ローズマリーは、針のような細い葉にすっきりとした強い香りを持つ、シソ科の常緑低木です。肉料理やじゃがいも料理に欠かせないハーブで、乾燥させても香りが長く残ります。丈夫で育てやすく、庭木やグラウンドカバーとしても人気があります。このページでは、ローズマリーの特徴と歴史、立性・匍匐性などの種類、伝統的な効能と使い方、育て方まで、まとめて紹介します。
| 名前・別名 | ローズマリー(Rosemary)/マンネンロウ(迷迭香) |
|---|---|
| 学名 | Salvia rosmarinus(旧学名 Rosmarinus officinalis) |
| 分類 | シソ科アキギリ属(サルビア属) |
| 種類 | 常緑小低木 |
| 草丈 | 30cm〜2m(品種による) |
| 原産地 | 地中海沿岸 |
| 花期 | 11〜5月が中心(青紫・ピンク・白。四季咲きの品種も) |
| 香りの成分 | 1,8-シネオール、カンファー、α-ピネン、ロスマリン酸など |
| 寒さの目安 | 比較的強い(品種による) |
ローズマリーとは?特徴と名前の由来
ローズマリーは、地中海沿岸の海に近い乾いた丘に自生する、シソ科の常緑低木です。長さ2〜3cmほどの細い葉は、ふちが内側に巻いて針のような形をしていて、表は濃い緑、裏は白っぽい色をしています。冬から春を中心に、葉の付け根に青紫やピンク、白の小さな唇形の花を咲かせます。
名前は、ラテン語の「ros marinus(海のしずく)」に由来し、海辺に自生し、青い花が露のように見えることから付けられたといわれます。英語の「ローズマリー」には「聖母マリアのバラ」という意味も重ねられ、聖母マリアが青いマントをこの木にかけて干したところ、白かった花が青く染まったという言い伝えがあります。2019年の研究で、学名がサルビア属(Salvia rosmarinus)に変更されました。
歴史と言い伝え
ローズマリーは、古代ギリシャの時代から使われてきたハーブです。ギリシャの学生たちは、記憶力を高めるとしてローズマリーの冠をかぶって勉強したといわれ、花言葉も「記憶」「思い出」です。中世ヨーロッパでは、悪いものを遠ざける力があると信じられ、枝を焚いて部屋を清めたり、結婚式や葬儀の花束に使ったりしました。
14世紀のハンガリーでは、ローズマリーをアルコールに漬けた「ハンガリーウォーター」を使った王妃が、若々しさを取り戻して隣国の王子から求婚されたという伝説があり、「若返りの水」とも呼ばれています。
ローズマリーの種類(立性・半匍匐性・匍匐性)
ローズマリーには多くの品種があり、育つ形によって大きく3つに分けられます。
| タイプ | 特徴 | 代表品種・向く使い方 |
|---|---|---|
| 立性(たちせい) | 枝が上にまっすぐ伸びる。1m以上になることも | トスカナブルー、マリンブルーなど。料理用、生け垣に |
| 半匍匐性 | 枝が斜めに広がる。立性と匍匐性の中間 | マジョルカピンクなど。鉢植え、花壇に |
| 匍匐性(ほふくせい) | 枝が地面をはうように伸び、垂れ下がる | プロストラータスなど。グラウンドカバー、ハンギングに |
花色は青紫が定番ですが、ピンクや白の品種もあります。料理にはどのタイプも使えますが、枝がまっすぐで収穫しやすい立性が人気です。

ローズマリーの効能と使い方
ローズマリーは、ヨーロッパで伝統的に、頭をすっきりさせたいときや、気分をリフレッシュしたいときのハーブとして使われてきました。葉に含まれるロスマリン酸などの成分には、酸化を防ぐ働きがあることが知られ、食品の酸化防止剤としても使われています。
料理
ローズマリーは、肉料理と相性抜群です。ローストチキンやラム肉、豚肉のソテーに枝ごと添えて焼くと、臭みが消えて香りよく仕上がります。じゃがいものロースト、フォカッチャ、魚のグリルにもよく合います。オリーブオイルに枝を漬け込んだローズマリーオイルは、パンにつけたりドレッシングに使ったりできます。香りが強いので、少量から使いましょう。

