コリアンダーは、葉を「パクチー」や「シャンツァイ(香菜)」として、種を「コリアンダーシード」としてスパイスに使う、セリ科のハーブです。葉は独特の香りで好き嫌いが分かれますが、種はレモンのようなさわやかな香りで、カレー粉には欠かせない材料です。このページでは、コリアンダーの特徴と歴史、伝統的な効能、葉・根・種の使い方、葉を長く収穫するための育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | コリアンダー(Coriander)/パクチー(タイ語)/シャンツァイ(香菜)/シラントロ(英語圏の葉の呼び名)/コエンドロ |
|---|---|
| 学名 | Coriandrum sativum |
| 分類 | セリ科コエンドロ属 |
| 種類 | 一年草 |
| 草丈 | 30〜80cm |
| 原産地 | 地中海沿岸〜西アジア |
| 花期 | 5〜7月(白〜淡いピンクの小花) |
| 主な香り成分 | 葉:デカナールなどのアルデヒド類/種:リナロール |
| 寒さの目安 | やや強い(霜よけで冬越し) |
コリアンダーとは?特徴と歴史
コリアンダーは、地中海沿岸から西アジア原産の、セリ科の一年草です。根元から出る若い葉は丸く切れ込みのある形で、茎が伸びると上のほうの葉は糸のように細くなります。初夏に、白や淡いピンクの小さな花を傘のように咲かせ、花のあとに直径3〜5mmほどの丸い実(コリアンダーシード)ができます。
コリアンダーは、3,000年以上前から使われてきた、世界で最も古いハーブのひとつです。古代エジプトのツタンカーメン王の墓から種が見つかっているほか、古代インドのサンスクリット語の書物や、『千夜一夜物語』にも登場します。旧約聖書では、神が与えた食べ物「マナ」が、コリアンダーの種にたとえられています。日本には平安時代に伝わり、「コエンドロ」の名で知られていました。
葉と種で、まったく違う香り
コリアンダーの若い葉には、独特の青い香りがあります。この香りは好き嫌いがはっきり分かれ、遺伝的に石けんのように感じる人もいるといわれます。学名のCoriandrumはギリシャ語の「koris(カメムシ)」に由来し、和名の別名「カメムシソウ」も、この香りを表しています。一方、熟した種は、レモンやオレンジを思わせるさわやかで甘い香りで、葉が苦手な人でも食べやすいスパイスです。

コリアンダーの効能と使い方
コリアンダーの種は、ヨーロッパやインドで昔から薬用にも使われてきました。伝統的に、食欲がないときや、食後に胃の調子を整えたいとき、おなかの張りが気になるときなどに使われてきました。葉にはβカロテンやビタミンKなども含まれています。
葉(パクチー)
タイやベトナム、中国、メキシコなどの料理に欠かせません。フォーや生春巻き、トムヤムクン、サルサ、ワカモレなどに、生のまま刻んでたっぷり使います。香りが飛びやすいので、加熱料理には仕上げに加えましょう。
根
タイ料理では、香りの強い根を、にんにくやこしょうと一緒につぶして、カレーペーストや下味に使います。根つきのものが手に入ったら、捨てずに使いましょう。

種(コリアンダーシード)
カレー粉やガラムマサラの主な材料のひとつです。ピクルスやマリネ、ソーセージ、煮込み料理の香り付けのほか、クッキーやパン、ビールやリキュールにも使われます。使う前に軽く炒ってからつぶすと、香りが引き立ちます。
ハーブティー
軽くつぶした種を小さじ1杯ほどカップに入れ、熱湯を注いで5分ほど蒸らします。ほのかに甘いさわやかな香りのお茶になります。
使うときの注意
- セリ科の植物にアレルギーがある人は注意してください。
- 妊娠中の人は、料理に使う量を超えて、サプリメントや精油をとるのは控えてください。
- 精油は原液のまま肌につけず、飲まないでください。
コリアンダーの育て方
コリアンダーは、プランターでも簡単に育てられるハーブです。暑くなると花が咲いて葉がかたくなるので、葉を長く楽しみたい場合は秋まきがおすすめです。植え替えが苦手なので、直接種をまきましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | 7月 | |||||||||
| 収穫(葉) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 10月 | 11月 | 12月 | ||||
| 収穫(種) | 6月 | 7月 | 8月 |
※秋まきは霜よけをして冬越しさせると、春まで長く葉を収穫できます。

種まき
種まきは、春(3〜5月)か秋(9〜10月)が適期です。コリアンダーの丸い種は、中に2粒の種が入った実なので、指で軽く押して2つに割り、一晩水につけてからまくと発芽しやすくなります。根がまっすぐ伸びて植え替えを嫌うので、育てる場所に直接まき、1cmほど土をかけます。込み合ったところは間引いて、株の間を10〜15cmにしましょう。間引いた苗も料理に使えます。
置き場所と土
日当たりと水はけのよい場所で育てます。暑さに弱いので、春まきの場合は夏前に収穫を終えるつもりで育てましょう。
水やりと肥料
土の表面が乾いたら、たっぷり水を与えます。葉を収穫する場合は、月に1〜2回、液体肥料を与えましょう。
収穫
草丈が15〜20cmになったら、外側の葉から摘み取って収穫します。花茎が伸びてくると葉が細くかたくなるので、葉を楽しみたい場合は、花茎を早めに摘み取りましょう。種を採る場合は、花を咲かせたままにし、実が茶色く乾いたら房ごと切り取ります。
冬越し
秋まきのコリアンダーは、霜よけや不織布をかけて冬越しさせると、春まで長く葉を収穫できます。
コリアンダーのよくある質問
- コリアンダーとパクチーは同じですか?
- 同じ植物です。タイ語でパクチー、中国語でシャンツァイ(香菜)と呼ばれ、英語では葉をシラントロ、種をコリアンダーと呼び分けることもあります。
- コリアンダーの効能は?
- ヨーロッパやインドでは伝統的に、食欲がないときや、食後に胃の調子を整えたいときなどに、種が使われてきました。
- パクチーの香りが苦手です。
- 種(コリアンダーシード)は葉と香りがまったく違い、レモンのようなさわやかな香りです。カレーやピクルスなどで試してみましょう。
- すぐに花が咲いてしまいます。
- 暑くなると花が咲きやすくなります。葉を長く楽しみたい場合は秋にまき、花茎は早めに摘み取りましょう。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。
































