ハーブを育てるときによく使う言葉を、五十音順にまとめました。用語の意味に加えて、栽培で気を付けたいポイントも紹介しています。知りたい用語の行を選んでご覧ください。
水やり・肥料・剪定などの適した方法や時期は、ハーブの種類や栽培環境によって異なります。用語の意味を確認したうえで、それぞれのハーブの育て方や、使用する資材の表示も参考にしてください。
ア行
- 一年生植物(いちねんせいしょくぶつ)
- 発芽してから花を咲かせ、種をつけて枯れるまでの一生を、通常一年以内に終える植物。バジルなどが代表例です。ただし、本来は多年生でも、日本では冬の寒さに耐えられず一年草として扱う植物もあります。
- 育苗(いくびょう)
- 種まきや挿し木などで得た小さな苗を、植え付けに適した大きさまで育てること。水やり、日当たり、風通しを調整しながら丈夫な苗に育てます。
- 植え替え(うえかえ)
- 鉢や用土を替えて、植物を植え直すこと。根詰まりや用土の劣化を改善するために行います。適期や根の扱い方は植物によって異なります。
- ウォータースペース
- 鉢やプランターの縁と土の表面の間に設ける、水やり用の空間。一般に縁から2〜3cm程度下げて土を入れます。水が一時的にたまることで、土が流れ出しにくくなります。
- 畝(うね)
- 畑の土を細長く盛り上げた、作物を植える場所。周囲より高くすることで、水はけをよくできます。高さや幅は土の状態や育てる植物に合わせます。
- エッセンシャルオイル(精油)
- 植物の花、葉、果皮などから抽出した、香りの成分を含む揮発性の油。抽出には水蒸気蒸留や圧搾などの方法があります。ハーブを食用油に漬けた「ハーブオイル」とは別のものです。
- F1ハイブリッド(えふわんはいぶりっど)
- 異なる系統の親を交配して得られる、一代目の雑種。生育や形などの性質がそろいやすい品種づくりに利用されます。F1の株から採った種をまいても、次の世代では性質が分かれ、親と同じ姿や品質になるとは限りません。
- 置き肥(おきひ)
- 固形や粒状の肥料を、土の表面に置いて与える方法。肥料成分が徐々に溶け出します。株元や根に直接触れないように置き、量や交換時期は製品の表示に従います。
- お礼肥(おれいひ)
- 花が咲いた後や収穫後に、株の回復と次の生育を助けるために与える肥料。すべての植物に必要なわけではなく、種類や株の状態に合わせて施します。
カ行
- 花期(かき)
- 花が咲く時期、または咲き始めてから咲き終わるまでの期間。地域の気候や栽培環境によって、同じ植物でも花期は前後します。
- 化成肥料(かせいひりょう)
- 化学的な工程で製造される肥料。窒素・リン酸・カリなど、植物に必要な成分を含みます。速く効くものも、ゆっくり効くものもあります。
- 株分け(かぶわけ)
- 大きくなった株を、根と芽が付くように分けて増やす方法。ミントやチャイブなどに利用されます。株の更新にも役立ちますが、株分けに向かない種類もあります。
- 刈り戻し(かりもどし)
- 伸びた茎や枝を、株全体または一定の範囲で短く刈り込む作業。姿を整え、風通しを改善し、新しい芽の生育を促します。種類によっては強く刈ると回復しにくいため、切る位置に注意します。
- 緩効性肥料(かんこうせいひりょう)
- 肥料成分がゆっくりと溶け出し、比較的長く効く肥料。元肥や置き肥に使われます。効く期間や適量は製品によって異なります。
- 寒冷紗(かんれいしゃ)
- 植物を覆って、強い日差しや風などを和らげる網状の資材。色や織り方によって遮光率が異なります。防寒に使う場合もありますが、寒冷紗だけで強い霜や凍結を防げるとは限りません。
- 切り戻し(きりもどし)
- 伸びた茎や枝を途中で切り、短くする作業。枝分かれや新しい芽の生育を促し、株の姿を整えます。「刈り戻し」と意味が重なる場合もあります。
- 苦土石灰(くどせっかい)
- カルシウムとマグネシウムを含み、酸性の土を中和するために使う資材。土の酸度と植物の好みに合わせて使います。消石灰とは成分や作用が異なるため、同じ量で置き換えられるものではありません。
- グランドカバー
- 地面を覆うように広がる植物、またはその植栽。土の露出を減らし、景観を整えます。クリーピングタイムなどが使われますが、踏みつけへの強さや生育条件は種類によって異なります。
- 嫌光性種子(けんこうせいしゅし)
- 光があると発芽しにくく、暗い条件で発芽しやすい種。種まきでは適切な厚さの土で覆います。覆土の厚さは種袋などの指示を確認してください。
