バジル Basil ~パスタやピザなどイタリア料理に利用~

利用部分葉果実
利用法ハーブティー料理美容健康アロマテラピー
【学 名】Ocimum basilicum
【分 類】シソ科・メボウキ属
【別 名】メボウキ
【種 類】一年草
【草 丈】50cm~80cm
【原産地】アジア・南ヨーロッパ・北アフリカ
【精油成分】オシメン、シナロール、
メチルカピール
  • バジル1
  • バジル2
  • バジル3

バジルの特徴

イタリア料理や地中海料理には必須

バジルとミニトマトバジル(バジリコ)という名前は、ギリシャ語の「バジリコン」、すなわち「王の(バシレウス)」薬剤ということを意味する言葉から由来したものです。

キリスト教では、キリスト復活の後、キリストの墓の周りにはこのハーブが生えたという伝説もあり、ギリシャ正教の教会では、今でも祭壇の下にこのバジルを入れた壺を置きます。

和名のメボウキは、この種子を水に浸すとゼリー状になりそれで目のゴミを取ったので、この名があります。 バジルは料理、とりわけイタリア料理や、地中海料理に利用されていて、種類によってはアジア料理に使われます。

ペーストにしたり、バターに練りこんだり、オリーブオイルやビネガーに漬け込みます。パンに焼きこむこともあります。

ただ、乾燥葉は黒ずむなど風味が落ちやすいので、オイルやビネガーにつけたりペーストにして保存することが多いです。

バジルはアジアの原産なのですが、今ではヨーロッパ・北アフリカ・セーシェル諸島・レユニオン島に生育しています。

高さ40~60センチになる1年草ないし多年草で、葉は光沢のある濃緑色、卵円形で先は細まります。夏になると枝先に総状花序をつけ、小さい白色の唇形花を開きます。

バジルの精油にはさまざまな効果が

バジルとミニトマトバジルの精油は淡い緑黄色をしており、リナロールを含んでいます。リナロールはベルガモット油とラベンダー油にも入っています。

リナロールには、タイム・ペパーミント・リコリスをつき混ぜたような非常に快い、軽くすがすがしいにおいがあります。味は甘く、つんとしみるようで、やや苦味があります。

この成分のために、これをほかの精油とブレンドすると、甘いグリーンのトップノートになり、ゼラニウム・ヒソップ・ベルガモットと相性よく融合します。

ペパーミントに似ているバジル

バジルとミニトマトバジルは、多くの面でペパーミントに似ています。バジルの香りはミントと同じく、ツンとしみるようですが、もっと辛味があります。 どちらも消化不良・嘔吐などに有効です。

また、バジルは優秀な消毒剤であり、去痰剤であり、(抗神経性)鎮痙剤であるため、喘息・気管支炎・気腫に対して効果を発揮します。

そのほか、殺菌、抗うつ、強壮、解熱などの作用があります。虫刺されには生の葉を付け、風邪には葉の蒸気を吸入します。

バジル精油は、スパイシーなグリーンの香りで、自律神経調整、抗痙攣、抗炎症作用などがあります。

バジルの育て方

バジル年間表

植え付け時はゴールデンウィークごろがベスト

移植を嫌うので、春に予定地に直まきするかポット育苗で育て、水はけがよく栄養豊富な土に植え付けて日のあたる場所で育てます。

発芽・生育温度は13℃以上なので、種まきや植え付けは、ゴールデンウィークごろに植えるとよいです。そのため、気温が高くならないうちは、生育は思わしくありません。

発芽後、混んだところは間引き、追肥します。間引き苗はそのまま料理に使うことができます。

高さが15~20㎝ほどに育ったら、中心の太い茎の節の上にハサミを入れて摘芯します。すると、そこから脇芽が伸び出して枝数が増えるので、収穫量も増えます。

せっかく成長しているところを切るのはもったいない気がしますが、切って脇芽を成長させることで株自体も大きくなります。

最盛期の夏には盛んに枝葉を出して生長します。枝が込み合って蒸れやすくなりますので、収穫を兼ねてどんどん葉を摘み取りましょう。

また、花を咲かせると香りが弱くなりますので、花穂も早めに摘み取ると芳香成分が十分利用できるうえ長く収穫が楽しめます。

耐寒性がないため、霜にあうと枯れます。その前に葉を摘んだり、あらかじめ9月ごろに挿し木にして鉢上げしておきます。日当たりが良く暖かい室内であれば、冬でも利用できます。

アブラムシやヨトウムシ、ナメクジに注意

生長してくる時期には、アブラムシやヨトウムシ、ナメクジの被害を受けますので、マルチングなどをするとよいです。

地植えではなくプランターや鉢でしたら、ベランダに置いておけば害虫の被害はやや軽減されます。

他のハーブに比べ害虫被害に頭を悩まされることが多いので、こまめに害虫駆除を行うようにします。

バジルの仲間

ホーリーバジル(Holy Basil カミメボウキ)

東南アジアの原産の一年草で、枝葉に軟毛があります。草丈30~40センチ、花色は淡桃色で香りはバジルよりも穏やか。アーユルヴェーダで非常に薬効が高いとされ、空気を浄化する働きがあるとも言われています。

ダークオパール(Dark Opal)

茎葉が赤紫色で光沢があり、やや黒っぽくも見えます。淡桃色の花を付けます。

ブッシュバジル(Bush Basil)

小型のバジルで、葉はバジルに比べずっと小さく、密に付きます。草姿が楕円体にまとまっており、花は白色です。

バジルの花

バジルの花

バジルの花

一般的なバジルを栽培していたところ、7月に入り花がたくさん咲きました。

このように、枝先に白い総状花序を付け、唇形花を開かせます。

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