キャットニップは、猫が夢中になる香りで知られるシソ科のハーブです。「西洋マタタビ」とも呼ばれますが、マタタビとは別の植物。このページでは、猫が反応する理由とマタタビとの違い、猫への与え方と注意点、人が楽しむハーブティーの使い方、育て方まで、まとめて紹介します。わが家の猫「みゅーみゅーくん」に実際に与えてみた記録も載せています。
| 名前・別名 | キャットニップ(Catnip)/イヌハッカ/チクマハッカ/西洋マタタビ |
|---|---|
| 学名 | Nepeta cataria |
| 分類 | シソ科イヌハッカ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 30cm〜1m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 6〜9月(白地に紫の斑点がある小花) |
| 香りの成分 | ネペタラクトン(猫が反応する成分) |
| 寒さの目安 | 強い(屋外で冬越しできる) |
キャットニップとは?特徴と名前の由来
キャットニップは、ヨーロッパから西アジアにかけて自生するシソ科の多年草です。ハート形で縁がギザギザした葉と茎は細かい毛におおわれ、全体が白っぽい緑色をしています。夏になると、茎の先に白地に紫の斑点が入った小さな花を穂のように咲かせ、ミントに似たさわやかな香りを放ちます。
学名のNepetaは、この植物が多く育っていたとされる古代イタリアの町ネペテにちなむといわれます。和名の「イヌハッカ」はハッカ(ミント)に似ていることから、「チクマハッカ」は日本に帰化したものが長野県の筑摩(ちくま)地方で見つかったことから名付けられました。
キャットニップとマタタビの違い
キャットニップは「西洋マタタビ」と呼ばれることがありますが、日本の山に自生するマタタビとはまったく別の植物です。どちらも猫を引きつける成分を含むため、同じように猫用のグッズとして売られています。
| キャットニップ | マタタビ | |
|---|---|---|
| 植物の仲間 | シソ科の多年草(ハーブ) | マタタビ科のつる性の木 |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア | 日本・東アジアの山地 |
| 使う部分 | 葉・茎(生または乾燥) | 実・枝・粉末 |
| 家庭での栽培 | 鉢植えで手軽に育てられる | 大きなつるになるため難しい |

キャットミントとの違い
園芸店では、よく似た「キャットミント」も売られています。シルバーグリーンの細かな葉に紫色の花をたくさん咲かせる観賞用の品種(Nepeta × faasseniiなど)で、花期が長く、花壇の縁取りに向いています。猫が反応するのは主にキャットニップ(Nepeta cataria)なので、猫のために育てるならラベルの名前を確認しましょう。
猫がキャットニップに反応する理由
キャットニップの葉や茎には、ネペタラクトンという香りの成分が含まれています。猫がこの香りを嗅ぐと、においを嗅いだり、体をこすりつけたり、床をゴロゴロ転がったりと、うっとりしたような様子を見せます。よだれを垂らす猫や、急に活発になる猫もいます。
反応が続くのは5〜15分ほどで、しばらくは同じように反応しなくなります。反応するかどうかは遺伝によるといわれ、およそ3匹に1匹は反応しません。また、子猫はほとんど反応しないことが知られています。オス・メスや、避妊・去勢の有無に関係なく反応します。

猫に与えるときの注意
- 与えるのは、ときどき少量だけに。何度も使うと反応が薄れていきます。
- たくさん食べると、吐いたりお腹をこわしたりすることがあります。
- 興奮して飼い主にかみついたり、引っかいたりすることも。様子を見ながら与えましょう。
- 多頭飼いでは、興奮によるケンカやおもちゃの奪い合いに注意。1匹ずつ試すのが安心です。
- 持病のある猫や高齢の猫は、獣医師に相談してから与えてください。
わが家の猫「みゅーみゅーくん」に与えてみた

キャットニップの粉末を与えると…
最初に、乾燥したキャットニップの粉末を与えてみました。においを嗅ぐとすぐによだれを垂らし、鼻息が荒くなって、普段とは目つきが変わってしまいました。粉末をペロペロなめたあと、勢いよく飛びついてきて、5〜6か所引っかかれてしまったほどです。数分ほどで元に戻りましたが、普段おとなしい猫が猛獣のようになりました。
猫の引っかき傷は、すぐに消毒しても数日は赤みが消えません。粉末や乾燥させた葉は反応が強く出やすいので、初めて与えるときはごく少量にして、手を近づけすぎないようにしましょう。
キャットニップの苗を与えると…
別の年の春、近くのホームセンターの「猫草」と同じコーナーで、「西洋マタタビ」という名前でキャットニップの苗が売られていました。ラベルには「噛んで、遊んでストレスケア」と書かれ、裏面には「年齢など個体差に応じて観察しながら少量ずつ与えてください」「外に置くと他の猫が寄ってくる場合があります」といった注意書きがありました。




