ハーブの定義について考える
ローズマリーやセージ、タイム、カモミール、ラベンダー…。これらは主にヨーロッパの人々が伝えてきたハーブたちです。
歴史をひも解いてみると、世界のどんな民族も周囲の植物を利用してきたことが分かります。
日本にはシソ、ショウガ、サンショウ、ワサビなどがあるように、それぞれの地域の民族に固有のハーブがあるわけです。
南米アマゾンの熱帯雨林には、現在インディオの呪術師しか知らない薬用植物が何百種類もあると推測されていて、薬学者の注目を集めている最中です。
さらに、中国漢方で用いる多数の薬草や、今日本で人気のウーロン茶、杜仲茶などの原料もハーブといってさしつかえありません。ハーブは何種類くらいあるのかという議論のナンセンスなことが、お分かりになると思います。
また、家の周りに勝手に生えてくる草を雑草と呼び、目の敵にしがちですが、タンポポやスギナ、オオバコ、シバムギもみなそれぞれタンデライオン、ホーステイル、プランテイン、カウチグラスという名の立派なハーブです。
ハーブと野菜
ともすれば有名なハーブばかりがもてはやされますが、実は、ハーブはみな「自生」しているものなのです。
米や野菜のように人間が手をかけて品種改良したり、計画的な収穫を期待して栽培するのではなく、野生のままのみずみずしい力にあふれた植物たちです。
昔はハーブだったキャベツやセロリ、たまねぎは、今では農業的に栽培されるようになって「野菜」になりました。
そうすると、ハーブとは「人間の暮らしに役立つ自生植物」ということになります。
ですから、香りのないハーブも存在するわけで、「香草」=ハーブとは断定できません。
米や野菜は品種改良を重ねていて、人間が手をかけないとすぐに害虫などにやられてしまって、なかなか繁殖できません。
そういうわけで、人間が大規模栽培で育てる植物は「野菜」と区別できるのです。
ハーブとスパイス
では、ハーブとスパイスはどう違うのでしょうか。
「人間の暮らしに役立つ自生植物」という条件に当てはめると、ナツメグやペッパー、クローブ、シナモンなどのスパイス類も、インドやマダガスカル、東南アジアなどの原産地ではもっとも役立つ自生植物ですから、ハーブということになってしまいます。
ところで、スパイスとは何なのでしょう。
スパイスとは、ヨーロッパ文化圏での伝統的、習慣的な分類です。ヨーロッパの大航海時代と呼ばれる時期に、大海原を越えてスペインやポルトガルの船が持ち帰った南国の刺激的な香りの木の実、樹皮などをスパイスと呼び、自国に自生するハーブと区別したのです。
スパイスは、より大きなハーブの中の1つのジャンルというわけです。
























