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◇ハーブの女王
ラベンダーはハーブの中で最も代表的なもののひとつで、あのラベンダー色といわれる紫色の花色のほかに、園芸種には濃青紫色、淡青色、桃色、白花などが見られます。地中海沿岸地方原産の多年草で、草丈は1mくらいになります。古代ギリシャ・ローマ人はラベンダーを入れた湯で入浴しましたが、名前も、ラテン語のラベーレ(lavare,入浴する)に由来します。
ラベンダーは、花だけでなく茎葉など全草に香原料として人気の高い芳香成分を含有しているので、フランスやイギリスでは園芸(農業)や香料工業、観光用などの産業としても重要な植物になっています。
日本では、北海道の富良野地区や中部以北の冷涼地において主に栽培されていて、香料用のほか、観光用ガーデンや、切花用生花、手芸用ドライフラワーなど、多角的に利用されています。
◇髪のリンスやハーブ・バスに
昔からラベンダーの香りは「神経を沈静化する」効力がある」といわれてきましたが、近年の科学技術の進歩で脳波の検査や香気成分の測定などができるようになって、まさしく、その効能があることが確認されました。ほかにも、頭痛やめまいを治すとか、学名のラワンドラの由来が”洗う”であるように、髪のリンスやハーブ・バスに用いるとよいとされています。ラベンダーの香りのする化粧品が、石鹸をはじめ多いのは、このあたりからきているのでしょう。
◇美容、健康面でデオドラント効果が高い
本草学者のジェラードは「偏頭痛やめまいを訴える患者の頭頂を、この草で洗う」という処方を、サー・ジェイムズ・スミスも「酒にこの草を混ぜたチンキは、優雅に薬をたしなみたい人々にとって、最良の一杯である」と言っています。
花、葉、茎の全草が香りますが、花の精油が最も上質で、産地別では英国のものが優れています。現代人の抱えているストレス、イライラやヒステリー、頭痛、めまいを穏やかに治し、不眠症、不安症に悩む人々にも効果があります。
美容、健康面でデオドラント効果が高く、消毒、抗炎、治癒作用に優れ、新陳代謝をよくすることが知られています。また、肌質を問わず、生き生きさせるローションとして用いることができ、にきび、やけど、脱毛症にも進められます。
さらに、ラベンダーには香りと同時に、虫除けの効能もあります。昔、南フランスのグラースに住む手袋作りの職人たちは、地元特産のラベンダーオイルで、手袋の材料の皮革を磨いていましたが、そのおかげで伝染病にかからなかったため、この話が広まって、ほかの地方の人々も競ってこのハーブを栽培するようになりました。

○苗から育て、水と肥料は控え目に
種まきからでも出来ますが、生育が遅く2年目からしか花芽が出ないので、苗を購入して植えるのが一般的です。挿し木で増やすこともできます。弱アルカリ性のやせ地で、やや日当たりがよく、乾燥している方がよく育ちます。高温多湿な日本の梅雨が苦手なので、地植えの場合には畝を作ったり盛り土をして、水はけを良くします。鉢やプランターであれば、ゴロ土や礫を入れます。冬が-10℃以下になる場所では、北風を防いでやります。
枯らしてしまう原因の多くは、水と肥料の与えすぎの場合が多いので、控え目を心がけましょう。
○香りを保つためには雨に注意
ちょうど開花のころ、本州などでは雨が多いので、ハーブとして品質の良い花を収穫するためには、花に雨がかからない工夫をします。鉢やプランターでしたら、雨のときには軒下に取り込むようにします。花が咲きだしたらできるだけ早く、葉を2〜3枚付けて花茎を切り落とします。2年に一度、冬の間に株を強めに剪定し、枝の更新を行います。これは過繁茂を防ぐことにもなり、風通しを良くすることができます。
ラベンダーは、極端な酸性土を嫌います。かといって、むやみに石灰を加えるのも考えものです。土が固くしまってしまったり、肥料が効かなくなったりしますので、施肥をかねてアルカリ性肥料の熔性リン肥を施すくらいがよいでしょう。
☆ラベンダーの種類
ラベンダーは大別すると、次の4種類に分類できます。
@イングリッシュ系:Lavandula angustifolia など。(穂先に小さな花を並んで付ける)
Aラバンジン系:Lavandula×intermedia。(成長が早く収穫が多い)
Bフレンチ系:Lavandula stoechas など。(花穂が楕円形に膨らむ)
Cその他