タイムは、小さな葉にさわやかでスパイシーな香りをたくわえたシソ科のハーブです。肉や魚の臭み消し、煮込み料理に欠かせない存在で、乾燥させても香りが長持ちします。このページでは、タイムの特徴と種類(立性と匍匐性)、料理やハーブティーでの使い方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | タイム(Thyme)/タチジャコウソウ(立麝香草) |
|---|---|
| 学名 | Thymus vulgaris(コモンタイム) |
| 分類 | シソ科イブキジャコウソウ属 |
| 種類 | 常緑小低木 |
| 草丈 | 立性:20〜40cm/匍匐性:5〜10cm |
| 原産地 | 地中海沿岸 |
| 花期 | 5〜7月(白〜淡いピンク・紫の小花) |
| 香りの成分 | チモール、カルバクロールなど |
| 寒さの目安 | 強い(冬も葉が残る) |
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タイムとは?特徴と名前の由来
タイムは、地中海沿岸の乾いた丘や岩場に自生する、高さ20〜40cmほどの小さな木です。細い枝に長さ1cmほどの小さな葉がたくさん付き、初夏に白や淡いピンク、紫色の小さな花を咲かせます。葉にはチモールなどの香り成分が多く含まれ、さわやかでほんのり苦味のある、スパイシーな香りがします。
名前は、ギリシャ語で「勇気」を意味する言葉、または「いぶす(香をたく)」を意味する言葉に由来するといわれます。古代ギリシャやローマでは勇気の象徴とされ、中世ヨーロッパでは、戦いに出る騎士にタイムの小枝を刺しゅうしたスカーフを贈る習わしがあったと伝えられています。古代エジプトでは、ミイラの防腐処理に使われたともいわれます。
タイムの種類(立性と匍匐性)
タイムの仲間は300種以上あるといわれ、大きく分けて、上に伸びる立性(たちせい)と、地面をはうように広がる匍匐性(ほふくせい)があります。料理に使うなら立性、庭のグラウンドカバーにするなら匍匐性が向いています。
| 種類 | 草姿 | 特徴・使い方 |
|---|---|---|
| コモンタイム | 立性 | 料理に最もよく使われる定番。香りが強く、乾燥させても香りが残る |
| レモンタイム | 立性 | レモンのようなさわやかな香り。魚料理やハーブティーに。葉に黄色い斑が入る品種も |
| シルバータイム | 立性 | 葉のふちに白い斑が入り、寄せ植えの彩りに |
| クリーピングタイム | 匍匐性 | ピンク〜紫の花がじゅうたんのように広がる。グラウンドカバーや花壇の縁取りに |
| イブキジャコウソウ | 匍匐性 | 日本に自生する仲間。高山や海岸の岩場に生える |



タイムの使い方
料理
タイムは、肉や魚の臭みを消して風味を引き立てるハーブです。ローストチキンや豚肉のソテー、白身魚のムニエル、トマト煮込みやシチュー、クラムチャウダーなど、じっくり加熱する料理とよく合います。加熱しても香りが飛びにくいので、煮込み料理には枝ごと入れて、仕上げに取り出しましょう。
ローリエやパセリの茎と一緒にたこ糸で束ねた「ブーケガルニ」は、フランス料理の煮込みに欠かせない香りの束です。オリーブオイルや酢に漬け込んで、ハーブオイルやハーブビネガーにしても楽しめます。
ハーブティー
タイムのハーブティーは、すっきりとしたスパイシーな味わいです。ヨーロッパでは、のどの調子が気になるときや寒い季節に、伝統的に飲まれてきました。生の枝なら2〜3本、乾燥させた葉なら小さじ1杯をポットに入れ、熱湯を注いで3〜5分蒸らします。はちみつを加えると飲みやすくなります。

