タンジーは、ボタンのような丸い黄色い花をたくさん咲かせる、キク科のハーブです。葉には強い香りがあり、昔は料理や薬にも使われていましたが、毒性のある成分を含むため、現在は食べたり飲んだりはしません。このページでは、タンジーの特徴と毒性の注意点、ドライフラワーや虫よけなどの使い方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | タンジー(Tansy)/ヨモギギク(蓬菊)/バチェラーズボタン/ビターボタン |
|---|---|
| 学名 | Tanacetum vulgare |
| 分類 | キク科ヨモギギク属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 60cm〜1.2m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜アジア |
| 花期 | 7〜9月 |
| 注意 | 毒性のある成分(ツヨンなど)を含むため、食用・飲用にはしない |
| 寒さの目安 | 強い |
タンジーとは?特徴と名前の由来
タンジーは、ヨーロッパからアジアにかけての道ばたや野原に自生する、キク科の多年草です。シダのように細かく切れ込んだ濃い緑の葉を持ち、夏から秋にかけて、直径1cmほどの花びらのない平らな黄色い花を、枝先にたくさん集めて咲かせます。ボタンのような花の形から「バチェラーズボタン」、苦みのある香りから「ビターボタン」とも呼ばれます。和名の「ヨモギギク」は、葉がヨモギに似ていることに由来します。
葉をもむと、ショウノウ(樟脳)に似た、つんとした強い香りがします。名前の由来は、ギリシャ語で「不死」を意味する「アタナシア」といわれ、花が長く色あせないことや、昔、遺体の防腐や防虫に使われたことに関係するとされています。
タンジーの毒性について
タンジーは、中世のヨーロッパでは復活祭の時期の料理や、お菓子の香り付け、薬草として使われていました。しかし、葉や花にツヨン(ツジョン)という成分が含まれ、たくさん摂ると体に害があることが分かり、現在は食べたり、お茶にして飲んだりはしません。
タンジーを扱うときの注意
- 葉・花・茎を食べたり、ハーブティーにして飲んだりしないでください。
- 小さな子どもやペット(犬・猫・馬など)が口にしないよう、植える場所や飾る場所に気を付けましょう。
- 肌が弱い人は、触るとかぶれることがあります。作業のときは手袋をして、終わったら手を洗いましょう。
- 精油は毒性が強いため、家庭では使わないでください。

タンジーの使い方
食用にはしませんが、花の色や香りを生かして、クラフトや暮らしの中で楽しめるハーブです。
ドライフラワー・ポプリ
タンジーの黄色い花は、乾燥させても色があせにくく、形もくずれにくいので、ドライフラワーにぴったりです。リースやスワッグ、ポプリの材料として、ほかのドライフラワーと組み合わせて楽しめます。
ドライフラワーの作り方
- 花が咲き始めたころ、晴れた日の午前中に茎ごと切る
- 下のほうの葉を取り除き、5〜6本ずつ輪ゴムで束ねる
- 風通しのよい日陰に、花を下にして吊るす
- 2週間ほどでカラカラに乾いたら完成

虫よけ
強い香りには虫を寄せ付けにくくする働きがあるとされ、ヨーロッパでは昔から、乾燥させた葉や花を台所に吊るしたり、床にまいたりして、アリやハエ、衣類の虫よけに使ってきました。乾燥させた葉と花を布の袋に入れてサシェにし、クローゼットや引き出しに入れておく使い方もあります。
草木染め
花を煮出した液で、布や毛糸を明るい黄色に染めることができます。媒染剤によって、黄色から緑がかった色まで色合いが変わります。
コンパニオンプランツ
香りが一部の虫を遠ざけるといわれ、果樹や野菜の近くに植えられることもあります。ただし、地下茎で広がりやすいので、植える場所には注意が必要です。
タンジーの育て方
タンジーは、寒さにも暑さにも強く、ほとんど手のかからない丈夫なハーブです。注意したいのは、地下茎で広がりすぎないようにすることと、こぼれ種で増えすぎないようにすることの2つです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | |||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 10月 | |||||||||
| 収穫(花) | 7月 | 8月 | 9月 |

置き場所と土
日当たりのよい場所を好みます。土質はあまり選ばず、やせた土でもよく育ちますが、水はけのよい場所が理想です。大きく育つので、株の間は50〜60cmほどあけて植えましょう。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜4月)か秋(9月)。種は細かいので、ポットにまいてごく薄く土をかけ、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料もほとんど必要なく、与えすぎると茎がひょろひょろと伸びて倒れやすくなります。
広がりすぎないための工夫
タンジーは地下茎で横に広がり、こぼれ種でも増えます。庭に植えるときは、まわりに仕切り板を深く埋めて根止めをするか、大きめの鉢で育てるのがおすすめです。花が咲き終わったら、種ができる前に花茎ごと刈り取りましょう。草丈が高くなると花の重みで倒れやすいので、支柱を立てて支えます。
冬越しとふやし方
寒さに強く、冬は地上部が枯れても、春にまた芽吹きます。株が大きくなって混み合ってきたら、春(3〜4月)か秋(10月)に株分けをして植え直すと、株が若返ります。
タンジーのよくある質問
- タンジーは食べられますか?
- 食べられません。昔は料理や薬に使われていましたが、ツヨンなど毒性のある成分を含むことが分かり、現在は食用・飲用にはしません。ドライフラワーや虫よけなど、口に入れない使い方で楽しみましょう。
- タンジーに毒性はありますか?
- 葉や花、特に精油には、たくさん摂ると体に害のある成分が含まれています。子どもやペットが口にしないように注意し、触ったあとは手を洗いましょう。
- タンジーは虫よけになりますか?
- 強い香りに虫を遠ざける働きがあるとされ、昔から乾燥させた葉や花が虫よけに使われてきました。サシェにしてクローゼットに入れたり、束ねて吊るしたりして使います。
- 庭に植えたら増えすぎてしまいました。
- 地下茎とこぼれ種で増えるので、増えすぎた部分は根ごと掘り上げて取り除き、花は種ができる前に刈り取りましょう。これから植える場合は、鉢植えにするか根止めをするのがおすすめです。






























