「ダンデライオン(dandelion)」は、英語でタンポポのこと。ギザギザの葉が「ライオンの歯」に見えることが名前の由来です。ハーブとしてのダンデライオンは、ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポのことで、欧米では葉・花・根まで余すところなく使われてきました。このページでは、名前の意味、日本のタンポポとの見分け方、若葉のサラダやタンポポコーヒーなどの使い方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ダンデライオン(Dandelion)/セイヨウタンポポ |
|---|---|
| 学名 | Taraxacum officinale |
| 分類 | キク科タンポポ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 10〜30cm |
| 原産地 | ヨーロッパ |
| 花期 | 3〜5月が中心(春から秋まで咲くことも) |
| 寒さの目安 | 強い |
ダンデライオンの意味と名前の由来
ダンデライオンは、フランス語の「dent de lion(ダン・ドゥ・リオン)」=「ライオンの歯」が英語に入った言葉です。深いギザギザの切れ込みが入った葉の形を、ライオンの鋭い歯に見立てたといわれています。英語のほか、ドイツ語などヨーロッパの多くの言葉で、同じように「ライオンの歯」にちなむ呼び名があります。
フランスでは「ピサンリ(pissenlit)」という別名でも呼ばれ、「ベッドでおもらし」という意味です。昔から尿の出をよくするハーブとして知られてきたことにちなむ、ユーモラスな名前です。
日本語の「タンポポ」の由来には諸説あり、つぼみの形を鼓(つづみ)に見立てた「鼓草(つづみぐさ)」と、鼓を打つ「タン・ポン」という音から来たという説がよく知られています。
セイヨウタンポポとニホンタンポポの見分け方
日本にはもともと、カントウタンポポやカンサイタンポポ、シロバナタンポポなど、在来のタンポポ(ニホンタンポポ)が自生していました。そこに明治時代ごろ、ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポが入ってきて、今では都市部を中心に全国で見られるようになっています。2つは、花を裏返して「総苞片(そうほうへん)」を見ると簡単に見分けられます。
| セイヨウタンポポ | ニホンタンポポ | |
|---|---|---|
| 総苞片 | 外側が下向きに反り返る | 反り返らず、花を包むように立つ |
| 花の時期 | 春を中心に、秋ごろまで咲く | 春だけ咲く |
| 種のでき方 | 受粉しなくても1株で種ができる | ほかの株の花粉が必要 |
| よく見る場所 | 道ばた、空き地、都市部 | 昔からある野原や田畑のあぜ |

なお、最近は両者の雑種も多く見つかっていて、見た目だけでははっきり区別できないものもあります。
ダンデライオンの使い方
欧米では「自然の薬箱」と呼ばれるほど身近なハーブで、葉・花・根のすべてが使われてきました。伝統的に、胃腸の調子を整えたり、尿の出をよくしたりする目的で利用されてきたハーブです。
若葉のサラダ
春先のやわらかい若葉は、ほろ苦さのあるサラダ菜として食べられます。苦味が気になる場合は、しばらく水にさらしてから使いましょう。ベーコンやゆで卵、オリーブオイルのドレッシングとよく合います。葉は大きくなるほど苦味が強くなるので、花が咲く前の若い葉を摘むのがおすすめです。
タンポポコーヒー
根を焙煎して煮出す「タンポポコーヒー」は、カフェインを含まないコーヒー風の飲み物として親しまれています。作り方は次のとおりです。
タンポポコーヒーの作り方
- 秋から冬に、2年目以降の太い根を掘り上げる
- よく洗って、細かく刻む
- 天日でカラカラになるまで乾燥させる
- フライパンで、香ばしい茶色になるまで弱火で炒る
- 小さじ1〜2杯をカップ1杯分の水で煮出すか、熱湯を注いでこす

ハーブティー・花の利用
葉を乾燥させて、ハーブティーとしても楽しめます。黄色い花びらはサラダの彩りにしたり、昔は根や花が布を染める染料としても使われたりしました。
摘むとき・使うときの注意
- 道ばたや公園のタンポポは、除草剤がまかれていたり、犬の散歩道だったりすることがあるので摘まないでください。自分で育てたものを使いましょう。
- キク科の植物にアレルギーがある人は使わないでください。
- 利尿薬など薬を飲んでいる人、妊娠中・授乳中の人、胆のうや胃腸に持病がある人は、医師に相談してから使ってください。
ダンデライオンの育て方
ダンデライオンは、道ばたでも育つほど丈夫で、土質も選びません。ポイントは、根が深く伸びるので深い鉢を使うことと、綿毛を飛ばさないことの2つです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 花期 | 3月 | 4月 | 5月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(若葉) | 2月 | 3月 | 4月 | |||||||||
| 収穫(花) | 3月 | 4月 | 5月 | |||||||||
| 収穫(根) | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |

置き場所と日当たり
日当たりのよい場所を好みます。日陰でも育ちますが、花つきが悪くなり、葉が間延びしてしまいます。
種まきと土
種まきは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。種は光が当たると発芽しやすいので、土に軽く押さえる程度にして、厚く土をかけないようにします。土は市販の培養土で十分です。根がまっすぐ深く伸びる「直根性」で植え替えを嫌うため、鉢植えは深さのある鉢に直接まくか、小さな苗のうちに植え付けましょう。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。地植えなら、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料もほとんど必要なく、やせた土でもよく育ちます。
花後の管理(綿毛を飛ばさない)
セイヨウタンポポは、受粉しなくても種ができ、綿毛で遠くまで飛んでいく、とても繁殖力の強い植物です。国の「生態系被害防止外来種リスト」にも掲載されている外来種なので、育てるときは、花が咲き終わったら綿毛になる前に花茎ごと摘み取り、育てている範囲だけで楽しみましょう。
根の収穫と株分け
タンポポコーヒー用の根は、養分をたっぷりたくわえた秋から冬に、2年目以降の太い根を掘り上げます。根は少しでも残っているとそこから再び芽を出すので、株分けで簡単にふやすこともできます。
ダンデライオンのよくある質問
- ダンデライオンとタンポポは同じものですか?
- ダンデライオンは、英語でタンポポのことです。ハーブとして使われるダンデライオンは、ヨーロッパ原産のセイヨウタンポポ(Taraxacum officinale)を指すのが一般的です。
- 道ばたのタンポポを摘んで食べてもいいですか?
- おすすめしません。除草剤や車の排気ガス、犬のふんや尿などで汚れていることがあります。食べる場合は、自分で育てた安全なものを使いましょう。
- タンポポコーヒーにカフェインは入っていますか?
- タンポポの根から作るので、カフェインは含まれていません。コーヒーの代わりに、夜でも気軽に楽しめる飲み物として人気があります。
- 綿毛を飛ばしても大丈夫ですか?
- セイヨウタンポポは繁殖力の強い外来種なので、綿毛は飛ばさないようにしましょう。花が咲き終わったら、綿毛になる前に花茎ごと摘み取るのがマナーです。
