保存方法
タイムは乾燥させても香りが残りやすいハーブです。枝ごと束ねて風通しのよい日陰に吊るし、カラカラに乾いたら、葉を指でしごいて取り、密閉容器に入れて保存します。香りの成分には虫を寄せ付けにくい性質があるとされ、昔はポプリや衣類の虫よけにも使われてきました。
使うときの注意
- 妊娠中の人は、料理に使う程度にとどめ、ハーブティーを大量に飲むのは控えてください。
- シソ科の植物にアレルギーがある人は使わないでください。
- タイムの精油は刺激が強いので、肌に直接つけないでください。
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タイムの育て方
タイムは地中海の乾いた土地で育つハーブなので、日当たりと水はけが何よりも大切です。日本の梅雨から夏にかけての高温多湿が苦手なので、蒸れさせない工夫をすれば、毎年長く楽しめます。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 挿し木 | 4月 | 5月 | 6月 | 9月 | 10月 | 11月 | ||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 刈り込み | 6月 | |||||||||||
| 収穫(葉) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |

置き場所と日当たり
日当たりと風通しのよい場所を好みます。日照が足りないと枝が間延びして、香りも弱くなります。鉢植えは、梅雨や秋の長雨の時期は軒下など雨の当たらない場所に移しましょう。
土と植え付け
水はけのよい、弱アルカリ性の土を好みます。市販のハーブ用の土に、赤玉土や軽石を2割ほど混ぜると安心です。庭植えでは、植え付けの2週間ほど前に苦土石灰を混ぜて酸性をやわらげ、少し土を盛り上げて植えると水はけがよくなります。植え付けは春(3〜5月)か秋(9〜10月)が適期です。
水やりと肥料
乾燥には強いので、鉢植えは土がしっかり乾いてから、鉢底から流れるまでたっぷり与えます。水のやりすぎは根腐れの原因になります。庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料は少なめのほうが香りがよくなるので、春に緩効性の肥料を少量施す程度にします。
刈り込みと蒸れ対策
花が咲き終わる梅雨前(6月ごろ)に、株全体の3分の1ほどを刈り込んで風通しをよくします。枝が混み合ったままだと、梅雨から夏にかけて下葉が蒸れて茶色く枯れ込みやすくなります。刈り込んだ枝は、料理や乾燥用にそのまま使えます。
ふやし方と株の更新
春(4〜6月)か秋(9〜11月)に、若い枝の先を5〜8cm切って挿し木にすると、簡単にふやせます。タイムは数年育てると根元の茎が木のようにかたくなり(木質化)、葉が少なくなってきます。挿し木で若い株を育てておき、古い株と入れ替えると、いつも香りのよい葉を収穫できます。
よくあるトラブルと対策
- 下葉が茶色く枯れる:蒸れや水のやりすぎ。刈り込んで風通しをよくし、水やりを控えます。
- 枝がひょろひょろ伸びる:日照不足。日当たりのよい場所に移します。
- 株元がかたく葉が少ない:株の老化。挿し木で新しい株に更新しましょう。
タイムのよくある質問
- タイムの収穫時期はいつですか?
- 常緑なので一年中収穫できます。香りが最も強くなるのは、花が咲く直前の5月ごろです。まとめて乾燥させるなら、この時期に収穫するのがおすすめです。
- 料理に使うなら、どの種類がいいですか?
- 定番はコモンタイムです。さわやかな香りがほしいときはレモンタイムも向いています。匍匐性のクリーピングタイムは香りが穏やかで、主に観賞用やグラウンドカバーとして育てられます。
- 梅雨に枯れてしまいました。
- 高温多湿による蒸れが原因と考えられます。梅雨前に株の3分の1ほどを刈り込み、鉢植えは雨の当たらない場所に移しましょう。挿し木で予備の株を作っておくと安心です。
- 冬は室内に入れたほうがいいですか?
- タイムは寒さに強いので、屋外で冬越しできます。寒さで葉が赤紫色になることがありますが、春になれば緑に戻ります。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。
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