タラゴンは、甘くスパイシーなアニスに似た香りを持つ、キク科ヨモギ属のハーブです。フランス語では「エストラゴン」と呼ばれ、フランス料理に欠かせないハーブとして、ステーキのベアルネーズソースや鶏肉料理、ドレッシングに使われます。このページでは、タラゴンとはどんなハーブか、フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの違い、料理での使い方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | タラゴン(Tarragon)/エストラゴン(仏) |
|---|---|
| 学名 | Artemisia dracunculus |
| 分類 | キク科ヨモギ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | フレンチ:30〜60cm/ロシアン:1m以上 |
| 原産地 | シベリア〜中央アジア |
| 花期 | 7〜9月(目立たない小さな花) |
| 香りの成分 | エストラゴール(メチルカビコール)など |
| 寒さの目安 | 強い |
タラゴンとは?特徴と名前の由来
タラゴンは、シベリアから中央アジアにかけての草原が原産の、キク科ヨモギ属の多年草です。ヨモギの仲間ですが、葉はヨモギと違って細長くてつやがあり、切れ込みはありません。葉をもむと、アニスやフェンネルに似た、甘くさわやかで少しピリッとした香りがします。
名前は、フランス語の「エストラゴン」、ラテン語の「ドラクンクルス(小さなドラゴン)」に由来します。細長い葉がドラゴンの舌や牙に、絡み合った根がヘビ(竜)に似ていることから名付けられたといわれます。昔はヘビにかまれたときの手当てに使われたという言い伝えもあります。13世紀のアラビアの学者は、口臭を消し、苦い薬を飲みやすくするハーブとして紹介しています。
フレンチタラゴンとロシアンタラゴンの違い
タラゴンには、香りの強い「フレンチタラゴン」と、香りのおだやかな「ロシアンタラゴン」があります。料理に使われるのはフレンチタラゴンです。
| フレンチタラゴン | ロシアンタラゴン | |
|---|---|---|
| 香り | 甘くスパイシー。料理向き | おだやかで草のよう。料理には不向き |
| 草丈 | 30〜60cm | 1m以上に育つ |
| 種 | ほとんどできない(苗・挿し木・株分けでふやす) | よくできる |
| 丈夫さ | 暑さと多湿にやや弱い | とても丈夫 |

園芸店で「タラゴンの種」として売られているものは、ロシアンタラゴンであることがほとんどです。料理用に育てるなら、「フレンチタラゴン」と書かれた苗を選びましょう。
タラゴンの効能と使い方
タラゴンは、昔から食欲を増し、消化を助けるハーブとして料理に使われてきました。現在はもっぱら料理用のハーブとして親しまれています。
料理
タラゴンは、フランス料理の「フィーヌゼルブ」(パセリ・チャイブ・チャービル・タラゴンを刻んで混ぜたもの)に欠かせないハーブです。ステーキに添えるベアルネーズソースや、マスタードとの相性も抜群です。鶏肉や白身魚、エビのソテー、オムレツなどの卵料理、トマト料理、ドレッシングやマヨネーズに混ぜても、上品な香りが引き立ちます。加熱すると香りが飛びやすいので、仕上げに加えましょう。

タラゴンビネガー
生のタラゴンの枝2〜3本をよく洗って水気をふき取り、清潔なビンに入れて白ワインビネガーを注ぎます。2週間ほど置いて香りを移せば、タラゴンビネガーの完成です。ドレッシングやマリネ、ピクルスに使えます。
保存方法
タラゴンは乾燥させると香りが弱くなりやすいハーブです。長く保存したいときは、刻んで冷凍するか、ビネガーやバターに漬けて香りを残しましょう。
使うときの注意
- 料理に使う量なら心配ありませんが、香り成分を多く含むため、大量に、長期間とり続けるのは避けましょう。
- 妊娠中・授乳中の人は、料理に使う量を超えてとらないでください。
- キク科(ヨモギなど)にアレルギーがある人は注意してください。
タラゴンの育て方
タラゴンは寒さにとても強いハーブですが、フレンチタラゴンは日本の夏の高温多湿がやや苦手です。水はけのよい土で乾かし気味に育て、夏は風通しよく管理しましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 9月 | |||||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | ||||||||||
| 収穫(葉) | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 |
※フレンチタラゴンは種がほとんどできないため、苗から育てます。

苗から育てる
フレンチタラゴンは、花が咲いても種がほとんどできない性質(不稔性)があるため、苗を購入して植え付けます。植え付けは春(3〜5月)か秋(9〜10月)が適期です。
置き場所と土
日当たりのよい場所から明るい半日陰まで育ちます。夏の強い西日が当たる場所は避けましょう。水はけのよい土が向いていて、多湿になると根腐れしやすくなります。
水やりと肥料
土の表面がしっかり乾いてから水を与え、乾かし気味に管理します。肥料は控えめにし、春と秋に緩効性の肥料を少量与える程度にします。肥料が多すぎると香りが弱くなります。
収穫と切り戻し
葉は春から秋まで、必要なときに茎の先から摘んで使います。梅雨前には、混み合った茎を切り戻して風通しをよくし、蒸れを防ぎましょう。
冬越しと株の更新
寒さに強く、冬は地上部が枯れても、春になると再び芽を出します。株が古くなると香りが弱くなってくるので、1〜2年に1回、春に株分けをして若返らせましょう。初夏や秋に挿し木でふやすこともできます。予備の株を作っておくと、夏に弱っても安心です。
タラゴンのよくある質問
- タラゴンとはどんなハーブですか?
- キク科ヨモギ属のハーブで、アニスに似た甘くスパイシーな香りがあります。フランス料理では「エストラゴン」と呼ばれ、ソースや鶏肉料理、ドレッシングに使われます。
- タラゴンの種をまいたのに香りがしません。
- 種から育つのは、香りのおだやかなロシアンタラゴンであることがほとんどです。料理用には、フレンチタラゴンの苗を選びましょう。
- フレンチタラゴンの育て方のコツは?
- 水はけのよい土で乾かし気味に育て、夏は西日を避けて風通しよく管理します。株が古くなると香りが弱くなるので、1〜2年ごとに株分けで更新しましょう。
- タラゴンの葉は乾燥保存できますか?
- 乾燥させると香りが弱くなりやすいので、刻んで冷凍するか、ビネガーやバターに漬けて保存するのがおすすめです。

































