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◇全草から強い芳香を放つ
センテッドゼラニウムはアフリカの喜望峰原産で、1632年にイギリスに入ってきました。1847年には、フランスの香水会社がこのハーブを使い始めています。通称ニオイゼラニウムといわれますが、植物学的にはペラルゴニウムが正しいとされています。
ペラルゴニウム属の仲間には、葉に香りを持つものが多くあります。中でも香りがよく、香料や香辛料として使用するものを、「センテッド・ゼラニウム(ニオイゼラニウム)」、花を観賞する園芸用のものを「ゼラニウム」として区別しています。センテッドゼラニウムは、もともと香料原料用として香料メーカーなどによって導入、改良開発されたものです。全草に芳香があり、荒地、低木の間、森のはずれなどに生えています。
昔の人々はこの植物を創傷と腫瘍に対して用いていました。仲間には、バラの香りのローズゼラニウムのほかに、パイナップル、ミント、アップル、オレンジ、レモンやジンジャー、シナモンの香りなどをもった種類があります。花の色もピンクの濃淡を基本に、濃紅から白まで、大きさもかなり大きな大輪のものから小輪がたくさん咲くもの、班入り葉や縮み葉のものなど、観賞用として人気のある種類も出てきています。
◇お菓子にデザートに
花はサラダにしたり、デザートなどの飾りにします。ローズゼラニウムやレモンゼラニウムの葉は、お菓子に焼きこみます。ローズゼラニウムの葉は、ハーブバスやフェイシャルサウナに使用します。肌を引き締め、失神などにも効果があります。
◇抗菌、抗炎症作用
ローズゼラニウムの精油は、ローズ様でグリーン調の香りです。抗菌、抗炎症、皮膚弾力回復利用などがあります。美肌のための精油でもあります。
この精油は緩和鎮静剤で、神経痛に対して使うことができ、ことに原因が肉体的なものより神経的なものにあると思われる痛みに用いられます。鎮痛・癒傷・消毒剤として、火傷にすばらしい薬となりますし、また創傷とさまざまなタイプの潰瘍に対する有効性には定評があります。
神経系統へのゼラニウムの作用には、かなり著しいものがあります。これはベルガモットのように、鎮静させるとともに高揚させる効果があります。バジリコ・ローズマリーと同じように、ゼラニウムも副腎皮質を刺激する薬剤になります。副腎皮質から出るホルモン類は、体の働きを調整し、バランスを取る性質を持つホルモンです。このホルモン類には性ホルモンも含まれますので、更年期にしばしば起こるアンドロゲン・エストロゲン双方の分泌不全に対して、そのバランスを回復させるために用いることができます。
◇美肌効果をスキンケアに
乾燥性湿疹・火傷・帯状疱疹・シラミ症を含むさまざまなタイプの皮膚病に有益です。スキンケアにも非常に大きな価値をあらわし、ほとんど肌質を問わず用いることができます。これはクレンジング効果・リフレッシュ効果・収れん効果を発揮し、皮膚の緩和なトニックになります。炎症を起こした皮膚にも使えますし、機能が落ちて滞留状態にある脂性肌にも有効です。
◇蚊取りとして販売されることも
ゼラニウム油はテルペン系物質を含んでいますので、殺虫剤になります。ですから蚊やりとしても最適です。お店などでは蚊よけ草、蚊香龍(かこうろん)などといった名前で販売されることも多々あります。時期的には毎年5〜6月頃から秋にかけて出回ります。

○高温多湿と雪に注意
水はけのよい、栄養豊富な土に植えつけ、十分に日を当てて管理すると元気に育ちます。夏の高温多湿時は乾燥気味に、冬は雪が降り積もると枯れてしまうことが多いので、鉢植えにして室内に入れるとよいでしょう。茎は木質化して木の幹のようになります。
○生育が早く、非常に育てやすい
生育が早く、根が鉢の中いっぱいに回ることがあるので、一年に一回をメドに鉢も一回り大きいものにしたほうがよいでしょう。夏の間に茎を5〜10cmくらい切り取って、赤玉土などを使って挿し木にするとたやすく活着します。
種子ができると株が弱くなることがあるので、こまめに花柄を摘み取ります。上述したように、高温多湿と雪に注意すれば、それほど虫が付かないため、ハーブの中でも育てやすい部類に入ります。