ヒソップは、青紫の美しい花穂を咲かせるシソ科のハーブで、和名を「ヤナギハッカ」といいます。旧約聖書にも登場する歴史の古いハーブで、ヨーロッパの修道院ではリキュールの香り付けにも使われてきました。このページでは、ヒソップの特徴と名前の由来、伝統的な効能と使い方、注意点、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ヒソップ(Hyssop)/ヤナギハッカ(柳薄荷) |
|---|---|
| 学名 | Hyssopus officinalis |
| 分類 | シソ科ヤナギハッカ属 |
| 種類 | 半常緑小低木 |
| 草丈 | 30〜60cm |
| 原産地 | 南ヨーロッパ〜中央アジア |
| 花期 | 7〜9月(青紫・ピンク・白) |
| 香りの成分 | ピノカンフォン、イソピノカンフォンなど |
| 寒さの目安 | 強い |
ヒソップとは?特徴と名前の由来
ヒソップは、南ヨーロッパから中央アジアにかけての乾いた岩場に自生する、シソ科の小低木です。株元は木のようにかたくなり、まっすぐ伸びた枝に、細長い葉が向かい合って付きます。夏になると枝先に、小さな唇形の花を穂のように咲かせます。花色は青紫が一般的ですが、ピンクや白の品種もあります。葉には、ミントとセージを合わせたような、すっきりとしてほろ苦い香りがあります。
名前は、ヘブライ語で「聖なるハーブ」を意味する「エゾブ」に由来するといわれます。旧約聖書の詩篇には「ヒソプをもって我を清めたまえ」という一節があります(聖書に登場するヒソプが、現在のヒソップと同じ植物かどうかは諸説あります)。和名の「ヤナギハッカ」は、柳のような細い葉と、ハッカに似た香りから付けられました。
1世紀のローマの博物学者プリニウスは、ヒソップを使ったお酒について記しています。中世ヨーロッパの修道院では、ヒソップがリキュールの香り付けに使われ、今もシャルトリューズなどの薬草系リキュールの香りの材料のひとつになっています。
アニスヒソップとの違い
名前のよく似た「アニスヒソップ」は、北アメリカ原産の別の植物です。ヒソップより大きく育ち、葉にアニスのような甘い香りがあります。

ヒソップの効能と使い方
ヒソップは、ヨーロッパで伝統的に、のどの調子が気になるときや、かぜの季節にお茶として飲まれてきました。現在は、主に料理や観賞用として楽しまれています。
料理
ほろ苦くスパイシーな香りは、脂の多い肉料理や魚料理によく合います。ラム肉やソーセージ、青魚の料理、スープや煮込みに、刻んだ葉を少量加えます。香りが強いので、使いすぎないのがコツです。花はサラダに散らすと彩りになります。

ハーブティー
乾燥した葉と花を小さじ1杯ほどポットに入れ、熱湯を約200ml注いで3〜5分蒸らします。苦みがあるので、はちみつを加えたり、ミントやレモンバームとブレンドしたりすると飲みやすくなります。
ドライフラワー・観賞
青紫の花穂は、乾燥させてドライフラワーやポプリにできます。ミツバチやチョウがよく集まる花で、花壇の縁取りや低い生け垣にも向いています。
使うときの注意
- ヒソップの精油には、神経に作用する成分(ピノカンフォンなど)が多く含まれ、刺激が強いため、家庭では使わないでください。
- 妊娠中・授乳中の人、てんかんなどの持病がある人、小さな子どもは、ハーブティーを飲まないでください。
- ハーブティーは飲みすぎず、長期間続けて飲むのは避けましょう。
ヒソップの育て方
ヒソップは、暑さと乾燥に強く、育てやすいハーブです。苦手なのは多湿。乾き気味の土で、風通しよく育てましょう。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 種まき | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 7月 | 8月 | 9月 | |||||||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 9月 | |||||||||
| 収穫(葉・花) | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |

置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みます。水はけのよい、乾き気味の弱アルカリ性の土が適しています。庭植えでは、植え付け前に苦土石灰を混ぜておきましょう。
種まきと植え付け
種まきは春(3〜5月)か秋(9〜10月)。ポットにまいて、本葉が4〜5枚になったら植え付けます。苗から育てると手軽です。梅雨どきに蒸れて根腐れしやすいので、株の間を30〜40cmあけて、風通しをよくしましょう。
水やりと肥料
乾燥に強いので、土の表面がしっかり乾いてから水を与えます。梅雨どきは特に水のやりすぎに注意しましょう。肥料は春に少量与える程度で十分です。
刈り込みと冬越し
花が咲き終わったら、軽く刈り込んで形を整えます。暖かい地域では、そのまま冬も葉が残ります。寒い地域では冬に葉が落ちますが、春にまた芽吹きます。数年たつと株元が木のようにかたくなるので、挿し木で若い株に更新しましょう。
ふやし方
種まきのほか、初夏(5〜6月)や秋(9月)に挿し木でふやせます。
ヒソップのよくある質問
- ヒソップの効能は?
- ヨーロッパでは伝統的に、のどの調子が気になるときや、かぜの季節にお茶として飲まれてきました。精油は刺激が強いため、家庭では使わないでください。
- ヒソップはどう使いますか?
- 刻んだ葉を少量、脂の多い肉や魚の料理、スープに加えます。花はサラダの彩りやドライフラワーに使えます。
- アニスヒソップと同じですか?
- 別の植物です。アニスヒソップは北アメリカ原産で、葉にアニスのような甘い香りがあります。
- 梅雨に枯れてしまいました。
- 多湿による根腐れが考えられます。水はけのよい土に植え、株の間をあけて風通しをよくしましょう。鉢植えは雨の当たらない場所に移すと安心です。






























