ワイルドストロベリーは、ヨーロッパの森や野原に自生する野生のイチゴです。小さな赤い実は生でそのまま食べられ、甘酸っぱく、香りの豊かな味わいが楽しめます。このページでは、食べられるかどうかと、よく似たヘビイチゴとの見分け方、実と葉の使い方、春と秋に実を楽しむ育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ワイルドストロベリー(Wild strawberry)/ヨーロッパクサイチゴ/ウッドストロベリー/エゾヘビイチゴ |
|---|---|
| 学名 | Fragaria vesca |
| 分類 | バラ科オランダイチゴ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 15〜30cm |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア、北アメリカ |
| 花期 | 3〜5月、9〜10月(白い花) |
| 実の収穫 | 4〜5月、9〜10月 |
| 寒さの目安 | 強い |
ワイルドストロベリーとは?特徴
ワイルドストロベリーは、ヨーロッパから西アジア、北アメリカにかけての森のふちや草地に自生する、野生のイチゴの仲間です。ギザギザの3枚の小葉からなる葉を広げ、白い5枚花びらの小さな花を咲かせます。実は長さ1〜2cmほどと小さいものの、香りが強く、ヨーロッパでは昔から森の恵みとして親しまれてきました。
私たちがふだん食べている大粒のイチゴ(オランダイチゴ)は、18世紀ごろに南北アメリカの野生種どうしが交配してできたもの。ワイルドストロベリーは、それよりずっと前から人々に食べられてきた、イチゴの原点ともいえる植物です。四季なり性の品種が多く、春と秋の2回、実を楽しめます。
ワイルドストロベリーは食べられる?
ワイルドストロベリーの実は、生でそのまま食べられます。大粒のイチゴに比べて酸味がやや強く、甘い香りがぎゅっと詰まっているのが特徴です。熟して全体が赤くなり、指で軽く触れただけで取れるくらいが食べごろです。
ヘビイチゴとの見分け方
道ばたや野原でよく見かけるヘビイチゴは、ワイルドストロベリーとよく似た野草です。ヘビイチゴに毒はありませんが、実はスカスカしていてほとんど味がしないため、食用には向きません。花の色と実の付き方で見分けられます。
| ワイルドストロベリー | ヘビイチゴ | |
|---|---|---|
| 花の色 | 白 | 黄色 |
| 実の形 | 細長いしずく形 | 丸く、表面に粒が目立つ |
| 実の付き方 | 下向きに垂れ下がる | 上向きに付く |
| 味 | 甘酸っぱく香りがよい | ほとんど味がしない |

なお、ヘビイチゴという名前は、この実を食べに来る小動物をヘビがねらうから、ヘビがいそうな場所に生えるから、などといわれ、ヘビがこの実を食べるわけではありません。
イチゴにまつわる言い伝え
イチゴは人の少ない森の中にもよく実ることから、ヨーロッパには妖精にまつわる話がたくさん残っています。ドイツのバイエルン地方には、牛の角のあいだにイチゴを入れたかごを結んでおくと、妖精が喜んで乳をたくさん出させてくれる、という言い伝えがあります。17世紀イギリスの作家は「神はイチゴよりおいしい果実を作れたかもしれないが、あえてそうはなさらなかった」と、その味をたたえました。
ワイルドストロベリーの使い方
実を楽しむ
摘みたてを生で食べるのがいちばんのごちそうです。ヨーグルトやアイスクリーム、ケーキに添えたり、冷たい飲み物に浮かべたりしても、甘い香りが引き立ちます。1株からとれる実は少しずつなので、とれた分を冷凍しておき、ある程度たまったらジャムやシロップにするのがおすすめです。リキュールやワインの香り付けにも使われます。実にはビタミンCが含まれています。

葉のハーブティー
ヨーロッパでは、乾燥させた葉をハーブティーとしても利用してきました。紅茶に似たまろやかな味わいで、ほかのハーブとブレンドしても楽しめます。葉を摘んだら、風通しのよい日陰でカラカラになるまでしっかり乾燥させ、小さじ1〜2杯をポットに入れて熱湯を注ぎ、3〜5分蒸らします。
葉を使うときの注意
- 葉は必ず完全に乾燥させてから使います。しおれかけの生乾きの葉は使わないでください。
- 妊娠中の人は、葉のハーブティーを控えてください。
- バラ科の植物やイチゴにアレルギーがある人は、実も葉も口にしないでください。
ワイルドストロベリーの育て方
ワイルドストロベリーは寒さに強く、鉢植えでも育てやすい多年草です。春と秋に花が咲いて実がなります。実をたくさん楽しむには、日当たりとランナー(つる)の整理がポイントです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 4月 | 9月 | ||||||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 花期 | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 8月 | 9月 | ||||||||
| 収穫(実) | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(葉) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |

置き場所と土
日当たりのよい場所を好みますが、半日陰でも育ちます。真夏の強い西日や高温は苦手なので、夏は明るい日陰に移すか、遮光すると株が弱りにくくなります。土は水はけと水もちのよい、栄養豊かなものが向いています。市販の野菜用やイチゴ用の培養土を使うと手軽です。
植え付けと種まき
苗の植え付けは春(3〜4月)か秋(9〜10月)。株元の「クラウン」と呼ばれる部分を土に埋めないよう、浅めに植えましょう。種から育てる場合は、春(4月)か秋(9月)に、ごく薄く土をかけてまきます。
水やりと肥料
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。乾燥しすぎると実が小さくなるので、特に実がなる時期は水切れに注意しましょう。肥料は、チッソが多いと葉ばかり茂って実がつきにくくなるため、リン酸やカリが多めの肥料を、春と秋に追肥します。
ランナーの整理とふやし方
株から伸びるつる(ランナー)の先に子株ができ、そのままにしておくと次々と株がふえていきます。実を大きく育てたいときは、ランナーを早めに切り取りましょう。ふやしたい場合は、夏の終わり〜9月ごろに、葉が3〜4枚付いた子株をランナーから切り離してポットに植えます。親株にいちばん近い最初の子株より、2番目以降の子株を使うのが一般的です。
実の収穫と鳥よけ
実は4〜5月と9〜10月ごろ、全体が赤く熟したものから順に摘み取ります。赤い実は鳥にも人気なので、実がなる時期は防鳥ネットをかけておくと安心です。
ワイルドストロベリーのよくある質問
- ワイルドストロベリーは食べても大丈夫ですか?
- 実は生でそのまま食べられます。農薬を使っていない株の、よく熟した実を選びましょう。バラ科やイチゴにアレルギーがある人は避けてください。
- 庭に生えている小さなイチゴは食べられますか?
- 黄色い花が咲き、丸い実が上向きに付くものはヘビイチゴです。毒はありませんが、ほとんど味がしません。白い花で、細長い実が下向きに垂れるのがワイルドストロベリーです。
- 実が小さく、少ししかなりません。
- 日照不足や、チッソの多い肥料、ランナーの伸びすぎが考えられます。日当たりのよい場所で育て、リン酸・カリの多い肥料を与え、ランナーを整理しましょう。
- 葉でハーブティーは作れますか?
- 作れます。葉を風通しのよい日陰でしっかり乾燥させてから使いましょう。生乾きの葉は使わないでください。






























