ヤロウは、鳥の羽のように細かく切れ込んだ葉と、小さな花が平らに集まって咲く姿が特徴のキク科のハーブです。和名は「セイヨウノコギリソウ」。とても丈夫で育てやすく、花壇やドライフラワーとしても人気があります。このページでは、ヤロウの特徴と名前の由来、伝統的な使われ方、ハーブティーやドライフラワーの楽しみ方、栽培カレンダー付きの育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ヤロウ(Yarrow)/セイヨウノコギリソウ(西洋鋸草)/ミルフォイル/アキレア |
|---|---|
| 学名 | Achillea millefolium |
| 分類 | キク科ノコギリソウ属 |
| 種類 | 多年草 |
| 草丈 | 30cm〜1m |
| 原産地 | ヨーロッパ〜西アジア |
| 花期 | 5〜9月(白・ピンク・赤・黄など) |
| 香りの成分 | カマズレン、シネオールなど(精油) |
| 寒さの目安 | 強い |
ヤロウとは?特徴と名前の由来
ヤロウは、ヨーロッパから西アジアにかけての草地や道ばたに広く自生する、キク科の多年草です。葉は細かく何度も裂けて、鳥の羽やノコギリの歯のように見えます。初夏から秋にかけて、茎の先に直径5mmほどの小さな花がたくさん集まり、平らな傘のような形で咲きます。原種に近いものは白い花ですが、園芸品種にはピンク、赤、黄、オレンジなど、さまざまな花色があります。
学名のAchilleaは、ギリシャ神話の英雄アキレスにちなみます。アキレスがこの草で兵士たちの傷の手当てをしたという言い伝えから名付けられたといわれます。種小名のmillefoliumは「千の葉」という意味で、細かく分かれた葉の形を表しています。英語では「ミルフォイル」とも呼ばれます。
ヤロウの花色と仲間
ノコギリソウの仲間は北半球に100種以上あり、日本にもノコギリソウなどが自生しています。花壇でよく見かけるのは、セイヨウノコギリソウの園芸品種や、黄色い花のキバナノコギリソウ(Achillea filipendulina)などです。

ヤロウの効能と使い方
ヤロウは、古くからヨーロッパで「傷の草」として知られ、切り傷の手当てに葉を当てる民間療法に使われてきました。お茶としては、かぜのひき始めに体を温めたいときや、胃腸の調子を整えたいときなどに、伝統的に飲まれてきたハーブです。花や葉の精油には、カモミールと同じ青い色の成分「カマズレン」が含まれています。
ハーブティー
乾燥した花と葉を小さじ1杯ほどポットに入れ、熱湯を約200ml注いで5分ほど蒸らします。ほろ苦く、少しスパイシーな味わいなので、ペパーミントやカモミールなど、ほかのハーブとブレンドすると飲みやすくなります。

ドライフラワー・ポプリ
平らに集まって咲く花は、乾燥させても形や色がくずれにくく、ドライフラワーやポプリ、押し花に向いています。花が咲きそろったころに茎ごと切り、束ねて風通しのよい日陰に逆さに吊るせば、2週間ほどで仕上がります。リースやスワッグの材料にも使えます。
コンパニオンプランツ・庭での楽しみ方
ヤロウの花には、アブラムシを食べるテントウムシや、ハナアブなどの益虫がよく集まります。野菜や草花のそばに植えると、庭の虫のバランスを整えるコンパニオンプランツとして役立ちます。とても丈夫なので、ナチュラルガーデンやロックガーデン、切り花用としても人気です。花は黄色の草木染めにも使われます。
使うときの注意
- キク科の植物(ブタクサ、キク、マリーゴールドなど)にアレルギーがある人は使わないでください。
- 妊娠中・授乳中の人は、使わないでください。
- 肌が弱い人は、触るとかぶれたり、日光に当たって肌が敏感になったりすることがあります。
- 薬を飲んでいる人や持病のある人は、ハーブティーを飲む前に医師に相談してください。
ヤロウの育て方
ヤロウは、暑さにも寒さにも強く、やせた土でも育つほど丈夫なハーブです。注意したいのは多湿と肥料のやりすぎ。乾かし気味に、肥料は控えめに育てると、がっしりとした株になります。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||
| 株分け | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 収穫(花・葉) | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |

置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みます。日陰では茎がひょろひょろと伸び、花つきが悪くなります。土質はあまり選びませんが、水はけのよい土が向いています。鉢植えは市販のハーブ用や草花用の培養土で十分です。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜5月)か秋(9〜10月)。種はとても細かいので、ポットにまいて土はごく薄くかけ、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。地下茎で横に広がるので、株の間は30〜40cmほどあけましょう。
水やりと肥料
鉢植えは、土の表面がしっかり乾いてから水を与えます。庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりの必要はありません。肥料が多いと茎が軟らかく伸びて倒れやすくなるので、春に少量施す程度にします。
花後の切り戻し
花が咲くと葉がかたくなるので、葉を使う場合は開花前に摘み取ります。咲き終わった花は、株元近くで切り戻すと、新しい芽が伸びて再び花を咲かせます。梅雨前に株元の古い葉や混み合った茎を整理しておくと、蒸れを防げます。
ふやし方
地下茎でどんどん広がるので、株が混み合ってきたら、春(3〜4月)か秋(9〜10月)に株分けしてふやします。広がりすぎた部分は、掘り上げて取り除きましょう。こぼれ種でもふえます。
ヤロウのよくある質問
- ヤロウとノコギリソウは同じですか?
- ヤロウは、ノコギリソウの仲間のセイヨウノコギリソウ(Achillea millefolium)のことです。日本に自生するノコギリソウも同じ属の仲間です。
- ヤロウのハーブティーはどんな味ですか?
- ほろ苦く、少しスパイシーな味わいです。ペパーミントやカモミールとブレンドすると飲みやすくなります。
- ヤロウの花が倒れてしまいます。
- 肥料のやりすぎや日照不足で、茎が軟らかく伸びている可能性があります。日当たりのよい場所で、肥料を控えめにして育てましょう。背の高い品種は支柱を立てると安心です。
- ヤロウが増えすぎてしまいました。
- 地下茎で広がる性質があります。春か秋に株を掘り上げて、必要な分だけ植え直しましょう。花後に種ができる前に刈り取ると、こぼれ種でふえるのも防げます。