ハーブティー
生の枝なら5cmほど1本、乾燥した葉なら小さじ1杯をポットに入れ、熱湯を約200ml注いで3〜5分蒸らします。すっきりとした香りで、朝のリフレッシュにおすすめです。
暮らしの中で
ローズマリーは、乾燥させても香りが長く残ります。刈り取った枝を束ねて吊るしておくと、部屋にさわやかな香りが広がります。冷ましたハーブティーをヘアリンス代わりに使う方法も、昔から親しまれてきました。
使うときの注意
- 妊娠中の人は、料理に使う程度にとどめ、ハーブティーを大量に飲むのは控えてください。
- 高血圧やてんかんの持病がある人は、ローズマリーの精油を使わないでください。
- 精油は刺激が強いので、肌に直接つけないようにしましょう。
ローズマリーの育て方
ローズマリーは、日当たりと水はけさえよければ、土質をあまり選ばずに育つ丈夫なハーブです。肥料もほとんど必要ありません。注意したいのは、水のやりすぎと、梅雨から夏の蒸れです。
| 月 | 1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 植え付け | 3月 | 4月 | 5月 | 9月 | 10月 | |||||||
| 花期 | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 11月 | 12月 | |||||
| 挿し木 | 5月 | 6月 | 9月 | |||||||||
| 切り戻し | 6月 | 7月 | ||||||||||
| 収穫(葉) | 1月 | 2月 | 3月 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 | 10月 | 11月 | 12月 |
※花期は品種によって異なり、四季咲き性の品種もあります。

置き場所と土
日当たりと風通しのよい場所を好みます。水はけのよい、弱アルカリ性の土が向いているので、庭植えでは苦土石灰を混ぜ、少し高く盛り土をして植えると安心です。
植え付け
苗の植え付けは、春(3〜5月)か秋(9〜10月)が適期です。種からも育てられますが、発芽率があまりよくないので、苗から育てるか挿し木でふやすのが一般的です。
水やりと肥料
乾燥に強いので、鉢植えは土がしっかり乾いてから、たっぷり水を与えます。庭植えは、根付いたあとは水やりはほとんど不要です。水のやりすぎは根腐れの原因になります。肥料は、春先に少量与えれば十分です。
切り戻しと剪定
枝葉が茂りすぎると、内側が蒸れて下葉が枯れることがあります。梅雨前から夏にかけて、収穫を兼ねて枝を切り戻し、風通しをよくしましょう。伸びた枝の先を摘むと、わき芽が出て、こんもりとした形に育ちます。
ふやし方
挿し木が簡単です。5〜6月か9月ごろ、若い枝の先を10cmほど切り、下の葉を取って土に挿します。匍匐性の品種は、地面に付いた枝から根が出るので、それを切り分けて育てることもできます。
鉢植えの植え替え
鉢植えは根詰まりしやすいので、2〜3年に1回、ひと回り大きな鉢に植え替えましょう。
ローズマリーのよくある質問
- ローズマリーの花の色は何色ですか?
- 青紫が定番ですが、淡いブルー、ピンク、白の品種もあります。冬から春にかけて咲くものが多く、四季咲き性の品種もあります。
- 立性と匍匐性、どちらを選べばいいですか?
- 料理用には、枝がまっすぐで収穫しやすい立性がおすすめです。花壇のふちや鉢から垂らしたい場合は匍匐性が向いています。
- ローズマリーの下葉が枯れてきました。
- 蒸れや水のやりすぎが考えられます。枝を切り戻して風通しをよくし、水やりは土がしっかり乾いてからにしましょう。鉢植えは根詰まりも確認します。
- いつ収穫できますか?
- 常緑なので、一年中収穫できます。必要なときに枝先を切って使いましょう。
このハーブの栽培・活用ガイド
育てている株の様子や季節に合わせて、確認することを案内します。



































どんな料理に?
肉料理と相性が良いです。ただ、使う量は少量なので、残りは乾燥させてハーブティーにするとよいです。