- 好光性種子(こうこうせいしゅし)
- 光があると発芽しやすい種。土を厚くかぶせると発芽しにくくなるため、覆土をごく薄くするか、かぶせずにまきます。乾燥させないよう、やさしく水を与えます。
- 腰水(こしみず)
- 鉢や育苗容器の下に水を張り、底穴から水を吸わせる方法。種を流さずに水を与えたいときなどに使います。常に水に浸すか、吸水後に水を捨てるかは、植物と目的に合わせます。
- こぼれ種(こぼれだね)
- 植物から自然に落ちた種。条件が合うと、その場所や周囲で発芽します。こぼれ種から育った苗を自然実生と呼ぶこともあります。
- コンパニオンプランツ
- 一緒に育てることで、生育や害虫対策などによい影響が期待される植物の組み合わせ。効果は組み合わせや環境によって異なり、植えれば必ず害虫を防げるというものではありません。
サ行
- 挿し木(さしき)
- 切り取った茎や枝を用土などに挿し、根を出させて増やす方法。ミントやローズマリーなどに利用されます。枝から根が出ることは「発根」で、種から芽が出る「発芽」とは区別します。
- 挿し穂(さしほ)
- 挿し木に使うために切り取った茎や枝。健康な部分を選び、土に埋まる部分の葉を取り除いて使います。長さや適した枝の硬さは植物によって異なります。
- 宿根草(しゅっこんそう)
- 多年草のうち、一般に生育に適さない季節に地上部が枯れても、地下の根や芽が生き残り、再び芽を出す植物。地上部が枯れた状態と、株全体が枯死した状態を見分けることが大切です。
- シルバーハーブ
- 葉が銀色や灰白色に見えるハーブの総称。細かな毛が葉を覆う種類などがあり、ラムズイヤーやサントリナが代表例です。栽培条件は種類ごとに確認します。
- 整枝(せいし)
- 枝の数や方向を調整し、株の形や枝の配置を整える作業。混み合う枝などを整理して、日当たりや風通しをよくします。
- 剪定(せんてい)
- 枝や茎を切り、植物の大きさや形、生育を調整する作業。枯れ枝や傷んだ枝を取り除くことも含みます。花芽のできる時期を考慮して行います。
- 草木灰(そうもくばい)
- 木や草を燃やしてできる灰。カリやカルシウムなどを含み、土をアルカリ性に傾ける性質があります。成分が一定ではないため、使いすぎに注意します。
- 速効性肥料(そっこうせいひりょう)
- 与えてから比較的早く効果が現れる肥料。液体肥料などが代表例です。濃すぎる液や過剰な施肥は根を傷めるため、表示された濃度と量を守ります。
タ行
- 耐寒性(たいかんせい)
- 植物が寒さに耐える性質。耐えられる温度は種類や品種、株の状態によって異なります。気温だけでなく、霜、凍結、冬の過湿にも注意します。
- 耐暑性(たいしょせい)
- 植物が暑さに耐える性質。高温に強い植物でも、強い西日や蒸れで弱ることがあります。夏の置き場所と風通しを調整します。
- 多年草(たねんそう)
- 一年で一生を終えず、何年も生育を続ける草本植物。冬に地上部が枯れるものも、葉を残すものもあります。木質化した低木とは区別して使う言葉です。
- 種まきの方法(たねまきのほうほう)
- 種をまく場所による「直まき」と「育苗してからの植え付け」、まく並べ方による「ばらまき」「条まき」「点まき」などがあります。種の大きさや移植への強さに合わせて選びます。
- 茶剤(ちゃざい)
- 植物の葉や花などに湯を注ぎ、一定時間浸して成分を取り出した液体。ハーブティーもこのような方法で作ります。使用する植物や部位によって適した抽出方法は異なります。
- 直根性(ちょっこんせい)
- 太い主根が下へ伸びる性質。主根を傷めると植え替え後に生育が悪くなる種類があるため、移植時は根鉢を崩しすぎないようにします。コリアンダーやパセリなどが例です。
- 追肥(ついひ)
- 植え付け後、生育に合わせて追加で与える肥料。元肥の効き方、植物の種類、株の状態を見て判断します。弱った株に多量の肥料を与えても、回復するとは限りません。
- 定植(ていしょく)
- 育てた苗を、その後育てる畑、花壇、鉢などに植え付けること。株の大きさや生育に必要な間隔を考えて植えます。
- 底面灌水(ていめんかんすい)
- 鉢や容器の底から水を吸わせる水やりの方法。腰水もその一つです。専用容器を使う場合もあり、貯水の方法や管理は容器の構造と植物に合わせます。
- 摘心・摘芯(てきしん)
