花言葉は誰が決めた?起源と歴史、日本に広まった背景

赤いバラの花束

花言葉は、1人の人物がすべて決めたものではありません。花に託されてきた象徴や物語をもとに、花言葉の本の著者などが意味をまとめ、時代や地域ごとに広まってきました。そのため、同じ花でも本や国によって花言葉が違うことがあります。

「花言葉は誰が決めた?」「どこで生まれた?」「日本にはいつ広まった?」という疑問を、園芸協会や図書館の資料から紹介します。ローズマリーなど、ハーブと花言葉の関係も見てみましょう。

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花言葉は誰が決めた?特定の作者がいない理由

花言葉は植物の学名のような分類名ではなく、花に気持ちやイメージを重ねる文化です。花の姿や香り、文学や伝承などを背景に、さまざまな意味が付けられてきました。

英国王立園芸協会(RHS)の図書館の解説によると、19世紀には花言葉の本が多数出版され、著者ごとに意味の選び方が異なりました。すべての本が同じ辞書に従っていたわけではありません。「誰が決めたのか」を考えるときは、その花言葉がどの本や文化で紹介されたものなのかを確認すると、背景がわかりやすくなります。

花言葉の起源を紹介する解説図

画像をタップ/クリックすると拡大します。

花言葉の起源はトルコ?背景と普及を分けて考える

花言葉の起源としてよく紹介されるのが、オスマン帝国の風習と、英国のメアリー・ウォートリー・モンタギューの書簡です。モンタギューは18世紀初めにコンスタンティノープルを訪れ、花などの品物に意味を託す習慣を手紙で伝えました。

モリー・ブラウン・ハウス博物館の解説も、モンタギューの書簡を英語圏で花言葉が紹介された早い例として取り上げています。ただし、昔の品物による伝達の習慣と、現在の「この花はこの意味」という花言葉の一覧を、そのまま同じものと考えるのは慎重であるべきです。

花や植物に意味を託す習慣の背景と、花言葉をまとめた本が広まった過程は分けて考えましょう。「ある年に、ある人が現在の花言葉をすべて作った」という説明では、その歴史を捉えきれません。

花言葉の起源と初期の紹介を題材にした解説図

既存の解説図です。起源を1つに確定する資料ではなく、本文と併せてご覧ください。

19世紀のフランスから広まった花言葉の本

RHSは、花言葉の普及に影響した本として、1819年にフランスで出版されたシャルロット・ド・ラ・トゥール名義の『Le langage des fleurs』を挙げています。その後、英国や米国でも花言葉の本が出版され、花束で気持ちを伝える文化が広がりました。

花言葉が増え、同じ植物に異なる意味が付けられる例も出てきました。現在でも本ごとに意味が違うことは、花言葉の歴史に関わる特徴です。詳しくはRHSの「The Language of Flowers – a Lover’s Code」で読むことができます。

花言葉の本が広まるきっかけを紹介する解説図

日本の花言葉と与謝野晶子の『花』

日本での花言葉の紹介を考える資料の1つに、江南文三・与謝野晶子による1910年の『花』があります。国立国会図書館のレファレンス協同データベースには、日本の花言葉の本を調べた図書館の調査事例が掲載されています。

その調査では『花』だけでなく、1904年の「花ことば抄」や1906年の「花言葉」といった雑誌記事も挙げられています。したがって、与謝野晶子が日本で最初に花言葉を紹介した、と一律には断定できません。花言葉をまとめた本と、それ以前の記事・紹介を分けて考える必要があります。

図書館による花言葉の出版史の調査では、関連する本や雑誌の情報を確認できます。日本へ広まった時期を単独の年や人物だけで説明するより、こうした資料をたどると、紹介の過程が見えてきます。

ハーブにも花言葉がある?ローズマリーの例

ハーブも、花や葉に象徴的な意味を重ねられてきました。よく知られた例が、ローズマリーと「記憶」「思い出」の結び付きです。

シェイクスピアの『ハムレット』には、オフィーリアがローズマリーを記憶に結び付けて語る場面があります。RHSのシェイクスピア作品の植物を紹介する教材でも、花やハーブが文学の中で意味を持つことが説明されています。

これは植物の薬効を示すものではなく、文化や文学の中での意味です。香りや育て方を調べる際には、花言葉とは別に植物そのものの特徴を確認しましょう。

ほかのハーブの花言葉を探したい方は、ハーブの花言葉一覧をご覧ください。個々の花言葉を探す一覧と、このページの起源・歴史の説明を使い分けられます。

花言葉を贈り物に使うときの考え方

同じ花に複数の意味があると、贈ってよいか迷うこともあるでしょう。花言葉を添えるなら、採用した意味を短いメッセージに書くと、相手に気持ちが伝わりやすくなります。

  • 花の名前だけでなく、色や品種についての説明も確認する。
  • 本や紹介元によって意味が違う場合は、どの意味を込めたかを言葉で添える。
  • 花言葉だけに頼らず、相手の好きな花や香り、飾りやすさも考える。

例えばローズマリーなら、「楽しかった思い出を込めて」と書き添える方法があります。花言葉は、贈り物の意味を一方的に決める規則としてではなく、気持ちを伝えるきっかけとして楽しめます。

花言葉についてのよくある質問

花言葉は誰が決めたのですか?

すべてを決めた1人の人物はいません。文学や伝承などを背景に、さまざまな著者が意味をまとめ、紹介してきました。

同じ花なのに、花言葉が違うのはなぜですか?

国・時代・本によって、採用した意味が異なるためです。花の色や品種を分けて意味を紹介する場合もあります。

花言葉の起源はトルコですか?

オスマン帝国の風習やモンタギューの書簡が背景として紹介されます。一方、花言葉をまとめた本が19世紀のフランスなどで広まった過程とは区別する必要があります。

日本の花言葉は与謝野晶子が最初ですか?

1910年の『花』は関連資料の1つですが、それ以前の雑誌記事も確認されています。「日本で最初」を1人に決めることは慎重に考える必要があります。

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