■カモミール Chamomile 〜甘いリンゴの香りがする、アレルギーに優しく効くハーブ〜

【学 名】 Matricaria necutita、
  Chamaemelum nobile
【分 類】 キク科・カミツレ属
【別 名】 カミツレ、カミルレ、カモマイル
【種 類】 多年草
【草 丈】 40cm〜100cm
【原産地】 ヨーロッパ
【精油成分】 アズレン、テルペンアルコール、
  ノニル酸、カプリン酸
  • カモミール1
  • カモミール2
  • カモミール3
利用部分 葉 花 茎
利用法 ハーブティー 料理 美容健康 染料 アロマテラピー 混植

■ 特 徴


◇古代エジプトでは最高のハーブ
ローマンカモミールを太陽神への捧げ物とし、治癒の秘薬、最高のハーブとしてたたえ、ギリシャでは、熱病や婦人病の治療薬として使われていました。サクソン人(古代イギリス人)に「メイセン」という名前で知られていたカモミールは、イギリスで最も古くから有名な薬用植物のひとつです。カモミールの花の芳香はよくリンゴの香りにたとえられます。ギリシャ人がカモミール「カマイ・メロン」(地面のリンゴ)と呼んだのも、そのためでした。このカマイ・メロンからカモミールの英語名、カモマイルができたのです。

◇植物のお医者さん
また、カモミールは「植物のお医者さん」とみなされてきました。ほかの植物を健やかに保ってくれる力があるからです。カモミールはデージーの仲間で、普通種デージーによく似ています。その上を歩くと芳香が立ち上るので、中世のころカモミールは床などに「まき散らす薬草」としてよく利用され、また庭園の小径などにもわざわざ植えられたりしました。

1638年に書かれた、ウィリアム・ロースン著の造園書には、「テッサリアの神殿の森のごとく、広くてゆったりとした散歩道には、砂利と砂を敷き詰め、ベンチを設けて、カモミールを植えるとよい。心身ともに健康になるであろう」とあります。また、逆境にあるものを激励する言葉に、カモミールの苗床のごとく、踏まれるたびに成長せよ」というものがあります。

◇特にドイツでは子供たちの万能薬として有名
フランスやドイツで特に人気の高い理由は、子供たちの万能薬といえるからでしょう。民間薬として重宝されています。いろいろな体の不調、特に女性特有の病気や神経障害に対する効果が知られ、更年期の不快も改善するといわれています。また、優れた整肌作用、抗炎症作用、アレルギーを改善する作用は特筆すべきものがあります。

精油にアズレン、ノニル酸、カプリン酸、テルペンアルコールなどの有効成分が含まれているからです。この作用は、ローマンカモミールよりもジャーマンカモミールのほうが優れています。発汗、駆風剤として感冒、リューマチに煎汁を飲むか浴湯料とされ、炎消作用があるので口腔炎や咽頭炎、痔や腫れ物の家庭薬に配合されています。

◇優れた抗炎症作用
アズレンに関してですが、アズレンはきわめて優れた抗炎剤として知られていて、多くの薬剤と化粧品類に用いられています。植物性エキス入りの化粧品に、このカモミールが古くから、いかに多く含まれていたかを知ればその効果は納得できます。単離すると濃い青色をした結晶になります。生の花の中にはなく、精油を蒸留する際に形成されます。また、花を乾燥したときにも、中にアズレンができます。

ローマンカモミール約1パーセントの精油を含んでいますが、ジャーマンカモミールの場合には0.25パーセントほどです。ですが、ジャーマンカモミールのほうがアズレンをより多く含有していますカモミールの精油の色は淡青色から緑がかった青色または濃青色まで、さまざまになります。この色だけでは、どの種類のカモミールの精油か識別することはできません。この精油には軽い、さわやかでリンゴを思わせる香りがあり、味には苦味がありますが、わりあいによい味です。カモミール油は、バラ・ゼラニウム・ラベンダーとよく融合し、軽い爽快なバスオイルになります。