- 茎の先端の芽を摘み、脇芽の生育を促す作業。バジルなどを枝分かれさせ、収穫できる葉を増やすために行います。通常は葉や節を残して切ります。
- 天地返し(てんちがえし)
- 表面の土と下層の土を入れ替えるように、深く掘り返す作業。土の状態を改善する目的などで行いますが、すべての花壇や栽培で必要な作業ではありません。
- とう立ち(とうだち)
- 花を咲かせるための茎が伸び始めること。葉を収穫するハーブでは、葉の硬さや風味が変わる場合があります。種を採る場合は花を咲かせて育てます。
- 徒長(とちょう)
- 茎の節と節の間が長く伸び、ひょろひょろした姿になること。日照不足や過剰な水・肥料などが原因になります。まず栽培環境を見直し、急に強い日差しに当てず、徐々に慣らします。
- トピアリー仕立て(とぴありーしたて)
- 植物を刈り込んだり、枠に沿わせたりして、球形、幾何学模様、動物などの形に仕立てること。細かな枝葉を出す常緑樹などがよく使われます。
- 取り木(とりき)
- 枝を親株に付けたまま発根させ、根が出てから切り離して増やす方法。枝を曲げて土に埋める方法や、枝の一部を湿らせた水ごけなどで包む方法があります。
ナ行
- 苗床(なえどこ)
- 種をまいたり、苗を育てたりする場所や容器。発芽時は清潔で水はけと保水性のよい用土を使い、肥料分は苗の段階や植物に合わせて調整します。
- 軟白栽培(なんぱくさいばい)
- 主に光を遮り、茎や葉を白く、やわらかく育てる栽培方法。チコリなどに利用されます。
- 二重鉢(にじゅうばち)
- 植えた鉢をさらに別の鉢に入れ、鉢を二重にすること。鉢の間の空間が、急な温度変化を和らげます。外鉢に水がたまる場合は、過湿にならないよう管理します。
- 二年草(にねんそう)
- 発芽した年に主に葉や根を育て、翌年に花を咲かせ、種をつけて一生を終える植物。パセリなどが代表例です。栽培条件によって開花時期は変わります。
- 根腐れ(ねぐされ)
- 根が傷み、腐って十分に水や養分を吸えなくなる状態。過湿による酸素不足や病原菌などが関係します。土が湿っているのに葉がしおれる場合もありますが、症状だけで断定はできません。
- 根詰まり(ねづまり)
- 鉢の中に根が密に回り、新しい根が伸びる空間が少なくなった状態。水がしみ込みにくい、乾きやすい、底穴から多くの根が出るなどの様子が目安になります。
- 根鉢(ねばち)
- 根が回った土の塊。苗を鉢から抜いたときに、根と土がまとまった状態を指します。植え付け時に崩すかどうかは、植物の性質と根の状態で判断します。
- 根伏せ(ねぶせ)
- 切り取った根を土に埋め、そこから芽や根を出させて増やす方法。コンフリーなど、根から芽を出す性質を持つ植物に利用されます。枝を付けたまま根を出させる取り木とは異なります。
- ノットガーデン
- 低く刈り込んだ植物などで、結び目を思わせる幾何学模様を描く庭。葉の色や質感が異なる植物を組み合わせ、模様を際立たせます。
ハ行
- ハーバルバス
- ハーブの葉や花などを使って香りを楽しむ入浴法。袋に入れるなどして、排水口に植物が詰まらないようにします。肌に合うかどうかも確認します。
- ハーブオイル
- ハーブをオリーブオイルなどの植物油に漬け、香りを移したもの。精油とは異なります。食用と肌に使う目的では、材料や作り方、保存方法を分けて考えます。
- ハーブティー
- 飲用に適したハーブの葉や花などから、湯や水で香りや成分を抽出した飲み物。観賞用の苗や、名前が不明な植物をそのまま飲用に使わないようにします。
- 配合肥料(はいごうひりょう)
- 複数の肥料を混ぜ、必要な成分や割合に調整した肥料。有機質の材料だけでなく、化学肥料を組み合わせた製品もあります。
- 培養土(ばいようど)
- 植物を育てるために、複数の用土や資材を配合した土。市販品には草花用、野菜用、ハーブ用などがあります。元肥の有無や水はけの特徴を確認して選びます。
- 鉢上げ(はちあげ)
- 苗床や小さな育苗容器で育てた苗を鉢に移すこと。また、地植えの株を掘り上げて鉢に植えることにも使われます。
- 発根(はっこん)
- 根が出ること。挿し木では、挿し穂から新しい根が出ることを指します。芽が動いていても、十分に発根しているとは限りません。
- 半日陰(はんひかげ)
- 一日のうち限られた時間だけ日が当たる場所や、木漏れ日のようなやわらかな光が当たる場所。午前中の日が当たり、午後の強い日差しを避けられる場所などが例です。