苗の場合は、猫草のようにムシャムシャ食べることはなく、主に香りを楽しんでいる様子でした。粉末に比べると反応はかなりおだやかで、においを嗅いだあとはゆっくり背伸びをして、座ったり横になったりしていました。
その後、株が大きくなったのでひと回り大きな鉢に植え替えると、7月には穂のような花がたくさん咲きました。花の咲いた株の香りを嗅いだみゅーみゅーくんは、今度は酔っぱらったように寝転がってしまいました。


試してわかったこと
- 反応の強さは「乾燥した葉・粉末」>「生の苗」。初めてなら苗や少量の乾燥葉から。
- 苗は大きく育ち、花が咲くころのほうが香りが強くなる。
- 屋外に置くと近所の猫が寄ってくることがあるので、置き場所に注意。
キャットニップの使い方(人が楽しむ)
ハーブティー
キャットニップは、ヨーロッパでは昔から人も楽しむハーブティーとして親しまれてきました。ミントに似たさわやかな香りに、少しほろ苦さがあります。乾燥した葉を小さじ1杯ほどポットに入れて熱湯を注ぎ、3分ほど蒸らします。寝る前のリラックスタイムのお茶として飲まれてきました。
料理
若い葉を少量刻んで、スープやソース、サラダの香り付けに使います。香りが強いので、入れすぎないのがコツです。
コンパニオンプランツ
独特の香りが虫を遠ざけるといわれ、野菜のそばに植えるコンパニオンプランツとしても使われます。花にはミツバチがよく集まります。
人が使うときの注意
- 妊娠中・授乳中の人は、ハーブティーを飲むのを控えてください。
- 体質に合わないと感じたら、使うのをやめましょう。
キャットニップの育て方
キャットニップは寒さに強く、こぼれ種でもふえるほど丈夫なハーブです。大きく育つので、一株でも十分楽しめます。気を付けたいのは夏の蒸れと、猫に株を傷められることの2つです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | ||||||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 9月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(葉・花) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |

置き場所と日当たり
日当たりと風通しのよい場所を好みます。半日陰でも育ちますが、日照が足りないと茎がひょろひょろと伸び、香りも弱くなります。高温多湿の夏は蒸れやすいので、鉢植えなら風通しのよい場所に移しましょう。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜5月)か秋(9〜10月)。種は細かいので、ポットにまいて薄く土をかけ、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。草丈が1m近くになることもあるので、地植えでは株の間を40cmほどあけます。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。じめじめした状態が続くと根腐れしやすいので、水のやりすぎに注意しましょう。地植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料は少なめで十分で、春に緩効性の肥料を少量施す程度にします。
摘心と切り戻し
草丈が15cmほどになったら茎の先を摘む「摘心」をすると、わき芽が伸びて、こんもりとした株になります。花が咲き終わったら、株を半分ほどの高さに切り戻すと、蒸れを防いで秋に再び花を楽しめます。
冬越しとふやし方
寒さに強く、冬は地上部が枯れても根が残り、春になるとまた芽吹きます。枯れた茎は根元近くで切り取っておきましょう。春か秋の株分け、初夏の挿し木で簡単にふやせるほか、花後に種を採ってまくこともできます。
猫から株を守るコツ
- 植えたばかりの苗は、猫に転がられたりかじられたりして傷みやすいので、ネットで囲うか、猫の届かない高い場所に置きます。
- 株が大きく育つまでは、葉を与えすぎないようにしましょう。
- 屋外に置くと近所の猫が集まることもあるので、置き場所に気を付けます。
キャットニップのよくある質問
- うちの猫はキャットニップに反応しません。
- 反応するかどうかは遺伝によるといわれ、およそ3匹に1匹は反応しません。子猫も反応しにくいので、成長してから試すと反応することがあります。反応しない猫には、マタタビを試してみるのもひとつの方法です。
- 猫に毎日与えてもいいですか?
- 毎日与えるのはおすすめしません。何度も使うと反応が薄れていくうえ、食べすぎると吐いたりお腹をこわしたりすることがあります。遊びのきっかけとして、ときどき少量を与えるくらいがちょうどよいでしょう。
- キャットニップとマタタビ、どちらがいいですか?
- どちらも猫を引きつけますが、マタタビのほうが反応する猫が多いともいわれます。キャットニップは鉢植えで育てられるので、生の葉を楽しませたい場合に向いています。どちらも与えすぎには注意しましょう。
- 室内で育てられますか?
- 日当たりのよい窓辺なら育てられます。ただし、猫が自由にかじれる場所に置くと株が傷んでしまうので、猫の届かない場所で育て、葉を摘んで与えるのがおすすめです。

































うちのみゅーみゅーくんに、キャットニップの苗を与えてみました。「西洋マタタビ」という名称で売っていました。
キャットニップの花が咲いたので、写真を追加しました。香りを嗅いだみゅーみゅーくんは、酔っぱらって寝そべってしまっています。