ニゲラは、糸のように細い葉にふんわり包まれて、青やピンク、白の花を咲かせるキンポウゲ科のハーブです。和名を「クロタネソウ(黒種草)」といい、花のあとには風船のような実ができて、中に黒い種がたくさん入ります。このページでは、ニゲラの特徴と名前の由来、スパイスとして使われる仲間「ブラッククミン(ニゲラ・サティバ)」との違いと伝統的な効能、切り花やドライフラワーの楽しみ方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ニゲラ(Nigella)/クロタネソウ(黒種草)/ラブ・イン・ア・ミスト(霧の中の愛) |
|---|---|
| 学名 | Nigella damascena |
| 分類 | キンポウゲ科クロタネソウ属 |
| 種類 | 一年草 |
| 草丈 | 40〜80cm |
| 原産地 | 地中海沿岸、南ヨーロッパ |
| 花期 | 5〜6月(青・ピンク・白など) |
| 寒さの目安 | 強い(暑さにやや弱い) |
ニゲラとは?特徴と名前の由来
ニゲラは、地中海沿岸から南ヨーロッパの畑や草地に自生する、キンポウゲ科の一年草です。茎や葉は糸のように細かく分かれ、初夏になると、その葉にふんわり包まれるように、直径3〜4cmの花を咲かせます。花の色は、青、水色、ピンク、白、紫などさまざまで、八重咲きの品種もあります。花びらのように見えるのは、実はがく片です。花のあとには、角のような突起のある、風船のようにふくらんだ実ができます。
属名のNigellaは、ラテン語の「niger(黒)」に由来し、黒い種を表しています。和名の「クロタネソウ」も同じ意味です。英名の「ラブ・イン・ア・ミスト(霧の中の愛)」は、細い葉に包まれて咲く花が、霧の中にかすんでいるように見えることから名付けられました。ツノのある実の形から「デビル・イン・ア・ブッシュ(茂みの中の悪魔)」と呼ばれることもあります。
観賞用のニゲラと、スパイスのニゲラ
園芸店で「ニゲラ」として売られているのは、主に花を楽しむニゲラ・ダマスケナです。一方、スパイスとして使われる黒い種は、仲間のニゲラ・サティバの種で、「ブラッククミン」「カロンジ」などと呼ばれます。
| ニゲラ・ダマスケナ | ニゲラ・サティバ | |
|---|---|---|
| 主な用途 | 観賞、切り花、ドライフラワー | 種をスパイスに |
| 花 | 青やピンクの華やかな花 | 白〜淡い青の素朴な花 |
| 種 | 食用にはしない | ブラッククミン(カロンジ)として料理に |

ニゲラの効能と使い方
スパイスとして使われるニゲラ・サティバの種は、中東や南アジア、北アフリカで何千年も前から使われてきました。古代エジプトのツタンカーメン王の墓からも見つかっています。イスラム圏では「死以外のあらゆる病を癒やす」という言い伝えもあり、伝統的に、体調を整えたいときや、かぜの季節、食後に胃の調子を整えたいときなどに使われてきました。種から搾ったブラックシードオイルも作られています。
切り花
繊細な葉と花は、切り花にしてガラスの花瓶に生けると、ナチュラルな雰囲気になります。ブーケやアレンジメントにも人気です。
ドライフラワー
風船のようにふくらんだ実は、ドライフラワーの材料として人気があります。実が緑から赤紫を帯びたころに茎ごと切り、束ねて風通しのよい日陰に吊るして乾燥させましょう。スワッグやリースのアクセントになります。

ブラッククミン(ニゲラ・サティバの種)
ブラッククミンは、少し苦みのある、タマネギやオレガノに似た香りのスパイスです。インドのナン、中東のパンやチーズにふりかけたり、ベンガル地方のミックススパイス「パンチ・フォロン」に使ったりします。軽く炒ると香りが立ちます。名前に「クミン」とつきますが、クミンとは別の植物です。
使うときの注意
- 観賞用のニゲラ・ダマスケナの種は、食べないでください。スパイスには、食用として売られているブラッククミン(ニゲラ・サティバ)を使いましょう。
- 妊娠中の人は、スパイスとしてたくさんとったり、オイルやサプリメントを使ったりするのは控えてください。
- 持病のある人や薬を飲んでいる人は、オイルやサプリメントを使う前に医師に相談しましょう。
ニゲラの育て方
ニゲラは、寒さに強く丈夫で、種をまくだけで簡単に育つ一年草です。秋に種をまくと株が大きく育ち、初夏にたくさんの花を咲かせます。植え替えが苦手なので、花壇やプランターに直接種をまきましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 9月 | 10月 | ||||||||
| 花期 | 5月 | 6月 | ||||||||||
| 収穫(実) | 6月 | 7月 | ||||||||||
| 収穫(種) | 7月 |
※春まき(3〜4月)もできますが、秋まきのほうが株が大きく育ちます。

種まき
種まきは、秋(9〜10月)が適期です。春(3〜4月)にもまけますが、株が小さいうちに花が咲きます。根がまっすぐ伸びて植え替えを嫌うので、育てる場所に直接まきましょう。光を嫌う種なので、5mmほど土をかけます。込み合ったところは間引いて、株の間を15〜20cmにします。
置き場所と土
日当たりと水はけのよい場所を好みます。やや乾き気味の土が向いていて、肥料は少なめで十分です。肥料が多すぎると、茎が伸びすぎて倒れやすくなります。
水やり
庭植えは、根付いたあとはほとんど水やりはいりません。鉢植えは、土の表面が乾いたらたっぷり水を与えます。
実と種の収穫
ドライフラワーにする実は、色づいたころに茎ごと切り取ります。種を採る場合は、実が茶色く乾いてから切り取り、紙袋の中で振って種を落としましょう。こぼれ種でよく増え、翌年も同じ場所に花を咲かせます。
ニゲラのよくある質問
- ニゲラの効能は?
- スパイスとして使われる仲間のニゲラ・サティバ(ブラッククミン)は、中東や南アジアで伝統的に、体調を整えたいときやかぜの季節に使われてきました。観賞用のニゲラ・ダマスケナは、食用にはしません。
- ニゲラはハーブですか?
- はい。種がスパイスとして使われてきたハーブで、花や実は切り花やドライフラワーとしても人気です。
- ニゲラの種は食べられますか?
- 園芸用のニゲラ・ダマスケナの種は食べないでください。スパイスには、食用として売られているブラッククミン(ニゲラ・サティバ)を使いましょう。
- 春に種をまいたら、小さいまま咲いてしまいました。
- ニゲラは春まきだと株が小さいうちに花が咲きます。大きな株にしたい場合は、秋に種をまきましょう。

