カモミールのエッセンスは比較的毒性が低く、250年以上にわたって薬局方に載せられてきました。火傷・結膜炎・皮膚炎・胃炎・下痢・腎炎などに用いると良いようです。これは緩和な鎮痙剤・利尿剤で、また喘息・気管支炎・膀胱炎にも効き目があります。 消化障害にも効果がありますし、消化性潰瘍には特に有効です。それは、カモミールのエッセンスには抗炎症作用と癒傷作用があり、また全般的な鎮静効果があるからです。

◇精神と美容に特筆すべき効果
さらにカモミールは、心と神経の系統とに著しい効果を示します。伝統的にヒステリーと各種の神経症に使われてきました。鎮静作用を示すとともに抗抑うつ効果を発揮するのです。これは肉体的なものと並んで精神的な痛みや苦痛に効き、気持ちが休まらず、神経が苛立ったり、いても立ってもいられなかったりするときに勧められます。

古代エジプト人はカモミールを怒りに用いました。それ以来、薬草専門家はこれと同じやり方でカモミールを利用してきました。ポーランドでの研究(1966年)によりますと、カモミール油はラットの体温を摂氏で3度ないし3.5℃降下させること、糸急体腎炎にしたラットの高い血中尿素値を低下させることも証明されています。

カモミール油を皮膚に用いますと、鎮痛・抗炎症・癒創・消毒の各効果を発揮します。鎮痛剤としてのこの作用については、すでによく取り上げられています。こうしたいろいろな特性が組み合わさって、カモミール火傷用のすばらしい薬剤になります。これはまた、炎症をおこした傷・潰瘍または腫れ物にも使うことができます

カモミールはさまざまな皮膚の炎症に使用されますが、特に皮膚炎・過敏性の皮膚に有効です。その抗炎症作用というのは、毛細血管祖収縮させる作用というのと同じ意味です。また、乾燥肌にも効果があります。特に肌に発赤があったり、肌が敏感であったりしたときに有効です。抗アレルギー剤として、アレルギーのために生じた発疹に効き目があります。毛髪をつやつやと輝かせる効果もあるため、シャンプーによく利用されます。

■ 育 て 方


カモミール年間表

 

☆ジャーマンカモミールとローマンカモミール
それぞれ、夏の暑さと乾燥に弱く、新芽とつぼみにアブラムシが発生することがあるので注意しましょう。

【ジャーマンカモミールの育て方】
春か秋に、直播をします。高さ40〜50pくらいになります。
一年草ですが、一度栽培すると翌年からはこぼれ種から自然と育っていきます。交雑しやすく香りのないものなどがでてくる場合があるので、見つけたら株ごと抜き取ります。

ジャーマンカモミールは植物のお医者さんと言われ、周りの植物を元気付け、病気から守ります。花を収穫後、残った茎や葉は刻んですき込むと、優良な肥料となります。

【ローマンカモミールの育て方】
背丈は10〜20pとほとんど大きくならないのですが、花だけでなく全草から香りが出ますローマンカモミールは多年草なので、春と秋に種をまく以外に株分けで増やすこともできます。ジャーマンカモミールと同様、交雑しやすいので性質が劣っているものを見つけたら抜き取りましょう。

ローマンカモミールの仲間には、八重咲きのもの、芝生に用いる花の咲かないもの(ノンフラワー種) 、舌状花が黄からオレンジ色で、染色や花壇に用いられるダイヤーズカモミールなどがあります。



■ 質 問 と 回 答


Q. 自宅で咲いたカモミールの花を乾燥させ、ハーブティーにしたのですが、苦味が出てしまいます。
A. ローマンカモミールは、ティーにすると苦みが出ます。

ローマンカモミールは全草に香りがあり、背が低い多年草です。
苦みはほとんどないジャーマンカモミールは、背が高く花のみに香りがあり、1年草です。

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