親と違う性質が出やすいので、ふやすときは挿し木や株分けがおすすめです。種類ごとに鉢を分けて育てましょう。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。水切れすると葉がしおれて下葉が落ちるので、夏は特に注意しましょう。肥料は、春と秋に緩効性の肥料を少量与える程度で十分です。
収穫と切り戻し
収穫を兼ねて、茎の先を下から数えて2〜3節のところで摘み取ると、わき芽が伸びて枝数が増え、こんもりと茂ります。梅雨前には、株元から10〜20cmほど残して全体を切り戻しましょう。風通しがよくなり、蒸れやうどんこ病、さび病の予防になります。切り戻しても、すぐに新しい葉が出てきます。
ふやし方
挿し木がとても簡単です。茎の先を10cmほど切り、下の葉を取って水を入れたコップに挿しておくと、1週間ほどで根が出てきます。根が出たら土に植え付けましょう。春か秋に、株分けでふやすこともできます。
よくあるトラブルと対策
- 葉にオレンジ色の斑点:さび病。病気の枝葉を切り取って処分し、風通しをよくします。
- 葉に白い粉:うどんこ病。混み合った枝を切り戻します。
- 新芽に小さな虫:アブラムシ。手でこすり落とすか、たくさん付いた枝は切り取りましょう。
- 鉢の中が根でいっぱい:根詰まり。1〜2年に1回、春か秋に株分けして植え替えます。
ミントのよくある質問
- ミントの種類は、どうやって見分ければいいですか?
- 葉の形・色・手ざわりと香りで見分けます。先がとがった濃い緑の葉で強い清涼感があればペパーミント、しわのある明るい緑の葉で甘い香りならスペアミント、丸くふわふわした葉でりんごのような香りならアップルミントです。
- ハーブティーにおすすめの種類は?
- すっきりした味ならペパーミント、やさしい味ならスペアミント、甘い香りを楽しむならアップルミントがおすすめです。ペニーロイヤルミントは毒性があるので使わないでください。
- ほかのハーブと寄せ植えできますか?
- おすすめしません。ミントは根を広く張り、ほかのハーブの生長を妨げてしまいます。寄せ植え風に楽しみたいなら、鉢を分けて並べるとよいでしょう。
- 収穫のタイミングと摘み方は?
- 春から秋まで、必要なときに摘んで使えます。茎の先を2〜3節のところで摘むと、わき芽が伸びてさらに茂ります。まとめて収穫するなら、香りが強くなる花が咲く直前がおすすめです。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。






