- ハンギングバスケット
- 植物を植えて、吊り下げて飾る容器や植栽。地面に置く鉢より風に当たりやすく、乾燥しやすいため、土の状態をこまめに確認します。
- ピートポット
- ピートモスなどを成形して作る育苗用の容器。苗を容器ごと植え付けられる製品があります。使い方は製品の表示を確認し、植え付け後に乾燥しすぎないよう管理します。
- ひこばえ
- 木の根元や根、切り株などから伸びる新しい芽や枝。「ひこ生え」とも書きます。残すか取り除くかは、育てたい樹形や株の状態で判断します。
- ピロー
- 枕のこと。ハーブを詰めて香りを楽しむものをハーブピロー、目元を覆う小さな袋状のものをアイピローと呼びます。
- 斑・斑入り(ふ・ふいり)
- 葉などの一部が白、黄色など、地の色と異なる模様になること。園芸では「斑」を「ふ」と読みます。斑入り品種の模様と、病害や栄養不足による変色は区別します。
- 覆土(ふくど)
- まいた種の上に土をかぶせること、またはその土。覆土の厚さは種の大きさや発芽に必要な光の条件によって異なります。
- 腐葉土(ふようど)
- 落ち葉などを十分に分解・熟成させた土壌改良材。用土に混ぜると、通気性や保水性などの改善に役立ちます。肥料と同じ目的で使うものではありません。
- 分けつ(ぶんけつ)
- 茎の基部付近から新しい茎が分かれて伸び、株が増えること。イネ科植物などでよく使われる言葉です。球根が分かれて増えることは「分球」と呼びます。
- ポプリ
- 乾燥させた香りのよい花や葉、スパイスなどを組み合わせたもの。香りや見た目を室内で楽しみます。精油を加えて香りを補うこともあります。
- ポリポット
- 主に苗を育てたり販売したりするときに使う、薄い合成樹脂製の鉢。植え付け時は通常ポットを外し、根鉢を取り出して植えます。
マ行
- 間引き(まびき)
- 混み合って育つ苗を減らし、残す苗に十分な光や空間を確保する作業。元気な苗を残し、弱い苗や重なり合う苗を取り除きます。
- マルチング(マルチ)
- 土の表面をバークチップ、わら、シートなどで覆うこと。乾燥や雑草の発生を抑え、地温の変化を和らげます。資材によって効果が異なり、株元の蒸れにも注意します。
- 実生(みしょう)
- 種から植物を育てること、または種から育った植物。挿し木や株分けと違い、親と異なる性質が現れることがあります。
- 水はけ(みずはけ)
- 土に入った余分な水が抜ける性質。よい水はけは根の酸素不足を防ぐのに役立ちます。「すぐ乾くこと」と同じではなく、必要な水を保つ保水性とのバランスが大切です。
- 蒸れ(むれ)
- 高温多湿で風通しが悪く、葉や茎の周囲に湿気がこもる状態。葉が密に重なる株や梅雨時に起こりやすく、葉の傷みや病気の原因になります。混み合う部分を整理し、風が通るようにします。
- メディシナルガーデン
- 薬用植物を集めて育てる庭。観賞、学習、研究などの目的で作られます。薬用植物という名称だけで、家庭での飲用や使用が適しているとは判断できません。
- 元肥(もとごえ)
- 種まきや植え付けの前、または植え付け時に与える肥料。元肥入りの培養土では、追加すると過剰になる場合があります。
- 元土(もとつち)
- 配合や土づくりの土台にする土を指す言葉。使われる場面で意味が異なるため、土の種類、肥料分、水はけなどを確認します。
ヤ行
- 有機質肥料(ゆうきしつひりょう)
- 油かす、魚かす、家畜ふんなど、動植物由来の有機物を主な原料とする肥料。土の中で分解されてから効くものが多く、効き方は温度や水分などにも左右されます。
- 容器栽培(ようきさいばい)
- 鉢やプランターなどの容器で植物を育てること。移動しやすい一方、根が伸びる空間や土の量が限られるため、水やりと植え替えの管理が大切です。
- 用土(ようど)
- 植物の栽培に使う土や資材の総称。赤玉土、軽石、腐葉土などを目的に合わせて配合します。あらかじめ配合された市販の培養土も用土の一つです。
ラ行
- ランナー
- 地表を這うように伸びる茎。節から根や葉を出し、新しい株を作るものがあります。ワイルドストロベリーなどに見られます。
- 連作障害(れんさくしょうがい)
- 同じ場所で同じ作物や近い仲間を繰り返し育てることで、生育が悪くなる現象。土壌病害や養分の偏りなど、複数の原因が関係します。発生しやすさは植物や土の状態によって異なります。


































