サフランは、秋に淡い紫の花を咲かせるアヤメ科の球根植物で、花の中の赤いめしべを乾燥させて、世界一高価なスパイスとして使います。パエリアやブイヤベースの鮮やかな黄金色と香りは、サフランならではです。このページでは、サフランの特徴と高価な理由、伝統的な効能・効果、料理での使い方と注意点、球根から育てる方法まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | サフラン(Saffron)/サフランクロッカス/番紅花(ばんこうか) |
|---|---|
| 学名 | Crocus sativus |
| 分類 | アヤメ科クロッカス属 |
| 種類 | 球根植物(多年草) |
| 草丈 | 10〜20cm |
| 原産地 | 地中海東部〜西アジア(ギリシャ、小アジアなど) |
| 花期 | 10〜11月(淡い紫の花) |
| 主な成分 | 色素:クロシン/香り:サフラナール/苦み:ピクロクロシン |
| 寒さの目安 | 強い |
サフランとは?特徴と名前の由来
サフランは、地中海東部から西アジアにかけて古くから栽培されてきた、アヤメ科の球根植物です。秋になると、細い葉の間から、直径5cmほどの淡い紫色の花を咲かせます。花の中心には、先が3本に分かれた鮮やかな赤いめしべと、黄色いおしべがあります。スパイスとして使うのは、この赤いめしべだけです。
「サフラン」の名前は、アラビア語で「黄色」を意味する「ザファラーン」に由来します。古代エジプトの女王クレオパトラは、サフランを入れたお風呂に入り、化粧品にも使っていたと伝えられています。日本には江戸時代に薬として伝わり、明治時代から栽培が始まりました。今では大分県竹田市が、国内の主な産地として知られています。
サフランが高価な理由
1つの花からとれるめしべは、わずか3本です。乾燥させると重さが大きく減るため、1gのサフランを作るのに、およそ150〜200個もの花が必要になります。しかも、めしべは機械ではなく、開花したその日に1本ずつ手で摘み取らなければなりません。そのため、サフランは「世界一高価なスパイス」と呼ばれています。
クロッカスやイヌサフランとの違い
春に咲く園芸品種のクロッカスは、サフランと同じクロッカス属ですが、めしべはスパイスには使えません。また、名前の似ている「イヌサフラン(コルチカム)」は、まったく別の植物で、強い毒があります。見た目も似ているので、間違えないよう注意しましょう。

サフランの効能・効果と使い方
サフランは、昔から薬としても使われ、漢方では「番紅花(ばんこうか)」と呼ばれています。伝統的に、体を温めたいときや、気持ちを落ち着かせたいとき、女性の体調管理に使われてきました。鮮やかな黄色のもとは「クロシン」という色素で、水によく溶けます。
料理
サフランは、少量で料理を美しい黄金色に染め、独特の甘く華やかな香りを加えます。スペインのパエリア、南フランスのブイヤベース、イタリアのミラノ風リゾット、インドのビリヤニやサフランライスなど、世界中の料理に使われています。
サフランを上手に使うコツ
- めしべを数本、大さじ1〜2杯のぬるま湯に15分ほどつけて、色と香りを引き出します。
- 黄金色に色が出たら、つけた湯ごと料理に加えます。
- 使う量はほんの少しで十分です。入れすぎると苦みが出ます。

サフランティー
めしべを3〜5本カップに入れ、熱湯を注いで5分ほど待つと、きれいな黄金色のお茶になります。2〜3回お湯を注いで楽しめます。
染料・化粧品の色付け
サフランの黄色い色素は、昔から布を染める染料や、化粧品・食品の色付けにも使われてきました。
使うときの注意
- 大量にとると体に害があります。料理に使う程度の量を守りましょう。
- 妊娠中の人は、子宮を刺激する作用があるといわれるため、料理に使う量を超えてとらないでください。
- 毒のあるイヌサフラン(コルチカム)と間違えないよう注意してください。
サフランの育て方
サフランは、球根を植えるだけで秋に花を咲かせる、育てやすい植物です。大きな球根を選ぶことと、花後に葉をしっかり育てることが、翌年も花を咲かせるポイントです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 8月 | 9月 | ||||||||||
| 花期 | 10月 | 11月 | ||||||||||
| 収穫(めしべ) | 10月 | 11月 | ||||||||||
| 掘り上げ | 5月 | 6月 |
※5月ごろ葉が黄色くなったら球根を掘り上げ、涼しい場所で保存して秋に植えます。

球根選びと植え付け
球根は大きいものほど花の数が多くなるので、10g以上のものを選びましょう。植え付けは8〜9月。球根1つ分の間隔をあけ、浅めに(球根の高さの1〜2倍の深さに)植え付けます。
置き場所と土
日当たりと水はけのよい場所を好みます。土質はあまり選びません。日照が足りないと、花つきが悪くなります。
水やり
乾燥に強く、多湿は苦手です。植え付け後は、土の表面が乾いたら水を与える程度にし、乾かし気味に管理しましょう。
めしべの収穫
めしべは、花が開いたその日に摘み取ります。花ごと摘んでからめしべを取り出してもよいですし、花を楽しみたい場合は、ピンセットでめしべだけを摘み取りましょう。摘んだめしべは、根元の黄色い部分を取り除き、紙の上に広げてしっかり乾燥させます。湿気を避けて、密閉容器で保存しましょう。
花後の管理と掘り上げ
花が終わったあとに伸びる細い葉で、球根が育って翌年の花のもとを作ります。冬の間は葉を切らずに育て、日に当てましょう。翌年の5月ごろ、葉が黄色くなったら球根を掘り上げ、分かれた小球根ごとに分けて、風通しのよい涼しい場所で保存します。秋にまた植え付けます。
土に植えずに咲かせる
サフランは、球根の中に花のもとをたくわえているので、土に植えずに皿やかごに並べておくだけでも花が咲きます。ただし、翌年も咲かせるには、花後に土に植えて葉を育てる必要があります。
サフランのよくある質問
- サフランの効能は?
- 昔から薬としても使われ、伝統的に体を温めたいときや、気持ちを落ち着かせたいときに使われてきました。料理では、美しい黄色と香りを加えます。
- サフランとサフラワーは同じですか?
- 別の植物です。サフランはアヤメ科の球根植物で、めしべを使います。サフラワー(ベニバナ)はキク科の植物で、花びらを使います。
- 春に咲くクロッカスのめしべも使えますか?
- 使えません。スパイスになるのは、秋に咲くサフラン(Crocus sativus)のめしべだけです。
- 翌年、花が咲きませんでした。
- 花後の葉の育ちが不十分で、球根が太らなかった可能性があります。花後も葉を日に当てて育て、5月に掘り上げた大きな球根を秋に植えましょう。
































